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 ~ パパに逢いましょう~

                      (パパ逢い)

 

 

福山尚輝は、仕事中に突然倒れる。
 癌と告知され、死を宣告される。
  彼は気を失い、ベットの上で眠っていた。
眠っている最中、不思議な夢を見ていた。
 夢の世界に、存在しないはずの妻と娘が居た。
  しばらく夢の世界で妻と娘の3人で暮らす。
やがて、彼は家族の尊さを知り、
 ある決断を下す。
  夢の世界と現実の世界では、
自分にとってどちらが本当の
 幸せなのかを。

 

 

♪三日月♪綾香(小説 opening)

 

 

 

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     (小説文)

 

 

 

 

 

 

月曜日の午前。


晴信と留美子は、尚輝の病室に

来ていた。

他にも、医師の毛利と

数人の看護師が居た。

「それでは、これより福山尚輝さんの

手術を開始します。

今回担当医を務めさせて頂きます毛利です。

宜しくお願いします」

「先生、こちらこそ尚輝を

どうか宜しくお願いします」

晴信と留美子が深くお辞儀した。

「わかりました、福山さん」


尚輝は、ベットに横たわったまま

手術室に運ばれた。



(いよいよ手術か、

緊張するなぁ。

自分の身体を切るなんて

想像した事も無かった。

麻酔をすると言っていたから

痛くはないと思うけど、

それでも心配だな・・・)


手術室の前にやって来た。

「それでは、これから先は

御家族の方はご遠慮ください」

「わかりました・・・。

尚輝、父さん達はここまでだ。

頑張るんだぞ」

「わかったよ、父さん、姉さん」


尚輝は、手術室に入った。





その時、尚輝の病室に

菊池が来ていた。

「ねえ!?福山尚輝さんは

もう手術室に行ったの!?」

「はい、今向かったところですよ。

菊池師長」

「そう・・・、間に合わなかった」


(手術前に、一言声を掛けたかったけど・・・。

お願い、どうか手術を成功させて

下さい、毛利先生・・・。

私の大切な人を助けて下さい)

菊池は祈った。


「もしかして神様に祈っているの?

菊池師長?」

「あ、柳沢先生・・・」

「いよいよね、福山尚輝さんの手術。

貴女は手術を成功して欲しいと

思っているかも知れないけど

本人の福山尚輝がそれを

望むかしら?」

「どういう事ですか?柳沢先生」

「福山尚輝は、あれだけ難病を

患っているのに、眠っている時は

とても顔色がいいわ。

まるで、素敵な夢でも見ている様だわ。

このまま夢の世界で生きたいと

思うかもしれないわ。

でも、もし手術が成功して

死ななければ、福山尚輝は

夢の世界で生きる事が

出来なくなってしまうわ。

そうなると、彼は現実の世界で

生きる事を拒む可能性があるわ」

「柳沢先生、つまり彼が

死を選ぶという事ですか?」

「そうよ・・・」


「そんな事はありません。

夢は所詮夢です。

幻です、幻の世界より

現実の世界を生きたいと

思うはずです」

「あら?何故貴女がそんな事

言えるのかしら?

まるで、福山尚輝の事を

全てわかっているみたいね」

「学生の頃好きでしたから・・・」

「今でも彼の事が好きなの?」

「それは・・・」


「まずは、手術が成功するといいわね。

成功を祈っているわ、それじゃ」

柳沢は去った。





柳沢は、医務室に入った。

その時、柳沢のスマホが鳴った。







♪SNS pearlの着信メロディ♪(効果音)

 




「もしもし?柳沢だけど?

例の品物は手に入ったの?」

「入りました、柳沢先生」

「確か、PDT装置って言ったわね?」

「はい、レッドローズ・パンドラから

仕入れて来ました」

「支配人はミレディという女性

だったわね?

いずれ、お礼した方が良さそうね」

「そうですね・・・」


柳沢は電話を切った。


(今、福山尚輝に死なれたら

困るわね。

しばらくは生きてて貰わないと

何かと不都合だわ。

毛利先生に託すしか無さそうね。



やがて、PDT装置が届くわ。

PDT装置さえ届けば、

今まで体験した事のない事が

起きるわ・・・)







手術室では、尚輝の手術が

続いていた。

尚輝は、麻酔によって

眠っていた。





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(夢の世界)






尚輝と真紀は、レストランで

夕食を食べていた。

「尚輝、このレストランって

素敵だね、夕日を見ながら

ディナーが食べられるなんて

素敵だよ」

「気に入って貰って良かったよ」

「それより尚輝?

今日、とても大事な話が

あると言っていたけど?」


その時、尚輝は椅子から

ゆっくり立った。

「ん?尚輝どうしたの?」

尚輝は、ポケットから何かを

取り出した。

「真紀、ちょっと僕の向かいに

立ってくれないか?」

「どうして?」

「真紀に渡したい物があるんだ」

「わかったわ」

真紀は、尚輝の向かいに立った。

そして、尚輝が座った。

「尚輝?どうして座るの?」


尚輝が真顔になった。

「尚輝?」






「真紀、俺と結婚してくれないか?」

「え!?」

「俺、人生で初めて人を愛した。

それが真紀なんだ。

今まで真紀以外に愛した人は

居ないよ。

真紀が初恋だったんだ。

高校時代から真紀と付き合って

今日まで、ずっと真紀だけを

愛して来た。

今も真紀の事愛しているし、

これからもずっと、真紀を愛し

続けるだろう・・・」

「尚輝・・・」

真紀は涙を流した。



その時、何処からか

声が聞こえた。

(パパ~~!パパ~~!)

