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例年以上にインバウンドの多い人気の京都ですが、
混み合っている京都市内中心部からひと足のばして、
やや静かな宇治方面へ。
JR宇治駅から徒歩10分ほど歩くと
平等院と宇治上神社の2つの世界遺産をもつ宇治エリアは、
初めて訪れます。
平等院と言えば、
十円硬貨で有名な平等院の鳳凰堂は人気の観光地です。
昭和26年に、当時の最高額の硬貨十円玉に鳳凰堂が
刻印されました。
●平等院は、
平安時代の後期、永承7(1052)年、
宇治関白藤原頼通が父の道長の別荘を寺院に改めたものです。
鮮やかな赤の色彩が目を引く、左右対称の美しい佇まいの
●鳳凰堂は、その翌年に阿弥陀堂として建てられました。
中堂、翼廊、尾廊からなり、鳳凰が羽を広げたように見える
ことから“鳳凰堂”と呼ばれるようになりました。
中堂の後ろから、鳳凰の尾羽のように尾廊が延びる姿が
美しいですね。
鳳凰堂は、60年ぶりの2014年に大修復され、
平安中期の浄土信仰が流行していた極楽浄土を壮麗な姿を取り戻し、当時の姿を今に伝えます。
鳳凰堂の内部の拝観へ(予約は20分ごとに、各50名ずつ)
中堂の中央に、2.7m国宝の阿弥陀如来坐像(仏師定朝作)
が安置されており、
柔和な表情は印象的で、ほっこりした気持ちになれます。
光背に施された飛天は、左右に6体ずつ舞う姿が優美です。
堂内壁面には、雲に乗った菩薩像は楽器を演奏したり、
さまざまな姿をされており、
極楽浄土の楽しさを表現しているのでしょう。
ミュージアム鳳凰館でも菩薩像をもう少し間近に
見ることができます。
鳳凰堂の前には池を配した庭園が広がり、
西方極楽浄土を表しており、圧倒的な美しさです。
鳳凰堂の周りは、回遊できる庭園になっており、
どの角度から見ても美しい光景です。
鳳凰堂の上を見上げると、
大屋根には、金箔が施され、光り輝いている鳳凰が2対。
美しい輝きを放っています。
平等院
宇治市宇治蓮華116
次に、宇治川を越えて、宇治上神社へ。
明治時代までは、隣接の宇治神社と二社一体で
宇治離宮明神(八幡宮)と総称され、
明治維新後、“宇治上神社”と“宇治神社”に分かれました。
●朝霧橋
源氏物語の舞台に架かる朱塗り橋は、
宇治川東岸と川中にある中島、橘島を結びます。
橋を歩き、視線の奥には宇治神社の鳥居が見えてまいります。
●宇治神社
平等院の地主神として祀られていた神社で、
宇治上神社と摂社になっています。
平等院に参詣する前にこちらに立ち寄り、宇治川を渡って
参詣に訪れたようです。
応神天皇の離宮跡にあり、鎌倉時代に創建され、
歴史を感じる佇まいです。
御祭神は、菟道稚郎子命(ウジノワキイラツコノミコト)
●宇治上神社
宇治上神社は、平等院の守り神の鎮守社として
長く崇拝をされてきました。
鳥居をぬけると正面に拝殿が見えてきます。
現存する最古の拝殿は、鎌倉時代初期の再建で、
寝殿造様式の優美な雰囲気です。
縋破風(スガルハフ)と言われる反り返った美しい屋根も必見です。
また目を引くのは円錐の盛り砂は、「清めの砂」と呼ばれており、
八朔祭に奉納され、一年間神社を清められています。
●桐原水
拝殿の右に手水舎があり桐原水が湧き出ているのですが、飲料水としては利用できません。
宇治では宇治七名水が現存する最後の1つと言われています。
●摂社の春日神社 一間社流造 檜皮葺
御祭神は、
武甕槌命(タケミカツチノミコト)
天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
●本殿
平安時代後期に創建され、現存する最古の神社建築です。
御祭神は、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、
応神天皇、仁徳天皇
宇治神社、宇治上神社の境内には、
兎の像を多く見ることができます。
見返り兎と呼ばれており、昔、宇治に来る人々が道に迷うと、兎が正しい道を案内してくれるという言い伝えがあり、今では、正しい道に導いてくれることから、良縁のご利益にも。
宇治駅へ戻る途中の表参道にある辻利のカフェで
宇治抹茶のかき氷で休憩です。
素敵なものを探し続けて~*