牡丹との出会い | ムックボンのブログ

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「生きる」ということ、「生きてゆく」という事、人と犬とのかかわり、


そんないろんなことを考えるきっかけになった出来事。




2011年8月13日  お盆


やっと見つけた、捨てられた秋田犬。名前は「牡丹」。


嬉しくて、可哀相で哀れで、でも生きていてくれた事が嬉しくて泣けた。


猛暑の中、山の中で半月もの間生きていたんだ。



6年前のある日、ある家の庭先に白くてコロコロとしたとても可愛い仔犬がいた。車を降りて近寄ると、しっぽを振


って喜んでくれた。


でも、何となく気になった。だってそこの家は、犬を飼っていける状況の家では無いという事を


知っていたから。


その先に用事があると、わざわざその道を通って車のガラス越しに様子を見たりしていたが、


ご飯ももらえていたし、散歩も子ども達がしている様子だったから、少し安心した。





牡丹は見るたびに大きくなり、どんどん秋田犬らしい立派な犬になっていったけれど、


いつも犬小屋の周りは汚れていて、


夏には抜けた冬毛が固まってフェルト状になって体にぶらさがっていたし、


冬には風が吹く方向に入口が向いた犬小屋に、毛布もなかった。


飲み水の入れ物も見当たらないし、真夏の西日が直接犬小屋にあたっていた。




我が家にも犬が来て、一緒に暮らす様になり、ますます牡丹の事が気になりだした。たくさん貰ったフードのサン


プルや、おやつなんかを持って行って飼い主にあげたりもした。


古い毛布も渡した。



牡丹は、私が近寄ると決まって鼻をクンクンして臭いをかいでいたけれど、直接ではなくまるで、空中の臭いを嗅

                                                                     

いでいる様にしていたのが不思議だった。





そして、数か月振りのあの日、一度は先を急いでスルーしたものの、なんだかとても気になり


牡丹の家まで行ってみた。




いつもの場所にいない。こんな炎天下に散歩か??



私の嫌な予感は的中してしまった。


牡丹が捨てられた。


7月にお父さんとお母さんが、山に捨ててきた・・・と子どもが話した。


必死で泣いて、やめてくれと頼んだがダメだったとも言った。



ふざけるな!!!


怒りと不安と後悔で頭がどうにかなりそうだった。



まだ生きているかもしれない。 牡丹が待っていそうな、というよりも、そう願って


私はその山まで探しに行った。


でも何度呼んでも姿が見えない。もしかして・・・と保健所に電話をした。



捨てられてから2週間以上経過しているのだから、もう殺処分された可能性があるからだ。


それか、万が一昨日なんかに保護されていれば、まだ保健所にいるかもしれない・・・望みはまだある。


でも、保健所の答えは 秋田犬の保護の事実はない  ということだった。



じゃあ山の中で餓死か?それとも何とか生きているか?



何度も山道を行ったり来たりしてみたが、牡丹はいない。 




山の下にいたおじさんに聞いてみた。「白い大きな秋田犬を見ませんでしたか?」


「いだいだ。半月も山、うろうろしてだ。1週間も保健所で捕獲に来たげど、賢くて逃げだ」


「たぶん、あっちの山さいだ」




生きてる!牡丹が生きてる!!



嬉しかった。




おじいさんが、その方向へ案内してくれた。さっきと同じ様に、何度も名前を呼んでみた。


いた!!!!牡丹だ!いつものように、お座りをしてじっとこっちを見ている。


無我夢中で駆けより抱きしめた。泣けて泣けてしょうがなかった。



生きていたこと、ただそれだけが嬉しかった。



体中の冬毛の固まりに、杉や枝、目の周りには血を吸ってパンパンになったダニが付いて、


山の中での数週間が、いかに過酷だったかが見えた。尻尾を振りながらも、もう疲れきって衰弱しているのが分

 

かった。




牡丹は、たまにしか行ってやれなかった、私の声を憶えていてくれたんだ。そしていつもしていた様に、クンクンと

 

空中の臭いを嗅いで、すり寄ってきてくれた。


                                                                               



どうやって生きていた?何を食べて、どこで眠った?



とにかく、生きていてくれてありがとう。





もう大丈夫だよ。









続編は後ほど・・・・