『10月の満月に一番近い土曜日』 今年は10月8日だったオアフ島トライアスロン | 啖月会館MAXIMUM

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帰ってきた啖月会館です。
「ことば」について色々な角度から眺めつつ、
漫画・映画・時事ネタ・雑学ネタ等に走ります。

 昨夜(2011/10/11)、空を見たら綺麗なまぁるい月が(満月自体は12日の今夜)
「ああ、10月の満月と言えば…」
と、トライアスロンに係わる人達をピックアップして描いた石渡治さんの短篇集
『10月の満月に一番近い土曜日』
を思い出しました。
10月の満月に一番近い土曜日 (ビッグコミックス)/石渡 治
 トライアスロンと言えば、スイム・バイク・ラン(マラソン)の3種目をいっぺんに行なってしまうハードな競技(鉄人レース・アイアンマンレースとも呼ばれます)で、競技者の方たちは来るべき本番に備え、日々ストイックに鍛錬を積み重ねています。
※説明の必要はないと思いましたが念のため。

 本作は毎年10月にハワイで行われる『アイアンマン・トライアスロン・ワールドチャンピオンシップ』を中心に、その参加に向けて取り組む競技者及び競技運営のサポーターなど、それぞれの想いや情熱を綴っておりまして、

・トライアスロンの大会でだけ顔を合わせるライバル同士の奇妙な友情
・亡くなったパートナーが競技に傾けていた情熱について知りたいがゆえに自らも競技者になった女性
・事故による首の骨折から壮絶なリハビリを経て復帰した競技者の再起の記録
・日々に流されどこかに置き忘れてきた『自分』を取り戻すために競技に取り組み始めた男

などなど、なにかしら心の琴線に触れるエピソードに溢れております。

 で、タイトルの『10月の満月に一番近い土曜日』の由来について。
 最近は1/4ほどに距離を短縮した『ショート・ディスタンス』での開催も多くなっていますが、元々の距離(スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km)で行えば、制限時間が15~17時間(正確なところは聞きかじりなのでわかりません)に設定されるほど長時間に及ぶ競技ゆえに、参加者によってはランの最終ゴールが夜半にかかることも少なくありません。
『そんな状況になっても、月明かりで足元がハッキリ見えるように』
という配慮で『アイアンマン・トライアスロン・ワールドチャンピオンシップ』は10月の満月に一番近い土曜日に開催されるのだとか。
 作中でも月明かりの中ゴールを目指す競技者の姿が描かれていますが、優しい月明かりと相まって、その運営側の配慮が読む者の心に温かく伝わってきます。

 スポーツの秋という事を抜きにして、“毎日同じ事の繰り返しっぽいなぁ”と行き詰まりを感じたり、心に乾きを感じている人にお勧めの一冊。
気になられた方は是非一読を。