「死にたい」「死にたくない」11 | IRIEなLIFE

IRIEなLIFE

IMONNI 2106 E 4TH ST LONG BEACH CA 90814 / MOOKEE MADE IN LONG BEACH


目を開けると部屋は暗い

まだ外も暗い





誰かが

俺の腕に何かをしている





意識はもうろうとしているが

かろうじて分かったことは

ナースが血圧を測っているということだった







そしてまた眠った…





















また7時前に起こされる


ユリだ





「さぁ、起きて。血圧を測るよ」


「…あぁ、お願い」




「うん。今日も血圧、脈拍共に異常なし!」


「良かった。なぁユリ。そういえば昨日の夜中、誰かが血圧測りに来なかった…?」



「…」



答えない








「夢だったのかなぁ…?確かに誰かが俺の血圧測ってたんだけどなぁ…」




「…」


「…実はね。昨日の夜中、君の脈拍が30まで落ちたんだ…。」







30?







普通、脈拍がどれくらいで正常なのか分からないが

ユリの表情から察するに

きっと30ってのは

危険な数字なのだろう








「あとで調べれば原因が分かるけど、ペースメーカーを入れればきっと心配ないから…。」








いつも笑顔のユリからは

笑顔が見えなかった










今日の朝はエミは来ることはできない








その何とかシンドロームのテストまで

まだまだ時間はある









また一人

部屋で悩みそうだ…











そのテストまでの間に

新たなナースやら

ドクターやらが

とっかえひっかえ

俺の体を調べにきた







レアな病気だから

ドクター達も興味津々なのかな?





心配な俺のをよそに

久々の大物を見つけたうれしさからか

彼らの目は何だか

輝いていた













そして時間








ナースが呼びにきた

ついにテストだ






体が震える






結果を知るのが怖いってのもあるけど

それよりも

そのテストによって

苦しむのが

単純に怖かった












俺の大好きなラッパー

MSCの漢



彼が歌っていた歌詞が頭をよぎる


「いざ/という時に肝っ玉/が小せぇんじゃ/意味がねぇ」




俺、

肝っ玉小せぇな…













寝たまま運ばれた





着いた先は手術室

何やらたくさん機械が並んでいる






そこには

あのぶっきらぼうのドクターのほかに

ナースが2~3人いた







「さぁ、はじめよう」

ドクターはうれしそうに言った







ナースが俺の体に

いろんなものを貼り付ける

すごい数だ







そして最後に

心臓がある部分を覆うように

前と後ろにでっかい何かを貼り付けた








「これ何?」


俺が聞くと

ナースが答えた




「電気ショックさ」















そして一通り付け終わると

ドクターが時計を見てこう言った


「テスト時間は30分。その間に心臓が正常のままだったらブルガダシンドロームの可能性はゼロだ」







そして

注射を打たれた















冷たい液体が入ってくるのが分かる

ついに始まった






俺は自分の心電図を見守った






「どう?何か変化は?」

ドクターに尋ねた







「…まだ何も。」





あいかわらずのぶっきらぼう





「心配かい?」

ドクターは言った





「少しね。ていうかさ、ドクターのその表情が俺を不安にさせるんだよ」

俺は素直にそう言った






ドクターは初めて笑った







そして5分ぐらいが過ぎた頃

ドクターの表情が変わった




そして手術室を出て

誰かに電話をかけはじめた






その話をしている表情が

さっきよりも険しく見えた







心電図を見た

変わりがないように見えるが

何か問題でもあったのだろうか?






「どうしたの?」

俺は隣にいたナースに尋ねた





「問題ないよ」

ナースは言った







すぐして

今度は3人ぐらい

違うドクターが

部屋に入ってきた






何やら奥の部屋で

モニターを見つめながら

小声で話をしている







英語だから

余計に

心配になる








やっぱり何とかシンドロームなのかな…





また体が震える

寒い…










そしてまた

心電図を見つめる








頼むから

そのまま正常でいてくれ…









俺は

自分の心臓に

そうお願いしたんだ…