「STAR DRIVER 輝きのタクト」の二次BL小説です。
タクト×スガタ小説ですのでお嫌な方はご遠慮ください。
流れ的にはスガタクスガです。
リバありですのでご注意ください。
スガタ×タクト小説は第一話~第十三話を
ヘッド×スガタ小説は第十四話~第二十三話を
リョウスケ×ヘッド小説は第二十四話~第二十八話を
ヘッド×シンゴ小説は第二十九話~第三十七話をご覧ください。
R18ですので18歳未満の方の閲覧を禁止します。
「銀河美少年」第四十話 秘められた肖像画編
あれから何事もなかったかのようにスガタとタクトは元の生活に戻っていた。
一緒に南十字学園に通い、放課後には演劇部夜間飛行でワコたちと共に部活をした。居候のタクトはシンドウ家で今もスガタと寝食を共にしていた。道場で早朝稽古をした後は朝風呂に入るのもすっかり二人の日課となっていた。そんな以前と何も変わらない日常の中でタクトは不安を抱いたままだった。
「人を好きになるというのは・・・抱きたいとか支配したいとか・・・そういうことじゃないのか?」
禅問答のようなスガタの問いかけが何処かタクトの胸をざわつかせた。タクトにはいまだスガタが何を考えているのかわからなかった。
その日もスガタとタクトが朝風呂に入っているところにワコが訪れて、三人で一緒に朝食をとることになった。ジャガーとタイガーが作るシンドウ家の朝食はとても美味しく、食いしん坊のワコは理由をつけてはいつも朝食を食べにやってくる。三人はいつもと変わらず笑いながら食卓を囲んでいた。
そんな穏やかな朝の風景に突然異変が訪れた。
「お食事中失礼します。坊ちゃま、今しがたお荷物が届きました。」
「荷物・・・?」
「包みには美術品と記してあります。絵のようですが・・・」
ジャガーの言葉にスガタの顔が一瞬曇ったかのように見えた。
「見せてくれ。」
ジャガーとタイガーが食堂に運んできたのは大きな絵の包みだった。包みの中から現れた絵を見て、全員が驚愕に目を見開いた。
「これって・・・?」
そこに描かれていたのはシンドウ・スガタの肖像画だった。肌蹴た胸元が何処か悩ましく、普段のクールなスガタの印象とはまるで違っていた。その艶めかしいまでの美しさは普段決して見せることのないスガタのもう一つの顔だった。そんなスガタの絵に皆が驚くのも無理はなかった。
絵の隅には「R」のサインが記されていた。その絵を見た瞬間、スガタはそれが何なのかすぐにわかったようだった。
「どうやら僕はきみの父親と会ったらしい。」
「タクト君のお父さん?」
スガタの言葉にワコは驚きの声を上げた。
「歳は僕たちとそう変わらないように見えた。」
「第一フェーズ?じゃもしかしたら綺羅星の・・・」
ワコは不思議そうな顔をしながらそんなことを洩らした。
「予想はしていた。見つからないと思っていたらそういうことか。」
タクトも複雑な思いでその絵を見つめていた。確かに自分の母親が描かれていたあの絵と同じサインの筆跡だった。
「この絵・・・似ているけど・・・坊ちゃまには見えません。何か嫌なリビドーを感じます。」
「そうね・・・対象への支配力しか感じられない。あっ・・・すみません。タクトくんのお父さまが描かれたものなのに・・・」
タイガーとジャガーが思わず漏らした言葉にタクトも困ったように眉を顰めた。
「気にしないで・・・どうせこれから戦う相手なんだ。」
そう笑いながら言ったものの、タクトは内心落ち着かなかった。何故自分の父親がスガタの絵を描いたのか解せなかった。一瞬、スガタの肌に残されたキスの痕が脳裏に浮かんで、タクトは思わずそれを否定しようとした。
