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 ~ パパに逢いましょう~

                      (パパ逢い)

 

 

福山尚輝は、仕事中に突然倒れる。
 癌と告知され、死を宣告される。
  彼は気を失い、ベットの上で眠っていた。
眠っている最中、不思議な夢を見ていた。
 夢の世界に、存在しないはずの妻と娘が居た。
  しばらく夢の世界で妻と娘の3人で暮らす。
やがて、彼は家族の尊さを知り、
 ある決断を下す。
  夢の世界と現実の世界では、
自分にとってどちらが本当の
 幸せなのかを。

 

 

♪三日月♪綾香(小説 opening)

 

 

 

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     (小説文)

 

 

 




朝、精神科医の柳沢が

尚輝の病室に来ていた。

尚輝は眠っていた。


(福山尚輝、癌で倒れた・・・。

癌がかなり進行している。

もしかすると、助からないかも

知れない・・・。

50歳、まだ現役で働ける歳なのに・・・。


「ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!」

尚輝が声を出した。

(福山尚輝が声を出した・・・。

目も動いてるわ・・・。

夢でも見ているのかしら?

もしかして。スカイ・ドリームを

見ているのかしら?)


「ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!」

柳沢は、尚輝の顔をじっと見つめていた。



「真紀・・・、真紀・・・、真紀・・・」

(真紀?女性の名前を呼んでいる?

夢の中に出ているのかしら?)


その時、病室に看護師の菊池が

入って来た。

「あ、柳沢先生、おはようございます。

早いですね」

「菊池さん、貴女よくこの病室に

来るみたいだけど、もしかして

福山尚輝さんとは知り合いなの?」

「はい、古い知り合いです」


「今、福山さん寝言言っていたわ」

「寝言ですか?」

「女性の名前を言っていたわ。

”真紀”って呼んでいたわ」

(真紀!?)

「菊池さん、下の名前確か真紀さん

だったわね?」

「はい、そうです」

「もしかして、貴女達恋人同士なの?」

「いいえ、違います」

「そう、もしかしたら福山さん

スカイ・ドリームの世界に

居るかも知れないわね」

「スカイ・ドリーム・・・」

「難病で意識が無い状態の時に見る

夢の事よ、以前に話した事があるでしょう?」

「はい、聞いた事あります」

「恐らく、福山さんはスカイ・ドリームの世界で

貴女と生きているかも知れないわ」

「え?私達が一緒に生きている?」

「もしかして、貴女達、過去に一緒に

過ごした事あるんじゃない?」

「・・・・・」

菊池は黙っていた。

「まあいいわ、プライぺートの事は

あまり聞かない方がいいわね。

それじゃ、私は行くわ」

柳沢は病室から出た。


菊池は、ベットの側に座り

尚輝の手を握った。


(尚輝君・・・)


「ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!

ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!」


「尚輝君!大丈夫!?」

「ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!ぐぅ~~~!

真紀~~~!真紀~~~!真紀~~~!」


「尚輝君!私はここよ!

貴方の側に居るわ!尚輝君!」

菊池は、尚輝の手を強く握りながら

涙を流した。


菊池がナースコールを押そうとした時、

尚輝は落ち付いた。

「尚輝君?」


「真紀・・・、真紀・・・」

(尚輝君が私を呼んでいる・・・。

夢を見ているの・・・?)






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(夢の世界)






尚輝は、学校の正門の前に

立っていた。

(あれ?また夢かな?

今度は学校正門の前・・・。

桜が満開だな・・・。

それに、周りには大勢の人がある。

何かの儀式かな?)


遠くから女子高生が走って来た。

「尚輝君!卒業おめでとう!」

「卒業?」

「今日は私達の卒業式でしょ?」

「ああ、そうだった・・・」

「あ、そうだわ、尚輝君の学ランの

第2ボタンちょうだい」

「え?学ランの第2ボタン?」

「卒業式の定番でしょ?」

「あ、そうか・・・」

尚輝は、ボタンを取り

女子高生の真紀に渡した。

「大切にするからね」

「うん・・・」


尚輝と真紀は、校内を歩いた。

「3年間あっという間だったね、尚輝君」

「そうだね」

「私、卒業したらすぐに

看護専門学校に行くわ。

看護師を目指しているから」

「看護師か・・・」

「尚輝君は、大学進学でしょ?」

「大学進学?俺が?」

「そうよ、大学に進学して

銀行で働きたいって言って

いたでしょ?」

「ああ、そうだった・・・」


(確かに俺、一度銀行で働きたいと

思った頃があったな・・・。

でも俺、昔から頭悪くて

勉強できなかったから

まず大学進学なんて

出来なかったけど・・・)


