●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

 

  ~ 夏の日のオールディーズ~

                        (夏の日)

 

 

新田貴之は、父親、義理母、義理妹の4人家族。

 実母は病死し、貴之は父親と暮らす。

  やがて、父親が再婚する。

   成績が悪く、高校を中退し無職となる。

    無気力で暮らしていた貴之。

そんなある日、貴之の人生を変える大事件が起こる。

 貴之が人を殺害し、刑務所に行かされる。

  そこで、心身ともに苦痛を味わう毎日。

   出所後も苦痛に耐えきれず、精神病院に行く。

    そこで、貴之は運命的な出会いを交わす。

 

 

 

 

♪風は海から♪岡村孝子(小説 opening)

 

 

 

 

 

 

●登場人物一覧●

https://ameblo.jp/month0908/entry-12971778168.html

(リンクをクリック)

 

●用語一覧●

https://ameblo.jp/month0908/entry-12971778178.html

(リンクをクリック)

 

●過去の小説一覧集●
https://ameblo.jp/month0908/entry-12967091988.html
(リンクをクリック)

 

 

 

 

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

     (小説文)

 

 

 

 

 




コンクールで、全出場者の演奏が

終わった。

全出場者はステージに立っていた。


「それでは、結果発表をします。

今回のバイオリン・コンクールの

優勝者は?」

会場が騒めいていた。

(お願い・・・、私を優勝させて・・・)

志乃は祈っていた。

母親の桐子は、席から志乃を

じっと見つめていた。




「●●中学校の新田志乃さんです!」

(え!?私!?)

志乃は呆然としていた。

会場から大きな拍手が

鳴り響いた。

(私、優勝出来たんだ・・・。

良かった・・・)

志乃は桐子を見ていた。

桐子は笑顔で拍手を送っていた。

(志乃、よくやったわ!

これが貴女がバイオリニストに

なる為の第一歩よ。

でも、これから道は険しくなるわ)


志乃にトロフィが授与された。

「志乃!おめでとう!」

桐子が席を立ち志乃を呼んだ。

「母さん!」


(志乃、貴女は私の誇りよ。

私が続けられなかったバイオリニストに

なろうとしているわ。

きっと志乃なら私が成し遂げられなかった事も

やってくれるでしょう。

ありがとう、志乃・・・)








志乃と桐子は、コンクール会場から出た。

「志乃、今日は母さんが美味しい物を

食べさせてあげるわ」

「本当!?母さん!」

「勿論よ!優勝したんだから

お祝いしないとね」

「ありがとう、母さん。

それじゃ私、カレーライスが食べたい」

「カレーライス?」

「うん、いつも義父さんと貴之兄ちゃんが

行っているオールディーズという

お店に行ってみたい」

「駄目よ!志乃!」

「どうして?」

「志乃、貴女はもう普通の人

じゃないのよ」

「普通の人じゃない?」

「貴女は、これから世界に羽ばたく

人になるのよ。

そんな人が普通の人と同じ

食事はしてはいけないのよ。

今日は高級ステーキ店に

行くのよ」

「でも・・・」

「住む場所も考えた方が

良さそうね」

「え?住む場所?」

「今の古いアパートでは

駄目だわ。志乃の為には

ならないわ。

もっと綺麗な環境で住まわせないと

いけないわ」

「でも志乃は今のアパートで

満足だよ、義父さんも貴之兄ちゃんも

いるから」

「駄目よ!志乃!貴女は普通の人間では

ないのよ!もっと自覚しなさい!」

「はい・・・」


その時、一人の紳士風の中年男性が

やって来た。

「お話中申し訳ございませんが?」

「はい?なんでしょうか?」

「私は、音楽関係の仕事を

やっている小野寺という者です」

「小野寺さん?」

小野田は桐子に名刺を渡した。

「え!?マクレガー・ミュージックの

会長さんですか!?」

「そうです、小野寺宗一郎と申します。

今回の娘さんのバイオリンの演奏

とても素晴らしかったです。

感動しましたよ。

まだ中学生なのに、あれだけ才能が

あるなんて・・・」

「ありがとうございます!

まさか、マクレガー・ミュージックの

会長さんから直々に!

志乃!何しているの!お辞儀しなさい!」

「うん!」

「アハハハ!いいですよ。

今日素晴らしい演奏を聞かせてくれたので

とても感謝しています。

志乃さんと言いますか?」

「はい!新田志乃です!」

「とても素晴らしい演奏でした。

今後も頑張ってください」

「はい!頑張ります!

ありがとうございます!」

「今後何か相談したい事が

ありましたら、こちらに

連絡して下さい。

志乃さんの為に何かと

力になれると思います」

「ありがとうございます!」

小野寺は去った。




「母さん?小野寺さんって

そんなに凄い人なの?」

「凄いってもんじゃないわよ!

日本を代表する音楽会社の

会長なのよ!

世界のコンクールにも

出資している方よ」

「しゅっし?」

「いいのよ、貴女にはまだ

早いわね」

「とても上品そうな人だったね」

「だって、大企業の会長なのよ。

品があって当然よ」

「ふ~ん」

「志乃、貴女もいつか小野寺会長の

様な人間にならなければならないわ」

「志乃には無理だよ」

「そんな事言ったら駄目よ!

