国債と政府紙幣~財源としてどちらがいいか | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

積極財政、財政支出拡大を主張する人々の間でも、財源をどうするかという議論において、

①国債で賄え

②政府紙幣を発行せよ

という二つの意見に分かれているように思います。

 

先日の進撃の庶民で、holyfirework氏の脱退騒動がありましたが、遠因はこの国債発行か政府紙幣発行か、というところにもあったように思います。

もっとも、進撃の庶民の運営メンバーの方々も、どっちじゃなきゃダメ!みたいな人は少なくて、何でもいいから財政支出を拡大しろ!というご意見が多いかと思います。私もそうですが。

 

で、何でこの二つに分かれるのかというと、やはり「国の借金問題」という、財務省が流した毒デマが大きな影響を与えています。

政府紙幣発行派の方は、

「国債発行では、大衆の‟借金が増える”というネガティブイメージを刺激し、理解が得られないだろうから、政府紙幣発行を財源としよう」

という理由で、政府紙幣発行を主張します。

国債発行という、政府の負債を増やすやり方では、国の借金問題というデマを信じ込まされた国民大衆の理解が得られない、というワケです。

 

ただ、これもどうかと思うわけです。

 

すぐ近くには、北朝鮮という核開発を積極的に進めるならず者国家があり、さらに覇権主義的軍事大国・中国がその後ろに控えています。

そんな地政学的な状況下にある日本は、財政支出の拡大を、これから何十年も続け、経済的にも軍事的にもスキのない国家を作っていかなければなりません。

そうしなければ、中国という大きな闇に飲み込まれてしまうでしょう。

そう考えた時に、政府の負債の本質、貨幣の本質への理解をなおざりにした政府紙幣の発行という手法で済ませてしまって、果たして良いものかどうか。

 

問題の先送りということにしかならないのではないか、と思うわけです。

 

現に、政府紙幣の発行に対しては、インフレを起こすという懸念が示されています。

デフレの日本で、今からインフレの心配かよ、と思われるかとは思うんですが、

状況としては、「国の借金問題」による国債アレルギーと大差がないような状況なわけです。

 

借金アレルギーと同様に、インフレアレルギーが今のデフレ下にある日本とその国民の間にはあるわけで、

国債発行にしても、政府紙幣発行にしても、どちらにしても反論は起こりうるわけです。

 

大衆は、借金も嫌だが、同様に物価が上がり過ぎるのも嫌、というワケです。

 

財政支出の拡大は喫緊の問題であり、今すぐにでも積極的に推進しなければいけない事項ではありますが、こと思想的な側面から考えるなら、政府の負債、貨幣の本質、そういった問題については常に正しい認識を促していかなければならないと思います。