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阿笠は、教室中を見回した。

休み時間は、教室での生徒の会話はアイドルの話か恋の話だ。

恋人相手がいる子だっているから、そのノロケ話が聞こえなくても聞こえてくる。

今まではただ、ウルサイだけだった。何が恋人だと思っていたが心の奥底では、うらやましがっていたに違いない。生徒の中には、ほとんどは恋人がいなさそうな子達がいるだろうな。片思いが多いだろうな。

 

放課後になり、阿笠は保健室に脚を運んだ。

部屋に入ると、美里先生はケガをしている体操服を着ている男子生徒の手当をしていた。

手当てが終わるまで待っていた。先生を見てみる、先生は見た目は静かな趣きで清楚が感じがする。でも何だが男子生徒には厳しい感じがするな、よく注意しているし。

 

「先生、美里先生。相談があるの」

「あら、今度は何?」

 

保健室は別名悩み部屋と呼ばれている。他の先生では相談に乗ってくれない事も、美里先生なら聞いてくれる。何で悩みを聞くようになったのか前に聞くと、以前先生は国語教科を受け持つ先生であった。

 

何でも学科を担当している先生は、

日々やる作業が多くて生徒の話なんか聞いている時間がないらしい。


美里先生は前に話していた。

先生はある生徒が相談に乗って欲しいと美里先生を頼ってきたが、忙しくて少し話しただけであまり親身になって聞いてあげる事が出来なかったのだそうだ。それが原因か分からないが後日相談を聞いた生徒が自殺をした。

 

先生はその事を悔やんで、多忙な国語の先生をやめて悩みを聞いてあげられる保健の先生になったのだという。大人も悩みは多くあるが、学生も悩みは多くあり何かアドバイス出来るのなら力になってあげたいという精神なのだ、先生は。

 

「お姉さんが離婚して、その気持になりたいですって。その為に恋をしたいって言うの?」

 

美里先生は天井を見上げて、阿笠に知られないぐらいの口の中にて低い声で唸っていた。

恋って、そんなのまだ私もした事ないのに。そんなの真っ先に私が知りたいぐらいだわ。

27歳後半、これを機会に私も恋を知る事を踏み出してみようかな。ふふっ。

 

 

「えぇ、そうです。恋は遅い早いはあると思いますが、姉の離婚を知って男女関係つまり人を好きになって嫌いになるのは、どういう感じなのかなと興味が湧いてきたのです。私も恋を知りたくなったのです。そうすればお姉ちゃんの気持ちや苦労が分かるかと思って」

 

恋は遅いって言葉に美里先生はドキッとした、まさか私が今まで恋人がいない事を見抜いているの。いえいえ誰にも話していないはず、恋人が今までいた事ないなんて皆に知られる事は恥ずかしい事だわ。

 

そうねぇ、恋の話をして恋が出来れば私もうれしいしな。こんな機会はまたとないわ。純粋に恋を知りたい生徒を利用して、恋人を作る方法を得てやる。

 

「じゃあ恋を知るクラブ活動にしない?」

「やりたいです、ぜひっ」

 

5人集まればクラブが出来るわ。でもそんなの学校が認めないから、表向きは料理クラブとかどうかな?」

美里先生は、好奇心に満ちた顔で応えた。




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