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~ あなたの身体がほしい ~

                      (あなた)

 

 

 

コールセンターでオペレータとして働く男性、

 玉城敬吾。

  新人の小泉彩芽と親しくなるが、

   その彩芽が突然姿を消す。

一方、真志喜一帯には老婆の様な人影が

 目撃されていた。リヤカーを引きながら

  風鈴を鳴らしていた。

   彩芽が消えてから、しばらくして

老婆の遺体が発見される。

 ホームレスの老人男性は老婆の死を悲しみ

  翌朝、老婆の遺体の側で息を引き取っていた。

   老婆の死と彩芽が消えたのは

何か関係しているのか?

 

 

♪DDD♪EXID(小説 opening)

 

 

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             (小説文)

 

 

 

 




「お疲れさまでした!」

彩芽は一人、黙ったまま椅子に

座っていた。

「あれ?小泉さんどうしたの?」

「いいえ・・・」

「元気ないよ、お客様に何か

酷い事言われたの?」

「いいえ、違います・・・、

ただ・・・」

「ただ?」

「玉城さん、お願いがありますが・・・」

「お願い?」

「もし、ご迷惑でなければ

私を車で送ってくれませんか?」

「小泉さんを車で送る?

別にいいけど」

「ありがとうございます」


敬吾は内心喜んでいた。

(嘘みたいだ!まさか彩芽ちゃんから

送って欲しいって頼むなんて!

こんな可愛い子から!

これって、もしかして恋の予感かな!?)





敬吾と彩芽は、ビルから出た後

駐車場に向かう為、

夜道を歩いていた。

歩いている最中に、

彩芽は周囲を見渡していた。

「小泉さんどうしたの?」

「いいえ・・・、その・・・」

「この辺は夜になると

真っ暗になるからね。

草村も多いし。

駐車場がもう少し

ビルの近くに有ればいいのにね」

「そうですね・・・」


(どうしたんだろう?

彩芽ちゃん、何かに恐れている

感じがするけど。

先程から周囲を気にしているし)



「リン!リン!リン!リン!リン!」

「ん?風鈴の音かな?」

彩芽は身体を震わせていた。

(この風鈴、あの公園でも聞いた事ある。

今日、昼オフィスで眠っている時も

夢の中で聞いた・・・)


「ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~」

「え?誰かが歌っている?」

敬吾は周りを見渡した。

その時、敬吾の視界に

赤い服の女の子が写った。





(ああ!あの子!

赤い服を着ている!?

あんな所で何をしているんだ!?

暗闇の中で何をしているんだ!?)


「ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、

ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、

ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~」


(あの子歌っているのか!?)

女の子は、敬吾を見て微笑んだ。

(あの子は不気味だ。

急いでこの場を離れよう)

「彩芽ちゃん、ちょっと急いで

歩こう。

気味が悪いからね」

「そうですね・・・」

敬吾と彩芽は、小走りで去った。


「尚子・・・、上里尚子・・・、

何処に居るの・・・、必ず見つけてやる・・・」




敬吾と彩芽は車に乗っていた。

「彩芽ちゃんの家は何処なの?」

「浦添市の牧港です。

ファーストフードA&Wの

近くに白いアパートが

あります」

「A&Wの近くだね、わかった、

会社から近いんだね」

「はい・・・。

知り合いが紹介してくれたから」

敬吾の車は、赤信号で停まっていた。


「リン!リン!リン!リン!リン!」

「あれ?また風鈴の音が聞こえるぞ。

何処からだ?」

敬吾は、窓を開けて外を見渡した。

(誰も居ないなぁ・・・。

もしかして先程の赤い服の女の子か?

まさか、こんなに早く俺達に

追いつくかな?)


「キーーー、キーーー、キーーー」

「あ!」

彩芽が声を出した。

「どうしたの?小泉さん?」

「今、何かを押す音が聞こえました」

「何かを押す音?」

「キーーー、キーーー、キーーー」


信号が青になった。

敬吾が車を発進させようとした時、

急に車の前に人影が横切った。

敬吾は驚いて急ブレーキを掛けた。

「うわぁ!何だよ!危ないなぁ」

老婆の姿が見えた。


「リン!リン!リン!リン!リン!」

「キーーー、キーーー、キーーー」


(何だよあの婆さん!?)

敬吾は、車を発進させた。

「いや~、驚いたね、小泉さん」

彩芽は黙っていた。

「小泉さん?」

「玉城さん、先程のお祖母さん・・・。

私、夢で見ました・・・」

「え!?夢で見た!?」

「はい、今日の昼オフィスで

眠っていた時に、奇妙な夢を

見ました。

風鈴の音と何かを押す音が・・・。

そして、あのお祖母さんが

出て来ました。

確か”ほしい、ほしい”と

言っていたと思います」

「それは怖い夢だね」

「はい・・・、何故あんな夢を

見たのかわからないけど・・・」









「リン!リン!リン!リン!リン!

「キーーー、キーーー、キーーー」


「ほしい・・・、ほしい・・・、

身体がほしい・・・、

私の身体が・・・、無い・・・。

身体があれば・・・、あの人に会える・・・、

信之さんに・・・、会える・・・、

だから、身体が・・・、ほしい・・・」














ワカナ平和公園では・・・。

ホームレスの老人が公園内を

ゆっくり歩いていた。

公園内のベンチに若い男性が

座っていた。

「ああ、今日も疲れたなぁ・・・。

明日仕事休みだけど

何しようかな?

