朝、アラームの音で目が覚めた。
でも、いつもと音が違っていたように感じる。
6時半にメールの着信って誰だろうか、こんな朝早くに。
まだ眠い目をこすりながらベッド脇にあるスマホを手に取り、
女性中学3年生の阿笠はメールの送り主を見た。お姉ちゃんだ、どうしたのかな。
「もうダメ、今離婚届出してきた」
えっそうなのっ離婚!? 一気に目が覚めてしまった。
結婚してから1年半になる、あんなに旦那さんと仲良かったのに。
そう思っていたのは私だけかも知れないが。何か離婚しないといけない問題があったのだろうか。それに今離婚届を出してきたって、こんなに朝早くに役所ってやっているのだな。
お姉ちゃん大丈夫だろうか、どう返事を返せばいいのか言葉が見つからない。
不運な事に朝早くから両親は、2人共もう仕事に出かけている。
相談出来る相手もいない。
「あら阿笠さん、まだ始業のベルは鳴ってないわよ。いつも遅刻寸前なのにどうしたの?」
「あの美里先生、ちょっと相談が」
職員室にて先生達が授業の支度をしている中で、阿笠は保健室の先生である美里先生にお姉ちゃんのメールの返事の件について相談を持ちかけた。
美里先生は学校の悩みや相談を受けてくれているから、何か悩み事や問題が起きれば解決や助言をしてくれるのだ。元は学科専門であったが、学生は何かと悩みが多いだろうと悩みを聞く立場に変わったのだと聞く。
「そうねぇ、お姉さんは今精神状態が不安になっているわ、自殺までは行かなくともそれに近いものがあるかも知れない。だから今はメールの文章にも気を付けないといけない。あまり離婚の事は触れずに大丈夫かな、何か出来る事はないかなとか言ってあげたらどうかな?」
「そっかぁ、ありがとうございます。朝早くから、やっぱり美里先生に相談してよかった。」
「なんでも相談に来てね」
笑顔で美里先生は応えてくれた、でも阿笠のわだかまりは消えなかった。
お姉ちゃんは幸せだったのかな。
でもその気持ちは私には共有は出来ない、だって私にとって結婚はまだしていないし、恋も知らない。これから会った時にどういう言葉を掛けたらいいのだろうか。お姉ちゃんの気持ちを知りたい。そんな事を授業中に思っていた。
その為には、まず恋を知らないといけないと思った。1番の親友である雪ちゃんに休み時間に声を掛けた。
「そうね、ひめちゃん。私も恋について知りたいし、勉強したい。恋の授業があればいいのに」
「そうだね、雪ちゃん」
昼休みに阿笠は母親に電話して姉の離婚について話した。
事前にお姉ちゃんからのメールを送っておいたが、まだ返事はなかった。
私よりも力になれるのは親の力だ。親に任せておこう。
恋の授業か、いい事言うなぁ雪ちゃんと阿笠は感じた。
確かに学校で習う授業は、大人になってから役に立つものなのか不安を感じていた。
恋を知るには人づてで教えてもらうか恋のマニュアル本とか読むしかないものね。
あと方法と言えば漫画か小説とか映画だけど、あれは読む人か観る人が楽しくなるように作られているものだから勉強にはならないかなと思う。
「ねぇ、雪ちゃん。どうやったら恋の勉強出来ると思うかな?」
「う~ん、恋愛経験豊富な人に教えてもらうとか」
「でもそんな人いるかな?周りに、私らまだ中学生だよ。恋をしている人どのくらいいるのか?」
「うん、片思いも入るよね。でも聞いてみようっか、友達とかに」
まずは、恋人がいる友達に聞いてみた。恋愛経験は少し聞けたがまともに参考になるものはなかった。そういう事じゃなかった、もっと根本的な恋の仕方ってゆうか。そんな事は面と向かって友達には聞けない。どうしたら恋が出来るのなんて。
「先生、美里先生。相談があるの」
第2話は、コチラ