国家の階層構造②~安全保障と私たちの生活、発展途上国化する国家とは~ | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

 

前回、三橋貴明氏が提唱した国家の階層構造モデルについて説明しました。

今回は、このモデルを用いて、国家の安全保障に関わる部分が脆弱化した場合に国民生活がどうなるのかを説明したいと思います。

 

今現在、財源問題というありもしないデマが国会や世論で荒れ狂っており、これら国家にとって必要不可欠な階層への予算がゴリゴリと削られ、サービス提供者たる人々の所得も減らされています。

特に農家、医療機関、建設業などは、それぞれ関税の引き下げや談合の禁止など、新自由主義(リベラリズム)的な考え方に基づいた緊縮財政によって壊滅的な打撃を受け、今後さらに医療も診療報酬の引き下げによって壊滅的な打撃を被る可能性があります。

すると、下図のように国民生活を支える土台部分である3層目が脆弱化し、国家全体が不安定になることが解ります。

 

 

3層目は2層目の部分を管理・運営している領域も含みますから、当然、連鎖的に2層目も脆弱化。

4層目の日本経済の中心的な産業である、製造業やサービス業の土台の不安定化が進み、その上にある国民生活も不安定化します。

 

 

最終的には、脆弱なインフラストラクチャーでは巨大な経済活動を支えきれませんので、経済活動自体が縮小せざるを得なくなります。

 

 

私たちは普段意識していませんが、このような階層構造でとらえることで、これらのインフラストラクチャーの重要性が理解できると思います。

つまり、2~3層にあるインフラストラクチャーが脆弱化することにより、私たち国民は今より不便な生活を強いられ、貧しい発展途上国のような生活を送るようになってしまうということです。

何より、私たちの住む日本列島は、自然災害が極めて多いという国土条件を有しています。

自然災害は、2層目にあるハードウェア的インフラストラクチャーを、それこそ一夜にして破壊しつくしてしまいます。

それを補う3層目のソフトウェア的インフラストラクチャーが脆弱化することが、どれほど危険なことであるか。

 

今私たちは、財源問題というデマに踊らされ、自分で自分の首を絞めているのです。