北部にドライブでも行こうかな?

美ら海水族館でも行こうかな?」


老人が男性に近付いた。

「兄さん、尚子を知らないかね?」

「え!?尚子?」

「わしの大事な人だよ」

「知りませんが?」

「尚子は、わしがこの世でいちばん

愛する人なんだ・・・。

戦争が終わってから1度も

会った事がない・・・」

「はぁ・・・」

「尚子はよく、リヤカーに野菜を

乗せていたよ。

野菜を売っていたよ。

風鈴を鳴らしながら。

とても、頑張り屋さんだった・・・」

(なんだよ、この爺さん)

老人は、再び歩き始めた。

「尚子・・・、尚子・・・、尚子・・・」


(はぁ、やっと居なくなったか・・・。

あの爺さん、この公園で暮らして

いるんだよなぁ。

家族とか居ないのかな?)


「家族は居ないわ、みんな死んだから」

男性の耳元で女の子が呟いた。

「うわぁ~~!なんだ!?」

男性の後ろに、赤い服の女の子が

立っていた。


「リン!リン!リン!リン!リン!」

「ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~」

男性はベンチから立ち上がった。

「あの人は尚子が好きだったわ・・・」

「え?」

「尚子はあの男性から好かれていた。

あの男性はよく、リヤカーを引いて

野菜を売る尚子を眺めていた。

識名で・・・。

尚子はあの人を嫌がっていたけど・・・、

でも、尚子はあの人を探している

かも知れない」

(なんだよ、この女の子は?

いったい何を言っているのか

さっぱりわからない)


「尚子、上里尚子・・・、

この公園に来るのかな?

あの人がいるから・・・」

女の子は、男性を見て微笑んだ。


「リン!リン!リン!リン!リン!」

「ヘイヨ~~、ヘイヨ~~、ヘイヨ~~」


「ああ~~~!」

男性は叫んだ。

男性の叫び声は公園中に響いた。








翌日。

オフィスでは。

「え?荻原さんが体調崩した?

それ本当ですか?神田さん」

「そうなのよ、昨日はあんなに

元気だったのに。

荻原君、今日は休みだから

家でゆっくり休むみたいだわ」

「そうですか・・・」

「荻原君、今朝まで近くの公園の

ベンチで眠っていたらしいわよ」

「え!?今朝までベンチで

眠っていた!?

それ本当ですか!?神田さん」

「ええ、朝早く来たビルの警備員が

見つけたらしいわ」

「そうなんですか・・・」

(そう言えば荻原は、昨日残業で

遅くまでオフィスに居たみたい

だからなぁ。

その後、あの公園に行ったのかな?

でも、今朝までベンチで眠って

居たなんて・・・。

何かあったのかな?)










昼食時間。

敬吾は公園で弁当を食べながら

荻原に電話していた。

「荻原、お前今朝まで公園のベンチで

眠っていたそうじゃないか?」

「ああ、気が付いたら今朝まで

眠っていたよ、玉城」

「何かあったのか?荻原」

「公園に女の子が立っていた・・・」

「女の子?」

「赤い服を着た女の子・・・」

「なんだって!?」

「確か尚子という女の話を

していたよ。

俺にはさっぱり意味がわからないが

尚子という人が、リヤカーに

野菜を積んで売っていたとか・・・」

「リヤカー・・・」

「そして、あの女の子が

俺を見て微笑んだんだ。

次の瞬間、なんかの衝撃を受け

気が付いたらベンチで眠って

いたんだ・・・」

「そうか・・・」

「赤い服の女の子の事は

以前から他の社員からも

聞いていたよ。

風鈴を鳴らしながら

何かを歌っているみたいだ。

”ヘイヨ~~、ヘイヨ~~”って

歌っているらしい。

そして、もう1人風鈴を鳴らしながら

リヤカーを押す女の事も

噂になっている。

”キー――、キー――”と

音を鳴らしながら歩いて

いるらしい・・・」

(そう言えば、昨夜彩芽ちゃんを

家まで送る途中、車の前に

突然飛び出す老婆の様な人影が

あったな・・・。

あの時も、風鈴と何かを押す音が

聞こえていた・・・。

リヤカーを押す音なのか?)


敬吾は、電話を切った。

その時、公園内から何かが聞こえた。


「リン!リン!リン!リン!リン!」


(ん?風鈴の音?何処からだ?)

敬吾は、公園内を見渡した。

敬吾の視界に老人の姿が写った。

(またあの爺さんか・・・、

毎日公園内を歩いているなぁ)


「リン!リン!リン!リン!リン!」


(あれ?あの爺さん風鈴を持っているのか?)


「リン!リン!リン!リン!リン!

リン!リン!リン!リン!リン!」


「尚子の風鈴だ・・・、やはり尚子は

生きていたんだ・・・、わしの愛する

尚子が生きている・・・」


老人は風鈴を鳴らしながら

公園内を歩き始めた。


「尚子・・・、尚子・・・、

もうすぐ会えるなぁ・・・。

わしが生きている間に

もう一度会いたかった・・・、

尚子・・・」

 

 

 

continues・・・

 

 

 

 

 ♪I LOVE YOU♪EXID(小説 ending)

 

 

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●月夜のfantasy的な小説●

 

 

 

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