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~ 真夜中のナースコール ~
(ナース)
築60年以上の古い病院。
新人看護師の照屋愛子は一般病棟で
夜勤専属として勤務していた。
その病棟に、奇妙な出来事が起きていた。
深夜12時に必ず鳴る無言のナースコール。
病室は606号室。
しかし、その病室は封鎖され
患者は居なかった・・・。
何故、無人の病室からナースコールが!?
♪Heart♪D.D.D(小説 opening)
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(小説文)
605号室の湯川弘也の病室に
恋人の水崎優子がお見舞いに
来ていた。
「弘也、この状態ならしばらく
大学に行けないね」
「そうだな・・・」
「またバイクで危ない運転を
したんでしょ?」
「まあな・・・」
「沖縄は道が狭いから
スピードあげると危ないわよ。
それに、沖縄ではバイクが
車と車の隙間の通り抜け運転も
多いと聞くわ。
弘也だってよく通り抜け運転
していたでしょ?
私一緒に乗った時とても
怖かったわ。
車にぶつからないか
心配だったのよ」
「大丈夫だよ、車にぶつかるほど
運転下手じゃないよ」
「何言っているのよ、実際に事故
起こしたじゃない」
「うん・・・」
「このまま入院が長引けば
留年だってあり得るかもよ。
講義結構休んでいるから
単位が少なくなるでしょ。
無事大学を卒業出来るかも
怪しくなったわ」
「大丈夫だよ、心配するな。
沖縄の大学なんてそれ程
レベルは高くないよ。
頑張れば何とかなるさ。
な~くるないさぁ~って
感じだよ」
「弘也って本当に気楽よね。
それじゃ私行くわ。
午後から講義があるし」
彼女の優子は病室から出た。
優子は、ナースステーションの前を
通った。
看護師が声を掛けた。
「優子さんもうお帰りですか?」
「ええ、弘也元気そうだから」
「いつもお見舞い大変ですね」
「そんな事ありませんよ。
それじゃ」
(605号室の湯川さん幸せね。
あんな綺麗な彼女さんがいるから)
優子は、待合室の席に座り
電話した。
「ああ、もしもし?健一?
私、今病院にいるのよ。
彼氏がバイクで事故って
入院しているのよ。
あいつのお見舞いなんて
正直面倒だわ。
でも、一応彼女だから
全く来ない訳にもいかないし。
正直、弘也とは別れたいわ。
健一と付き合いたいわ。
今度一緒にドライブでも
行きたいね。
北部の美ら海水族館とか
行きたいよね。
それじゃね、健一」
優子は電話を切った。
優子の声は大きかったので
ナースステーションにも
聞こえた。
ナースステーションで
看護師達が小声で話していた。
「湯川さんの彼女の優子さん
浮気しているみたいね。
今、別の彼氏と電話していたわ」
「酷いわね、彼氏の弘也さん
入院しているというのに。
もし、弘也さんが知ったら
かなりショック受けるわよ」
「本当に可愛そうね」

「ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!」
その時、ナースコールが鳴った。
「え!?602号室の高木さんからだわ!
またクレームかしら!?」
看護師は恐る恐るナースコールを
取った。
「もしもし?高木さんどうされましたか?」
「おい!薬持って来いよ!
頭が痛てぇんだよ!」
「わかりました、先生に報告してから
お薬持って来ますので」
「いちいち報告するなよ!
我慢出来ねぇんだよ!
今すぐ持って来い!」
ナースコールが切れた。
「やはりクレームだったわね。
高木さんって老害だからね・・・」
「そうね、早く退院して欲しいわ」
その時、607号室の国吉安則の病室に
息子夫婦がお見舞いに来ていた。
国吉は折り紙を折りながら
息子夫婦と会話していた。
「お父様?体調は大丈夫ですか?」
「ああ、何とか大丈夫だよ、典江さん」
「良かったです」
「父さん、話があるんだ」
「ふん、どうせ財産相続の話だろ、敦彦」
「そうだけど、でもこれはとても
大事な事なんだよ。
俺長男だから、俺が家を継ぐ事に
なるじゃないか、今後の事も
考えないと」
「要するに、わしに早く死ねと
言いたいんだろう?敦彦。
わしが死んだらすぐに
財産が手に入るからな」
「父さん、そんな言い方は
辞めてくれよ」
「心配するな、どうせわしは
そう長くはもたないよ。
出来るだけ早く死ぬから
安心しろ。
わしだって、生きたくて
生きている訳じゃないんだから。
早く死んで母さんの所に逝って
一緒に折り紙でも折りたいよ」
「父さん・・・」
敦彦達は、病室から出た。
ナースステーションの前を通り
待合室の席に座った。
「ねえ?貴方、お父様はいったい
いつ死ぬの?
もう助からないんでしょ?」
「ああ、癌が広がっている
みたいだからな」
「私、これ以上お父様の
世話なんて耐え切れないわ。
子供達だっているし・・・」
「わかっているよ。
父さんには早く逝って
もらいたいもんだ・・・」
敦彦達の会話は、ナースステーションにも
聞こえていた。
「酷いわね、お父様の事、
死んで欲しいなんて・・・」
「家族は大変なのよ。
看病するなんて。
自分の生活もあるのに
看病と両立しないと
いけないのよ。
家族の気持ちもわかるわ。
私だって、両親が高齢者になって
介護が必要になったらと
考えるだけでゾッとするわ」
「そうね・・・」

「リン!リン!リン!リン!リン!」
「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~」
604号室の前に、赤い服を着た
女の子が立っていた。
(与那覇英明さん・・・)
女の子は、604号室に入った。
ベットには、与那覇が眠っていた。
女の子は、与那覇に顔を近づけた。
「与那覇英明さん・・・、
与那覇英明・・・、
与那覇英明・・・」
与那覇は目を開けた。
「ああ!」
与那覇は驚いた。
「君は誰だね!?」
女の子は与那覇を見て微笑んだ。
「私よ、ワカナよ・・・」
「ワカナ!?」
「ええ、私ずっと秀明さんが
好きだったわ・・・」
「何を言っているんだ君は!?
わしは君なんて知らないぞ!」
「酷いわ秀明さん、私を忘れたなんて。
私、ワカナを忘れたなんて・・・」
「嘘だ!君はワカナじゃないよ!
顔が全然違うじゃないか!
それに、もしワカナが生きていたら
今頃老婆になっているはずだ!
君は子供じゃないか!」
「私の身体の中に
ワカナは生きているわ、秀明さん」
「出て行け!誰が知らんが
勝手に人の病室に入るな!」
与那覇の叫び声は、院内に響いた。
看護師が走って来た。
「与那覇さん!?どうかされましたか!?」
「今、赤い服を着た女の子が
わしの病室に居たんだ!」
「赤い服を着た女の子が!?」
「自分の事ワカナと言っていた!
ワカナがあんなに若いはずがない!
ワカナはわしと同じ歳なんだから!」
看護師が廊下に出ると
赤い服を着た女の子が
ゆっくり歩いていた。
「リン!リン!リン!リン!リン!」
「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~」
「あのう?貴女はどなたですか?
与那覇さんの知り合いの方ですか?」
看護師が女の子に声を掛けた。
女の子は振り返り微笑んだ。
「私はワカナよ・・・」
「ワカナ?」
「ええ、秀明さんと昔
付き合っていたわ」
「でも、与那覇さんは
知らないみたいですよ」
女の子は、風鈴を鳴らし
歌いながらゆっくりと
歩き始めた。
「リン!リン!リン!リン!リン!」
「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~」
(あの子いったい何者なの?
時々病院に来るけど・・・。
よく、606号室にも来るわ。
風鈴を鳴らし歌いながら
歩いている。
しかも、毎日赤い服を着ている。
不気味だわ、まるで幽霊みたいだわ)
女の子は、602号室の前に
やって来た。
看護師が高木に薬を
飲ませていた。
「高木さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃねえから薬を
飲んでいるじゃないか!」
「高木さん、そんなに大声を
出さないで下さい。
他の患者さんもいますので」
「ふん!関係ねえよ!」
女の子は、高木を見ていた。
(高木亮、沖縄戦では日本軍兵士だった。
若い頃から気性の激しい人だったわ。
私達、看護女学隊白ユリ隊の
仲間達を虐めていたわ。
この男のせいで飢えて死んだ
仲間だっている・・・。
いつか、この男にも天罰を
下さないといけないわね。
ワカナの呪いで殺してやるわ・・・)

