恋のつくりかた 第3話

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恋を知る恋愛クラブを作るには、部員を集めなくてはならない。

「ねぇ雪ちゃん、私と一緒に部員を探してくれる、あと3人探さないと?」
「じゃあ、どういう子が、恋愛クラブに向いているのかな」

雪ちゃんも私と同じで恋人がいないと言っていた。
でもそれは嘘だと私は知っていた。いつか休み時間の廊下で、楽しく男
の名前を呼びながら笑って電話をしていたのを見てしまったのである。

しかし彼女は私が困っているのを見かねてクラブに一緒に入ってくれて
いるのである。本人には言わないほうがいいと思うので、感謝だけして
おく。

「雪ちゃん、真面目な子とか恋愛したい子がいいかな」
「真面目ねぇ、恋をしていない程真面目であれば優等生かな」

「じゃあ、隣のクラスにいる学年成績トップの江良利さんとか、どう?」
「いいねぇ」

江良利(えらり)クイン、大きな目が特徴的でまつげが長くて化粧をし
ているのかというぐらいである。クォーターの黒髪であって物静かでい
つも休み時間になると何か本を読んでいる。

昼休み時間に本を読んでいる江良利に、そっと横から阿笠は声を掛けた


「ねぇクインさん、はじめまして」
「あら、どうも」

本を読んでいる目を離さずに江良利は応えた。

「隣のクラスの阿笠です、いつも本読んでますね」
「ええっ」

これは手強そうだ、どういう手で責めてみようか?

「私も本読んでますが、ジャンルはどんなの読んでますか?」
「ミステリーよ」

「今度私、読書クラブを作ろうと思っているの?
出来れば一緒に入ってもらえないかな?」

少し間があいた後、「それなら、いいわよ」と目を本から離さずに応え
た。

「わぁ~ありがと。じゃ、また詳しい事決まったら連絡するね」
「ええっ」

ちょっと無茶な勧誘をしたが、3人目ゲットッー。これであと2人か。

「じゃあ本の次はゲームで雪ちゃん、2次元の恋愛ゲームをよく知る子
だから役に立つよね」
「そんな子いるんだね」

次の日恋愛ゲームをよく知る同じクラスの捨井さんにアタックしてみた。

「捨井さ~ん、ちょっと聞いていい?」

捨井は明るくて話しやすい、眼鏡をかけていて知的タイプそうだがアニ
メや漫画にも精通しているようだ。少しは話した事のある子、その時に
は何かゲームの話していたので聞いてみただけだった。

「恋愛するクラブって面白そう、入れて入れて」
「ありがとう、何か決まったら連絡するね」

すごい好意的な捨井さんだったな、恋愛に対して意識レベル高い。
これであと1人。

このあと1人がなかなか声を掛けても見つからなかった。
それで非常手段を使う事にした。学校中の情報を知る新聞部にこっそり
と聞いてみた。裏では何でも情報を流してくれると言うのだ、見返りは
いるのだが。

屋上で裏新聞部の人と待ち合わせた。こちらの話す時間は10秒だと聞か
された。充分だ。

「恋に飢えている女の子」
「了解」

裏新聞部の女性部員はすぐに立ち去った。これで何か収穫があれば連絡
があるはずだ。

お姉ちゃん大丈夫かな、まだ返事のメールは来ない。
親がお姉ちゃんと話したと言うが、まだ私には何も聞かされていない。
話せない話という事か、男女の仲は難しい。そう言われているようだ。
その真実を見つけるべく、私は恋を探っていくのだ。


つづく

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阿笠は、教室中を見回した。

休み時間は、教室での生徒の会話はアイドルの話か恋の話だ。

恋人相手がいる子だっているから、そのノロケ話が聞こえなくても聞こえてくる。

今まではただ、ウルサイだけだった。何が恋人だと思っていたが心の奥底では、うらやましがっていたに違いない。生徒の中には、ほとんどは恋人がいなさそうな子達がいるだろうな。片思いが多いだろうな。