「尚輝君、これから毎日は

会えなくなるけど、

お互い頑張ろうね」

「うん、頑張ろう・・・」


しばらく2人は、無言で校内を

歩き回っていた。

「真紀?もしかして真紀

俺の事好きだったのか?」

「え!?急になに!?」

「あ、いや、その・・・。

なんとなく・・・。

俺、誰からも好かれてないと

思っていたから・・・。

俺、大人しいしクラスメイトも

仲のいい奴いなかったし、

真紀だけだよ、俺に声を掛けて

くれたのは・・・。

だから・・・」



真紀は、しばらく黙っていた。



「ごめん、変な事聞いて・・・」

「好きだったよ・・・、尚輝君・・・」

「え!?」

「今だって好きだし、きっとこれからも

ずっと好きだと思うよ」

尚輝は顔を赤くしていた。

 

 




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「真紀・・・、真紀・・・」

「尚輝君!?」

「真紀・・・、俺・・・・、

初めて人を好きになれた

かもしれない・・・」

「尚輝君?夢見ているの?」

尚輝は目を閉じていた。


「こんな俺を好きになってくれる

人が居たなんて・・・。

こんな頭の悪い俺を・・・」

尚輝は寝言を言って居た。

「違うわ、尚輝君は頭悪くないわ。

決して頭悪くない。

自分に自信が無かっただけよ。

それに、尚輝君は誰よりも

優しい人間だわ・・・。

だから、私尚輝君を

好きになったのよ・・・。


高校卒業してから30年・・・、

一度も会って無かったけど

やっと会えた・・・。

まさか、逢えるなんて思って

いなかったのに・・・」


その時、尚輝は目を覚ました。

「尚輝君!気が付いた?」

尚輝はゆっくりと

看護師の菊池を見た。

「え?貴女は看護師の・・・?」


「私、看護師長の菊池といいます。

菊池真紀です」

「菊池真紀!?」

「私の事、思い出してくれた?

同じ高校だったでしょ?」

「同じ高校!?夢にも出て来た高校・・・。

確か同じ3年A組だった・・・」

「そうよ、よく覚えているわね」


「どうなっているんだ?

夢の世界にも、現実の世界にも

君が・・・、真紀が居る・・・」



「ねえ?尚輝君、夢の世界の私って

どんな感じなの?」

「今見た夢では、高校を卒業した

ばかりだった・・・。

俺が真紀に学ランの第2ボタンを

渡していた。

そして、俺と真紀2人で校内を

歩き回って会話していた。

卒業後、真紀は看護専門学校に

進学して、俺は大学に進学する。

そんな話をしていた。

俺が大学進学なんて

信じられない、夢の世界だから

あり得ない事も起きてしまうんだな。

結局、俺は大学に行けず

そのまま会社で働いていた。

仕事が何回も失敗して

何度もクビになった。

この歳まで、正社員になった事は無く、

仕事も転々としていた。

30年も・・・。

そして、最後は癌になってしまった。

俺の人生っていったい

何だったんだ?

俺は、この世に生まれる意味が

あったのか・・・」


「何言って居るのよ、尚輝君は

この世に生まれて良かったのよ。

おかげで私は尚輝君に会う事が

出来たんだから・・・。


尚輝君?」


尚輝は目を閉じていた。

その時、病室のドアが開いた。

「菊池師長、こちらでしたか?

もうすぐ、朝礼が始まります」

「わかったわ・・・」


(それじゃ尚輝君、私仕事に

行って来るね・・・)


真紀は病室から出た。



尚輝は、再び夢を見ていた。




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(夢の世界)






「お疲れ様です」

「お疲れ様、福山君。

どうだ?仕事終わったから

一緒に飲みに行かないか?」

「すみません、これから予定が

あるので失礼します」

尚輝は職場から出た。



尚輝は、駅近くの

レストランに向かって

走っていた。


(今日は、真紀と夕食をする

約束をしていたんだ。

真紀とは、なかなか会えないからな)






尚輝はレストランに

やって来た。

(真紀はまだ来てないな。

良かった、約束時間まで

まだ時間があるな・・・)






しばらくすると、店内に

女性が入って来た。

「尚輝君、お待たせ」

「真紀・・・」

真紀が咳に座った。

「尚輝君、仕事忙しいの?」

「うん、銀行業務はいろいろ

大変だよ。

覚える事が多くて。

それに、お客様からも

怒られる事あるよ」

「そう、大変ね・・・」

「でも、大学卒業して

すぐに就職決まったから

良かったよ。

今、バブルが崩壊して

就職が大変だから」

「そうね・・・」


「真紀はどうだ?看護師頑張っている?」

「もう毎日が大変よ。

看護師も覚える事が多くて

それに、いろんな患者さんがいるから

世話するのが大変だわ。

でも、看護師は昔からの

夢だったから、毎日が充実しているわ」

「そうか、真紀も頑張って

いるんだな・・・」





(夢の世界って幸せだな・・・。

現実の世界とは大違いだ。

もっと居たい、夢の世界に

もう少し過ごしてみたい・・・)


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continues・・・

 

 

 

 

 

♪Jewelry  day♪綾香(小説 ending)

 

 

 

 

 

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●月夜のfantasy的な小説●

 

 

 

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