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~ 昼魔の美月 ~
(昼魔)
施設から飛び出し、一人孤独に雪の夜を
彷徨う様に歩く女性美月がいた。
やがて、美月は賑やかな繁華街に辿り着く。
そこは裏組織が支配する夜の世界だった。
美月は、その繁華街で名前美月の様に
光り輝こうとする。
美月は昼の世界を捨て、夜の世界で生きる
決意をするが・・・
♪月がわたし♪alan(小説 opening)
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(小説文)
それから、数年の年月が流れた。
美月は14歳になっていた。
授業が終わると、
信之が美月に声を掛けた。
「美月ちゃん、一緒に昼食食べに行こう」
「うん・・・」
美月たちは、食堂で昼食を食べた。
「信之君、私と会話していいの?
また、孤児に虐められない?」
「大丈夫だよ、僕を虐めた孤児は先月、
養子に出されたんだよ。
だからもう教会にはいないよ」
「へぇ、あの孤児里親が
見つかったの?」
「そうみたいだ、元々頭良かったからね。
頭の良い孤児は里親が見つかりやすいんだよ」
「・・・」
「きっと美月ちゃんだって
里親が見つかると思うよ。
美月ちゃん可愛いし、
勉強もできるから」
「私は別に里親なんて要らない」
「え?どうして?」
「美月の両親はパパとママ
だけだから。
パパは死んだけど、ママはきっと
何処かで生きていると思う」
「そうなんだ・・・、
それより美月ちゃん、最近沙紀ちゃんとは
どうなっているの?」
「特に変化はないよ。
沙紀ちゃんは高校生になって
まるでお姉さんみたいに
なっているよ。
沙紀ちゃん、今は教会を出て
一般の高校に通っているわ」
「そうか・・・」
「信之君は里親見つかっていないの?」
「僕は無理だよ、頭悪いし・・・。
誰も僕を養子にしてくれないよ。
だから僕は20歳まで教会に
いると思うよ」
美月は、午後の授業が終わると
大聖堂にやって来た。
ステージで沙紀がピアノを
演奏していた。
♪テンペスト♪ベートーヴェン(効果音)
(沙紀ちゃん凄い・・・。
かなり上達している。
将来ピアニストになるのかな?)
沙紀は演奏を終えると
ステージから降りると
美月のところにやって来た。
「美月ちゃん、授業終わったの?」
「うん、終わったよ。
沙紀ちゃん、その制服可愛いね。
いかにも女子高生って感じだね」
「まあね、今は一般の高校に
通っているからね。
中学の頃は、教会で授業受けていたから
制服なんて無かったわ」
沙紀は美月の側に座った。
「沙紀ちゃんピアノ上達したね。
将来ピアニストになるの?」
「ううん、ならないわ」
「どうして?あんなに上手なのに?」
「美月ちゃん、ピアニストになるには
音大に通わないといけないのよ。
音大は多額のお金が必要なのよ。
私みたいな孤児には
お金なんてないわ」
「それじゃ、養子にしてもらったら?」
「養子?」
「うん!沙紀ちゃん綺麗だし
ピアノが上手だからきっと
お金持ちの人が沙紀ちゃんの
里親になってくれると思うよ」
「里親なんて要らないわ。
私は大人になったら
独りで生きていくわ。
誰にも頼らず自分一人の力で
生きていく」
「沙紀ちゃん・・・」
「美月ちゃん、貴女だって里親
欲しくないでしょ?」
「うん・・・」
「私達孤児は、一度親に捨てられたのよ。
だから大人が信用できない。
また捨てられるから・・・。
私達孤児は、大人の都合に
利用されているだけよ。
子供では大人には太刀打ち出来ない。
子供は無力だから。
だから、早く大人になって
教会を出て一人で生きて行くのよ」
「でも、美月は親に捨てられていないよ。
パパは私を捨てなかったよ」
「でも、美月ちゃんのお母さんは
離婚して出て行ったんでしょ?」
「そうだけど・・・」
「それじゃ美月ちゃんだって
親に捨てられたのよ」
沙紀は立ち上がった。
「美月ちゃんならきっと
優しい里親が見つかると思うよ。
だって美月ちゃん、優しくて純粋だから」
「そうかな・・・」
「だって今でもサンタさん
信じているんでしょ?」
「まさか、もう信じていないよ」
「別にサンタさんは必ずサンタさんの
恰好をしているとは限らないわ。
また、サンタさんは必ず
クリスマスイブに来るとも
限らないと思うわ」
「え?どういう事?沙紀ちゃん」
「美月ちゃんがこれから
好きになる人は皆
美月ちゃんにとっての
サンタさんになるはずよ。
美月ちゃんだって大人になると
男の人と恋に落ちると思うわ。
その男の人が美月ちゃんにとっての
サンタさんになるはずだわ」
「沙紀ちゃん・・・」
「それじゃ、先に部屋に戻るわ」
沙紀は去った。
(美月にとってのサンタさん・・・?
