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~ サンタをよろしく ~
(サンタ)
数々の犯罪を犯した男性。
その為に最愛の者を失う。
絶望しながら男性は自らの
罪を償う為、人に尽くす事を誓う。
彼はサンタになった。
罪を償い、神に許しを得る為に・・・。
自分の人生を取り戻し、愛する人と
再会する為に・・・
♪Happy Christmas♪(小説 opening)
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(小説文)
英二は独房で眠っていた。
刑務官がやって来た。
「独房囚13号、出ろ」
「はい・・・」
英二は独房から出て来た。
「独房囚13号、着いて来い」
英二は刑務官に連れられて
ある部屋にやって来た。
部屋には、数人の囚人達が
座っていた。
「独房囚13号、お前はこの席に座れ」
英二は椅子に座った。
テーブルには、白い紙と
のりが置かれていた。
「これから作業を始める。
目の前にある紙で薬の袋を作れ。
病院で貰う薬の袋だ。
用意始め!」
囚人達は、一斉に紙を取った。
囚人達は沈黙の状態で
黙々と薬の袋を作っていた。
(ここにいる囚人達も
俺と同じ様に重犯罪でも
犯して連中かな?
みんな険しい顔をしている。
ここで、人を殺した囚人って
俺を含めてどのくらい
いるのだろう・・・)
その時、一人の囚人が
部屋に入って来た。
(ああ!この男!山崎令男!)
「よう!熊田じゃねえか!
元気そうだな!」
「おい!囚人番号11番!私語を慎め!」
山崎が座った。
英二は山崎を睨んでいた。
(山崎令男、全部こいつが悪いんだ!
こいつのせいで俺は犯罪を犯して
しまったんだ!
二階堂邸に侵入したのも、
現金輸送車強盗も、銀行強盗も
全てこいつに脅されてやって
しまったんだ!
この男とさえ出会わなければ
俺は今でも普通に琴美と
一緒に暮らしていたんだ。
花梨と付き合っていたんだ!
全部こいつが俺の人生を
めちゃくちゃにしたんだ!
許さんぞ!山崎令男!)
山崎は英二を見て笑っていた。
休憩時間、英二達囚人達は、
外に出されて休憩していた。
英二のところに山崎が
やって来た。
「よう、人殺し」
「貴様だって人殺しだろう!山崎!」
「へぇ、お前だって怒る事は
あるのか、初めて見たよ」
「貴様とさえ出会わなければ、
俺は今でも琴美と暮らし、
花梨と付き合っていたんだ!
貴様が俺の人生をめちゃくちゃに
したんだ!」
「おいおい、工場で仕事を教えて
くれた恩を忘れたのか?
それに、二階堂邸の侵入だって
妹の大学資金の為だろう。
ちゃんとお金も渡したじゃないか?
その恩を忘れたのか?熊田」
「貴様はただ俺の弱みを握って
俺を利用しただけじゃないか!
刃向かえば、琴美と花梨に
危害を加えると言ったじゃないか!?
だから俺は、仕方なく犯罪を
犯したんだ!」
「ほう、全て俺のせいにするのか?
俺は人を殺せとは頼んでないぞ。
それはお前が単独でやった事
じゃないか?」
「でも、貴様が俺に二階堂邸の侵入を
頼まなければ、千穂さんを殺す事も
なかったんだ!
だから全部貴様が悪いんだ!山崎!」
「アハハハ!怒れ怒れ!
お前の怒った顔、なかなか男前だぞ!」
「ふざけるな!山崎!」
英二が突然山崎に襲い掛かった。
「なんだこいつ!やる気か!」
英二と山崎が取っ組み合いになった。
山崎は、英二の顔を殴った。
英二は倒れた。
「熊田、お前みたいな弱虫が
俺に喧嘩で勝てると思っているのか?
俺と喧嘩するなんて百年早いんだよ」
「貴様~~!」
英二は再び山崎に襲い掛かった。
「おい!お前達やめろ!」
近くにいた刑務官が
2人を掴まえた。
「放せ!放せ!こいつだけは
絶対に許さない!
こいつを殺してやる!
山崎令男を殺してやる!」
「大人しくしろ!独房囚13号!」
英二と山崎は、それぞれの独房に
入れられた。
「畜生!畜生!畜生!
山崎め!あいつだけは絶対に
許さないぞ!
あんな最低な奴、生きている資格
なんてない!
あいつのせいで、どれだけの人が
苦しんだか・・・。
二階堂千穂さんも、旦那さんの
二階堂輝清さんも・・・、
さらに、俺達が犯した犯罪に
巻き込まれた人々・・・。
そして、琴美と花梨・・・。
確かに俺自身も極悪人だが、
この俺を極悪人にしたのは
山崎令男だ・・・。
山崎令男が大極悪人だ・・・。
あいつを生かしてはおけない。
あいつを生かしておいたら
また次の犠牲者が出る・・・。
これ以上、誰も苦しまない様に
山崎令男をこの世から葬り
さらないといけない。
この俺が、熊田英二の手で
山崎令男を殺してやりたい・・・」
「ドン!ドン!ドン!」
英二は、自分の頭を壁にぶつけた。
刑務官が走って来た。
「おい!独房囚13号!何をしている!