 

放課後になり、阿笠は保健室に脚を運んだ。

部屋に入ると、美里先生はケガをしている体操服を着ている男子生徒の手当をしていた。

手当てが終わるまで待っていた。先生を見てみる、先生は見た目は静かな趣きで清楚が感じがする。でも何だが男子生徒には厳しい感じがするな、よく注意しているし。

 

「先生、美里先生。相談があるの」

「あら、今度は何?」

 

保健室は別名悩み部屋と呼ばれている。他の先生では相談に乗ってくれない事も、美里先生なら聞いてくれる。何で悩みを聞くようになったのか前に聞くと、以前先生は国語教科を受け持つ先生であった。

 

何でも学科を担当している先生は、

日々やる作業が多くて生徒の話なんか聞いている時間がないらしい。


美里先生は前に話していた。

先生はある生徒が相談に乗って欲しいと美里先生を頼ってきたが、忙しくて少し話しただけであまり親身になって聞いてあげる事が出来なかったのだそうだ。それが原因か分からないが後日相談を聞いた生徒が自殺をした。

 

先生はその事を悔やんで、多忙な国語の先生をやめて悩みを聞いてあげられる保健の先生になったのだという。大人も悩みは多くあるが、学生も悩みは多くあり何かアドバイス出来るのなら力になってあげたいという精神なのだ、先生は。

 

「お姉さんが離婚して、その気持になりたいですって。その為に恋をしたいって言うの?」

 

美里先生は天井を見上げて、阿笠に知られないぐらいの口の中にて低い声で唸っていた。

恋って、そんなのまだ私もした事ないのに。そんなの真っ先に私が知りたいぐらいだわ。

27歳後半、これを機会に私も恋を知る事を踏み出してみようかな。ふふっ。

 

 

「えぇ、そうです。恋は遅い早いはあると思いますが、姉の離婚を知って男女関係つまり人を好きになって嫌いになるのは、どういう感じなのかなと興味が湧いてきたのです。私も恋を知りたくなったのです。そうすればお姉ちゃんの気持ちや苦労が分かるかと思って」

 

恋は遅いって言葉に美里先生はドキッとした、まさか私が今まで恋人がいない事を見抜いているの。いえいえ誰にも話していないはず、恋人が今までいた事ないなんて皆に知られる事は恥ずかしい事だわ。

 

そうねぇ、恋の話をして恋が出来れば私もうれしいしな。こんな機会はまたとないわ。純粋に恋を知りたい生徒を利用して、恋人を作る方法を得てやる。

 

「じゃあ恋を知るクラブ活動にしない?」

「やりたいです、ぜひっ」

 

5人集まればクラブが出来るわ。でもそんなの学校が認めないから、表向きは料理クラブとかどうかな?」

美里先生は、好奇心に満ちた顔で応えた。




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幼稚園の時かな

家が近くでいつも一緒に幼稚園に登園していた。
2人とも、背が低くていつも隣り合わせ。
その時は、好きという感情がまだ分からなかった。

でもいつの間にか、その女の子はいなくなっていた。

そう、引っ越ししていたのである。
母親は知っていたのであった。
僕は知らずに、どんどんとその子の事を忘れていく。

社会人になり、母親がその子の連絡先があると言い出した。
そこで15年経ってから、言うことか。

でも会いたい僕は、連絡を取り待ち合わせをした。
背は高くなっているのだろうか、ドキドキして場所に向かった。

彼女はもう来ていた。あれ、印象と違っていた。
そう、思い出は薄れて彼女の面影を忘れていたのである。

彼女は、背の低いままであった。
初めは、幼稚園時代の話をして盛り上がった。
が、それ以外の話では2人は寡黙であった。

あんなに会いたかったのに、なぜか話しは尽きた。
シャボン玉のよう、初恋の感情は消え去っていたのであった。





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