物心つく前の話しだ。僕の記憶ではないのだが、小さな頃から親や叔母達から何度か聞かされてきたので、なんか確かな事実として覚えているような気がしている話し。

二年半通った幼稚園の記憶は朧げながらあるので、それはおそらく二歳三歳の頃だろう。

その頃は夏でも夕暮れ時は涼しく、陽が沈む頃、家のあった住宅街から少し足を延ばし田んぼの広がる中を隣村に通じる道を涼みに歩くことがよくあったようだ。

ある夕、父の歳の離れた妹である叔母と僕は散歩に出かけ、しばらくすると叔母が僕を連れ、大慌てで家に帰り、「◯◯ちゃんが詩を口にした。早く書き取って」と、幼い僕が空にかかる月を見て話した言葉を書き残したという。やれこの子は賢い。とかその頃からあらぬ期待をされるキッカケになったかも知れない出来事だ。後年、母がその時のメモが見つかったと、見せてくれたが、月がキレイに見えているというだけの小さな子の呟きでしかなかった。

そんなことがあったからなのか、その後もこれまでの長い期間、月に関わる記憶がたくさんある。「月」好きだ。今夜も今寝る前に部屋の窓を閉めようとしたら南の空に月が浮かんでいる。で、この話しを書いておこうと思ったわけだ。

満月は明日らしい。