やめろ!やめろ!」
刑務官が独房に入って来て、
英二の身体を掴まえた。
「やめろ!やめろ!独房囚13号!」
「殺してやる!殺してやる!
山崎令男を!あの大極悪人を
絶対殺してやる!」
英二は、保健室で頭に
包帯を巻かれた。
「八城先生?独房囚13号の具合は
いかがですか?」
「何とか大丈夫です。
でも、どうしてこの独房囚は
頭を壁にぶつけたんですか?」
「殺してやる・・・、殺してやる・・・」
英二は小声で呟いた。
「え?今なんて言ったの?」
「殺してやる・・・、殺してやる・・・」
「実は、独房囚13号は独房囚11号に
かなり恨みがあるようです、八城先生」
「そうなんですか・・・」
「殺してやる・・・、殺してやる・・・
殺してやる・・・、殺してやる・・・、
殺してやる・・・、殺してやる・・・」
八城は英二を見つめていた。
(独房囚13号、見た目はとても
優しそうだけど・・・。
資料によると、独房囚13号は
殺人を犯している・・・。
とてもそんな感じには見えないけど。
いったい何があったのかしら?
それに、独房囚11号とはどんな
関係なんだろう?
こんなに憎んでいるなんて
余程の事があったみたいね・・・)
「八城先生?柳沢先生がお呼びです。
実験室に来て欲しいとの事です」
「わかりました、すぐに行きます」
八城は保健室から出た。
(柳沢先生、今日は何の実験を
しているのかしら・・・。
普段は滅多に外に出ないで
ずっと実験室で実験ばかり
やっている・・・。
どれもが人体実験・・・)

「八城です、失礼します」
八城が実験室に入った。
「柳沢先生?お呼びでしょうか?」
「八城君、またあの素材が収容
されたらしいじゃないか?」
「柳沢先生、どの囚人の事でしょうか?」
「独房囚11号だよ、確か山崎令男とか
言っていたな」
「ああ、あの囚人ですか」
「あの囚人はとても興味深い。
以前の実験で、あの囚人がいかに
極悪人なのかわかったんだ。
あの囚人は人間の姿をした
極悪人、鬼だ、悪魔だ。
彼の身体には人間と悪魔の
両方が共存しているんだ」
「確かにそうかも知れません」
「その男がまた戻って来たんだ。
銀行強盗で人を2人も殺したらしい。
極悪人だ、放置しておくと
奴は再び人を殺すだろう」
「柳沢先生、再度独房囚11号を
実験するおつもりなんですか?」
「勿論そのつもりだよ。
彼の様な素晴らしい素材は
なかなかいないからね」
「柳沢先生、以前から言いたかったの
ですが・・・?」
「何だね?八城君」
「人体実験なんて違法だと思いますが?
囚人に残虐行為を見せて囚人の精神を
崩壊させて、人間が苦痛にどれだけ
耐えられるかを実験している」
「その通りだよ、それが?」
「これは、囚人の人権を侵害して
いると思います。
確かに囚人は前科者ですが、
でも、人間である事には、
間違いありません。
彼らにだって人権はあります。
まるでモルモットの様に
実験の素材にするのは
いかがなものかと思います」
「八城君、これは政府から容認
された実験なんだよ。
勿論、世間には公表してはいない。
水面下で行われている。
人間に残虐行為を見せて、
精神を崩壊させる事で
どれだけ人間が苦痛に耐えられるか?」
「何の為にこの様な実験をするんですか?」
「戦争の為だよ」
「戦争の為?」
「戦場では、多くの残虐行為が行われる。
多くの人間が死ぬからな。
時には残虐な殺され方をする事もある。
苦痛に耐えられない者は、
実戦には役に立たないんだ。
どんなに戦場で残虐な行為を見ても
それに打ち勝つ精神力が必要なんだ。
そうでないと、軍隊がもとまらず、
戦争なんて出来ないのさ。
だから、精神的に強い兵士を
育成する為に、この様な実験が
必要なんだよ、八城君」
「お言葉ですが、日本には軍隊は
存在しません。
よって日本は戦争はしないと
思います。
それなのに、精神的に強い
兵士を育てる必要はあるんですか?」
「八城君、君は平和ボケしているのか?
日本が戦争しないと本気で
思っているのか?
この世に完全な平和なんて
存在しないのさ。
例え日本が平和でも
いつまでも平和が続く訳ではない。
他国から攻められたら、
嫌でも戦争はしなければ
ならないのだ。
その為に、今のうちに精神的に強い
兵士を育てる必要がある。
その為に、この実験が行われて
いるんだよ、八城君・・・」
「柳沢先生・・・」
花梨が面会室に来ていた。
(英二・・・、会いたい・・・)
刑務官が面会室に入って来た。
「申し訳ありませんが、
独房囚13号は面会拒否
しています」
「独房囚13号?」
「熊田英二の事です。
面会拒否しています」
「そんな・・・」
(英二、本気で私と会わない
つもりなの・・・?)
continues・・・
♪戦場のメリークリスマス♪(小説 ending)
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●月夜のfantasy的な小説●
♪輝く空の静寂には♪(blog theme)