「え?パパ?」

「どうしたの尚輝?」

「いや、今女の子の声が

聞こえた様な・・・」


突然、周りが真っ暗になった。

(あれ!?何も見えなくなった!

真紀は何処だ!?)


「パパ!」

突然、尚輝のすぐ側に

女の子が立っていた。

「樹里!?」




周りも明るくなった。

「あれ?ここは海岸?」

「パパ、ママと結婚してちょうだい」

「何だって!?」

「パパがママと結婚しないと

私が産まれないから。

私産まれたいの。

産まれないとパパに

逢えないから。

私パパが大好きだから」


「わかったよ、パパ絶対に

ママと結婚するから」

「ありがとう!パパ!」

女の子樹里は尚輝にキスをした。


そして、再び周りが真っ暗になった。

(あれ?また真っ暗になった。

樹里が見えなくなった)






「尚輝?尚輝?大丈夫?」

「ああ、真紀か、大丈夫だよ」

「今、尚輝眠っていたの?

目を閉じたまま喋っていたけど?」


「いや、何でもないよ・・・。

ごめん、プロポーズの途中だったのに」

「尚輝、私も尚輝を愛しているわ。

私で良ければ・・・」

「ありがとう真紀」

尚輝は真紀を抱き締めた。



(現実の世界では

プロポーズなんてやった事ない。

それどころか、告白すら

した事がない。

人を愛すって本当に

素晴らしい事だ!

これが夢ではなく

現実だったらどんなにいいか・・・。




どうせ夢は覚めるけど・・・。

それでもいい、夢の世界でも

人を愛した事が出来れば

それでいい。

俺はもう長くは無いだろう。

いずれ癌で死ぬだろう。

でも、人生の最後くらい

人を愛してみたかった・・・)




その後、尚輝と真紀は

結婚式を挙げた。





尚輝と真紀がチャペルから

出て来た。

チャペル周辺には

沢山の人々が2人を祝った。


「おめでとう!おめでとう!」


(こんなに多くの人が俺達を

祝福してくれている。

まるで、多くの人から認められた

気分だ。

現実の世界では、決して体験

出来なかった事だ。

これが結婚式なのか・・・)



尚輝の横には、ウェディングドレスを着た

真紀が歩いていた。

(真紀もこんなに綺麗だ。

こんな綺麗な女性と結婚

できるなんて・・・)

「真紀」

「なに?尚輝」

「ありがとう、俺と結婚してくれて

本当にありがとう。

俺、今この瞬間が人生で

最も幸せだよ。

こんな最高の幸せを

味わうなんて。

真紀のおかげだよ」

「私だって尚輝と結婚出来て

とても幸せよ。

私にとってもこの瞬間が

最も幸せだよ。

尚輝のおかげだよ。

ありがとう」


2人は、その場でキスをした。

「おお~~!みんなが見てる前で

キスするなんて大胆ね!あの2人」

周りの人々は驚いた。




♪CAN YOU CELEBRATE?♪(挿入曲)

 





その後、尚輝と真紀の間に

女の子が産まれた。


「福山さん!」

「産まれましたか?」

「はい!元気な女の子です!」

(女の子か、樹里が産まれたのか)






「真紀、可愛い女の子を

産んでくれてありがとう」

「私の方こそありがとう。

貴女と結婚しなければ

この子は産まれてないわ」


「それにしても、この子可愛いな。

真紀に似ているな」

「そう?」

「うん!絶対にそうだ」

「ねえ?貴女、この子名前どうする?」

「樹里だ、樹里がいい」

「樹里、可愛い名前ね」


尚輝は、樹里を抱いた。

「樹里、やっとパパと逢えたね、

パパも樹里に逢えて本当に

嬉しいよ・・・」


(パパ~~!パパ~~!)

(ん!?子供の声が聞こえた。

樹里か?)

(パパ!私を産んでくれて

ありがとう、やっとパパに

逢えたよ。

樹里嬉しいよ)


「違うよ樹里、樹里を産んだのは

パパじゃなくてママだよ」


「え?貴女?何か言った?」

「アハハハ、何でもないよ。

独り言だよ・・・」


(樹里、これからずっと一緒だよ)

(うん、わかっているよ、パパ)

 

 





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病室で。



「おい、尚輝、尚輝」

尚輝が目を覚ました。

「あれ?父さん?姉さん?」

「やっと気が付いたな。

尚輝、先生が手術は成功したと

言っていたよ」

「え?手術成功した?

だって俺って癌でしょ?」

医師の毛利が話し掛けた。

「まだ、完治した訳では

ありませんが、もしかすると

今回の手術の成功で

助かるかも知れません」

「そうですか・・・」

「どうした尚輝?

あまり嬉しそうじゃないな」

「いや、そんな事は・・・」


(俺、もし癌が完治したら

もう2度とあの夢を見る事が

出来なくなってしまうのかな)

 

 

 

 

 

continues・・・

 

 

 

 

 

♪Jewelry  day♪綾香(小説 ending)

 

 

 

 

 

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●月夜のfantasy的な小説●

 

 

 

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