創作小説 <何でも屋探偵> wa 序章(2)
まだこの作品を読んでらっしゃらない方は、↓が最初ですので拝読願います。
<何でも屋探偵> wa 序章(1) http://ameblo.jp/monvampire/entry-11596210529.html
◇ ◇
何でも屋探偵、月島竜我に今回も変な依頼が迷い込んできた。
「私の身の回りで起こった出来事を話して下さい」
何でそんな事を知りたいのだ。
それを聞き出せればいいのだが、もし聞きだせる事が出来ればこの仕事はクリアーするだろう。
依頼者に詳しい説明を聞くために、駅前の寂れた喫茶店で会って話をする事にした。
「私が思うに、あなたの周辺の人物を探して情報を得る。ここまでは理解出来ますが、
その出来事とはY談、うわさ、TVの話、悩みの話、怪談、七不思議など多岐に渡ってしまうので、
例えばどのような情報を仕入れればいいのか絞り込んで頂ければ有難いのですが」
目の前に座っている男はサラリーマン風で、30代くらいの角刈り頭をした中肉中背の男が甲高い声で話した。
「そうですねぇ、一言で言えば非日常的な事を探して下さい」
いやいや、そこは探して下さいは何かおかしい気がした。普通は調べて下さいだろうが。言
葉の使い方を間違えているだけなのだろう、依頼人だから指摘しては失礼にあたると思って問いたださなかった。
「その出来事を知りたい理由は何ですか?」
「そこは、あなたの推理で看破して頂きたい。探偵さんですよね」
いえ、私は探偵ではなくてですね、ただウケがいいからと思って格好を付けて名付けただけでして。
口でモゴモゴとうわ言を言ったが、相手には聞こえない程度の声だったので聞いているはずもなかった。
なんてこった、どうやってその非日常的な出来事を探すのだ。今時、そんなUMA的なUFO的な幽霊でも出てこないと不可解な出来事なんて起こらないだろうに、世の中には急には不可解な事は出て来ないだろうに。
「それと報酬は出来事1つに付き10万円、10件あれば100万円をお支払いしますので」
月島は困り果てて、目の前にあるテーブルを見つめた。
そこには氷が解けていくコップの中の水があった。そんなトンチな依頼をどうやって出してくるんだ。
一休さんでもそんな謎は、この氷のように解けないぞ。無理難題な依頼は、断ってしまえばいいのだ。
目の前の依頼者は、「ちょっと失礼」と席を立った。お手洗いにでも向かったのだろう。
同業者の話だが一度依頼を断ると、どこからか拡散して依頼が減るようになったとの噂話を聞いた事があった。まさか、そんな噂信じる訳はない。まだ私の場合は依頼を断った事がないのは、偶然に過ぎないのだろう。
月島はサラリーマン独特なペタペタの黒カバンに手を伸ばして、顔はお手洗いの方向を向きながら向かい側に残された依頼者のカバンにそっとアイテムを忍ばせた。念の為だ、何かの保険にはなるだろう。
氷が解け切った水を飲み干している間に、依頼者は席に戻ってきた。
スッと何も言わぬままテーブルに、住所が書かれたメモを渡してきた。
しゃくになる言葉を残したまま、笑いながら依頼者はレシートと共に去っていった。黄門様かお前は。
何なんだこれは、まるで推理探偵が挑戦状を突きつけられた状況は。
困っ たぞ、何をどうすればいいのだ。イミフメイな依頼はやはり断ればよかったか。
でも仕事が来なくなる不安をなくしたいと思えばこそ、請け負ったのだが間違いであっただろうか。
でもネットにて仕事を募集している限りは依頼を受けなければ、依頼人が怒ってどこかのサイトに中傷される可能性もあるのだ。
怖い世の中だ、一度の粗相な依頼の断りが我々の仕事運営を左右される。嫌な世界になったものだ。
月島は仕事場に帰る前に、道具屋ハンドに電話をした。
「あぁ頼む、ptとctを10本ずつ頼む」とりあえずの準備を進めてみた。
それと同業者で暇を持て余している相棒とも呼べる奴に電話をした。
「え~毎度お馴染みの古新聞古雑誌、古いバイクや電化製品などありましたらご用命下さい」
電話の向こうでは、奴は仕事していた。
「何だ、仕事か?」拡声器の甲高い声が響く、ご近所にもこの声は響いてしまっている。
「あぁ、手伝ってくれるか」
↓3話へと
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