昭和の資本主義の要点 | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

昭和日本の資本主義の要点は、多数派の株主が株主利益を(積極的には)求めないという経済的風土があった、という前提があって、この風土は本来資本主義下では個人の所有とされる“企業の社会資本化”が実現していたと言える。

 

 

社会主義国のように国が所有するというものでもなく、株主による横槍も少ないから、企業はその直接的な運営者たちの自主性や独立性が担保される自由な経営が可能だった。 株式は発行者側が相手を安定株主(自分の利益のためだけに売ったり権限を行使しない)と認めた場合にのみ大量保有が認められた。

 

つまり昭和資本主義下では、株式所有の選択権が買い手側ではなく売り手側にあり、株式は企業経営の安定を担保するためのお守りのような役割を果たしていた。

 

ところがバブル崩壊して、自己資本比率が企業業績評価指標として重視されるようになると、不況の影響で他社の株価が軒並み下落する中で、保有する株価の下落→自己資本の目減りとなることで、自らの業績評価の低下を恐れた安定株主たる企業たちは、保有株を次々に売りに出すことになった。

 

安定株主たちが手放した社会資本の象徴たる株式に群がって食い漁ったのが個人の利益を最優先する海外投資家。
それに乗っかって残飯を食い漁ってるのが国内の株かじり。
要するに、海外投資家と国内の株かじりの利害は完全に一致してしまっているということで、この状況は海外にとって大変都合が良い。