国家の階層構造① | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
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国家の安全保障を考える上で、極めて分かりやすい「国家の階層」構造モデルを提示したのが、三橋貴明氏です。

 

国家の安全保障、すなわち日本国民が政治において最も重視すべき重要な問題と、国民生活がどのように関わっているのかを、この階層モデルを用いて説明していきたいと思います。

※ 使用するモデルは一部改変しています。オリジナルはリブログ先、もしくは下記その他参考にある三橋氏のブログのリンクをご参照ください。

 

 

この図のように、国家の安全保障に関わる階層は、2~3層目に挙げられている部分です。

 

1層目として国土、すなわち森林や平野、海洋、河川などが挙げられています。

しかし、国というのは国土があれば成り立つわけではありません。

国土で人が生活しやすいように、先人たちが公共事業などを通じて築き上げたインフラストラクチャー、すなわち道路、橋などの交通インフラ、それを繋げる陸路や海路、空路などの交通網、そして電気・ガス・水道などライフライン食料を生産する田畑や畜産設備(環境)が必要です。

それが2層目、ハードウェア的インフラストラクチャーです。

 

さらに、これらの設備は、適切に運営・管理され、必要に応じて補強・増強して維持していかねばなりません。

これを司るのが3層目、ソフトウェア的インフラストラクチャーです。

2層目を維持するための企業や組織、およびそれらが提供するサービスを示すものなので、ソフトウェアと称されます。

 

〇食料安全保障を司る農業・水産業、

〇山林を管理して土砂崩れなどの自然災害を防ぎ、資源を提供する林業、

〇国民の健康と生命を司る医療、

〇外国の軍事力から身を守る防衛、

〇2層目のハードウェア的インフラストラクチャーを直接メンテナンス・管理・補強を行う土木・建設業、

〇生活や生産活動に必要なエネルギーとなる電力やガス、化石燃料の供給事業、行政が担う水道事業、

〇戸籍の管理や各種の許認可や証明、手続き、治安、消防、社会を運営する上で必要なサービスを司る行政、

そして、これら国家運営・安全保障に必須なサービス提供を行う人材を育成するための教育、

 

これらが、3層目に位置付けられています。

 

4層目には、3層目以外の産業、自動車や家電製品、生活雑貨などや、その素材となる鉄鋼などを作る製造業、生産された製品を運ぶ運輸業、消費者に直接販売する小売業、銀行などの金融業などが入ります。

 

5層目に、国民生活・経済活動が位置付けられます。この場合の経済活動とは、いわゆる消費活動、生活必需品を購入したり、レジャーや娯楽を楽しんだりといった、生活においてなされる経済活動を指します。

 

このように、私たち国民の生活というのは、幾層もの階層に支えられて維持されています。

この国家の階層構造モデルは、それを解りやすく提示してくれます。

 

<その他参考>

後戻りができない道 新世紀のビッグブラザーへ 三橋貴明様

Vol.35 「国家の階層」論と日本における「レントシーキング」