スガタはまるで何事もなかったかのようにいつもと変わらぬ冷めた表情のままだった。何故タクトの父親がスガタの絵を描いて送ってきたのか、スガタはそのことについては一切話そうとはしなかった。何の説明もないままタクトに納得など出来るはずもなかった。
まさか・・・スガタ・・・違うと言ってくれ。きみは僕を裏切ってないと・・・
だがタクトはスガタに言うことが出来なかった。ワコ達の前でそんなことを聞けるはずもなかった。スガタが動揺することもなくいつも通りに振舞っているのを見て、タクトは震える拳を握り締めるしかなかった。やり場のない怒りのようなものが自分の中に燻っているのをどうしていいのかわからなかった。
南十字島はいつもと変わらない美しい海辺の風景を見せていた。黄昏の静かな海辺をタクトは一人寂しく歩いていた。そんなタクトに背後から声をかける男の姿があった。
「ねえ・・・そこの彼・・・?」
「ん・・・?」
「ちょっと道を聞きたいんだけど・・・いいかな?」
タクトが振り向くと、穏やかな物腰の見慣れない顔の青年が立っていた。だがその青年を見た途端、タクトの顔が怪訝なものへと変わった。
「この辺に火山がよく見える海岸があるって聞いたんだけど・・・どの辺りにあるんだろ・・・」
グワシッ!!!
男が全てを話し終らないうちに、タクトの右ストレートが男の顔面に叩きつけられた。男はそのまま勢いよく吹っ飛んだかと思うと、地面に尻もちをついて倒れ込んだ。男の切れた唇の端からは紅い血が流れていた。
「白々しい芝居してんじゃねえ・・・」
タクトは男を見下ろしたまま低い声でそう吐き捨てると、さっと背中を向けて男の前から立ち去った。あまりのことに倒れ込んだ青年はすぐに起き上がることが出来なかった。
「くっ・・・」
「だからやめとけって言ったのに・・・」
口元の血を拭った青年に一人の男が近づいてきた。二人の様子を覗き見ていたカタシロリョウスケは座り込んだままのミヤビ・レイジに・・・いやツナシ・トキオに呆れたように手を差し出した。トキオはリョウスケの手を掴むと徐に立ち上った。
「やはり・・・あいつは始末するしかないな。殴られたからじゃない。」
「・・・」
何か言いたそうな顔をしながら無言で見つめるリョウスケにトキオは眉間に皺を寄せた。
「何・・・?オレに忠告でもする気?」
聞く耳を持たないと言いたげなトキオにリョウスケは口元を綻ばせた。
「ふっ・・・相変わらず大人げないと思ってね。」
「・・・?」
「自分の息子にライバル心を燃やしてどうする気だ?まだシンドウ・スガタのことを諦めてなかったのか?」
何もかもわかっているような口ぶりのリョウスケにトキオは自嘲するように笑みを零した。
「はは・・・可笑しいか?これは未練なんかじゃない。シンドウ・スガタはキング・ザメクのドライバーだ。王のシルシを持った彼を手に入れたいと思うのはいけないことかい?オレが世界を支配する力を得る為には彼が必要なんだよ。その為にはツナシ・タクトは邪魔な存在だ。」
自分と血の繋がった息子を排除してまで力を手に入れたいと望むトキオの底知れない野望にリョウスケは不安を抱かずにはいられなかった。
「トキオ・・・おまえはそうやって大事なものを見失ってしまうことに気付いていないのか?」
「何を言っている?オレは失ったものを全て取り戻す為に世界を手に入れる。リョウスケさんはわかってくれていると思っていたけど・・・」
一体何処からそんな自信が湧いてくるのか、リョウスケにはトキオの心が未だ掴めなかった。
トキオ・・・おまえの心はやはり0時間に囚われたままなのか?オレでは駄目なのか?おまえの凍てついた心はもうどうすることも出来ないのか?
そう心の中で呟いたリョスウケはそれを声にすることが出来なかった。
第四十一話に続く
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