目標は大きく持つものよ!」

「わかった・・・」









コンクールから数日後。

早速桐子は、小野寺にアポを取った。

2人は高級ホテル内のレストランで

会う事になった。

先に、桐子が来ていた。

(凄いホテルね、入るのは初めてだわ。

県内では5つ星に数えられるほどの

ホテルみたいだけど・・・)

桐子は、周りを見渡した。

(客層もレベル高そうね。

そうよね、一般庶民には

入れないわね・・・)


ウエイターがやって来た。

「お客様、お連れの方が来ました」

「あ、はい・・・」

桐子は席を立った。

「これはこれは、新田さん。

お待たせしましたね」

「いいえ、私も今来たところです。

お忙しい中お呼び出しして

誠に申し訳ございません」

「いえいえ、そろそろ連絡が

来る頃だと思っていましたよ」

「え?」

「娘さんの為に私に頼みに

来たのではありませんか?」

「あ、はい・・・」

「いいですよ、お話を聞きましょう」



「実は、今後の生活についてですが、

志乃は、このままバイオリニストを

目指す為に活動していきます。

そうなると、志乃には良い環境で

暮らして欲しいと思っています。

今、私達は古いアパートで

家族4人で暮らしています。

アパートでは、近所の事もあって

バイオリンのレッスンが出来ません。

それで、私の音楽学校で

レッスンさせています。

でも私は、母親として娘に

もっと良い環境でレッスンを

させてあげたいのです」

「つまり新田さん、娘さんの為に

家を建てて欲しいという事ですか?」

「家を建てる・・・?」

「もし、娘さんがバイオリンを

続けるなら確かに環境に

適した場所が良いでしょうね。

いつでも、レッスンが出来る様な

環境が良いに決まっています。

それに、バイオリニストに

なる為には、私立の音楽高校や

音大に行く必要があります。

でも、それには莫大な費用が

掛かってしまいます。

でも、娘さんにはバイオリンの

才能があります。

私も音楽をやっていましたので

わかります。

私はピアノですが」

「ピアニストだったんですか?」

「ええ、ピアニストから

ビジネスマンになりました」

「そうでしたか・・・」




「いいでしょう、娘さんの為に

家をプレゼントします」

「え!?本当ですか!?小野寺様」

「アハハハ、小野寺さんでいいですよ。

私も娘さんのバイオリンが大好きです。

将来きっと優秀なバイオリニストに

なれるでしょうね」

「ありがとうございます!」

桐子は立ち上がり深々と

頭を下げた。









自宅で。

「なんだって!?桐子!?

それは本当なのか!?」

「本当よ、貴方、

志乃が中学3年生になったら

志乃と私はこのアパートから出るわ」

「出てどうするんだ!?」

「高級一戸建て家に住むのよ」

「高級一戸建て!?」

「大手音楽会社の会長さんから

とても気に入られたのよ。

先日のコンクールにも来てくれたわ。

志乃のバイオリンを好きになった

みたいなのよ。

小野寺会長よ。

その人が志乃の為に

高級一戸建てを建てて

くれるそうよ」

「そんな馬鹿な!」

「以前から私は、私達の同居について

考えていたのよ。

だって私達、元々本当の

家族じゃないでしょ?

志乃は私の連れ子で

貴之は貴方の連れ子じゃない」

「でも、家族じゃないか!」

「最初は私だって貴方達と一緒に

このまま暮らしていこうと

思っていたけど、

でも、今は状況が違うのよ。

志乃は、バイオリニストに

なろうとしているのよ。

志乃の才能を無駄にしたくないのよ。

貴方だって志乃はバイオリニストに

なって欲しいと思っているでしょ?」

「当たり前じゃないか」

「それなら志乃の為に協力してよ」

「だからって別居するなんて・・・」

「別に貴方と離婚するとは

言ってないわ。

ただ、別居するだけよ」

「・・・・・・」








小野寺邸では。



小野寺は書斎でピアノを

演奏していた。







♪革命♪(効果音)

 




「失礼します!」

秘書が書斎に入って来た。

(会長がピアノを演奏されている。

昔は有名なピアニストだった

らしいからな)


小野寺の演奏が終わった。

秘書が小野寺の所にやって来た。

「何か用か?」


「はい、会長、一戸建ての家を建てるのは

本当ですか?」

「ああ、本当だ」

「急にどうしたんですか?」

「先日のバイオリン・コンクールで

優勝した新田志乃の為に家を

建ててやるんだよ。

新田志乃はバイオリニストの

才能があるんだ。

若者の可能性を引き出すのが

我々の仕事なんだ。

家を建てるくらいで

そんなに騒ぐな」

「はい・・・」


「才能のある者は、次々と排出するのが

わが社のやるべきことだ。

特に、クラシック部門は売り上げた

低迷している。

今の人間はクラシックは聞かないからな。

その為、海外でも日本人のクラシック奏者が

減少しているのだ。

中国や韓国、台湾に抜かれているんだ。

日本のクラシックもこれ以上

遅れを取る訳にはいかないのだ」

「おっしゃるとおりです、会長」

「新田志乃は、必ず一流のバイオリニストに

なれるぞ。

母親の新田桐子も元バイオリニストだ。

母親からの血は引き継がれているだろう」

「でも、新田桐子はあのコンクールで

不正を行ったと聞いてますが?」

「それを言うな!馬鹿者!」

「申し訳ございませんでした!会長!」

「人にはいろいろと事情というのが

あるんだよ。

傷一つない成功者なんていないんだ」

「はい・・・」

「母親桐子が成し得なかった事を

娘の志乃はやってくれるだろう」









1年後。

志乃たちが住む一戸建ての家が

完成した。

志乃と桐子は、新築の家を

見に来ていた。

「志乃!?凄い家ね!」

「そうだね、私達本当にここで住むの?」

「本当に決まっているじゃない。

小野寺会長が作ってくれたのよ。

感謝しないとね」

「うん・・・」


 

 

 

 

continues・・・

 

 

 

 

♪未知標♪岡村孝子(小説 ending)

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

 

 

●月夜のfantasy的な小説●

 

 

 

♪Plesure '91 ~人生の快楽~♪B'z AIカバー(blog  theme)