夕方。
愛子達夜勤が出勤した。
ナースステーションで
引き継ぎが行われていた。
「昼勤の皆さん、何か変わった事
ありませんでしたか?」
「小浜さん、あの子がまた居ました」
「あの子って?」
「赤い服を着た女の子ですよ。
今日の昼、与那覇さんの病室に
勝手に入りました」
「ああ、あの子ね。
いつも来ているじゃない。
今更驚かないわよ」
「だって小浜さん、あの子いつも
風鈴を鳴らし歌いながら
歩いているんですよ。
それに、あの子が居たところに
真珠が落ちていました」
「それだって、いつもの事でしょ」
「小浜さんは変だと思わないんですか?」
「世の中には、変な人なんて何処にでも居るわ」
「小浜さん・・・」
(赤い服を着た女の子・・・。
昼も来てたんだ・・・。
風鈴を鳴らしながら歌っている。
そして、あの子が居たところには
真珠が落ちている・・・。
でも、どうしてあの子が
与那覇さんの病室に?
知り合いなのかしら?)
愛子は身体を震わせていた。
「愛子どうしたの?」
「ううん、何でもないわ聖菜」

深夜12時・・・。
ナースコールが掛かって来た。
「ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!」
(あ!例のナースコールかしら!?)
聖菜が取った。
「もしもし?」
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、」
「聖菜?どう?」
愛子は声を掛けた。
「相変わらずだわ、雑音しか聞こえないわ」
その時、小浜がナースステーションに
やって来た。
「山内さん!私に代わって!」
「あ!はい・・・」
「もしもし?あんたいったい誰なのよ!」
「ちょっと、小浜さん・・・」
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、」
「いい加減にしてよ!
誰か知らないけど、
ナースコールは遊び道具じゃ
ないのよ!」
小浜が切ろうとした時、
ナースコールから何か聞こえた。
「今、何か聞こえたわ!」
小浜は、注意深く聞いていた。
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ハッピ・・・、ハッピ・・・、
ハッピバースデ・・・」
「誰かが歌っている!?」
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー」
小浜は電話を切った。
「小浜さん?どうかしましたか?」
愛子が尋ねた。
「今、誰かが歌っているのが
聞こえたわ、老婆の様な声を
していたわ・・・」
「小浜さん、私には聞こえません
でしたけど?」
「ううん、私には聞こえたわ、山内さん。
まるで誕生日の歌って感じだった・・・」
「誕生日の歌ですか?」
「リン!リン!リン!リン!リン!」
「え!?何よこの音は!?」
「廊下からです!風鈴の音では!?」
愛子達看護師が、一斉に廊下に出た。

「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~、
ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~」
「ああ!あの子!赤い服を着た
女の子!あの子が歌っている!」
「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~、
健やかに育て~~」
「これって子守唄?童神?」
女の子は愛子達を見て微笑んだ。

♪童神(わらびがみ)♪(効果音)
continues・・・
♪BESIDE♪Chuning Candy(小説 ending)
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●月夜のfantasy的な小説●
♪Longing-跡切れたMelody-♪X JAPAN(blog theme)