美月が好きになる男の人が
美月にとってのサンタさん・・・)
ステージでは、孤児達が
賛美歌を歌い始めた。
♪Ave Maria♪Libera(効果音)
(今、美月が好きな人はパパ・・・。
だから美月にとってのサンタさんは
パパになるわ。
パパがサンタさんになって
美月にトーマスを贈ったから
きっとそうだよね。
パパはいつも美月と一緒
だったから・・・。
でもこの先、美月に好きな人
出来るのかな?
パパ以外に好きになった人
いないけど・・・。
信之君は、好きでも嫌いでもない。
普通かな・・・)
それから、更に数年が流れ
美月は、16歳で高校生になっていた。
美月は、学校から帰る途中
信之に会った。
「美月ちゃん、一緒に帰ろう」
「うん、いいけど」
「それにしても美月ちゃん、
その制服とても似合っているね」
「そうかな?」
「うん、凄く似合ってるよ。
とても可愛く見えるよ」
「もう、そんなにジロジロ
見ないでよ、信之君」
「ごめん、美月ちゃんとても
可愛いから見とれてしまうんだよ」
美月と信之が教会に戻ると、
沙紀がマーガレット・琴葉に
呼ばれていた。
(あれ?沙紀ちゃんどうしたのかな?)
美月は、部屋で本を読んでいた。
(沙紀ちゃん・・・)
美月は沙紀の事が気になっていた。
やがて夜になり、美月は信之と一緒に
夕食を食べていた。
「ねえ?美月ちゃん、沙紀ちゃんが先程
教会長室で中年夫婦と話し合っていた
みたいだけど、どうしたのかな?」
「え?中年夫婦?」
「うん、なんかとても優しそうな
夫婦だったな」
「そうなんだ・・・」
「もしかして沙紀ちゃん
里親が見つかったのかな?」
「え!?里親!?」
「あの雰囲気は多分そうかも
知れないな。
沙紀ちゃん頭良いからな」
(沙紀ちゃんに里親・・・。
でも、沙紀ちゃんは里親は
要らないと言っていたわ・・・)
美月は夕食を終えると
部屋に戻り本を読んでいた。
約1時間くらいして
やっと沙紀が部屋に戻って来た。
沙紀は無表情だった。
「沙紀ちゃん?何かあったの?」
沙紀は何も言わず黙ったまま
席に座り美月を見つめた。
そして、沙紀はしばらく
考え事をした後、
話始めた。
「美月ちゃん・・・・・、
私達とうとうお別れだね・・・」
「え?お別れ?どういう事?」
「私ね、養子になることにしたの」
「養子!?」
「ええ、つまり里親が出来たのよ」
「里親・・・」
美月は驚きを隠せなかった。
沙紀は話を続けた。
「最初は養子になるのを断ったわ。
私には里親なんて必要ないと
思っていたわ。
だって、大人は信用できないから。
でも、その里親がとても優しかったから
心が変わってしまったのよ。
私を優しく抱きしめてくれた。
私は久しぶりに愛情を感じたわ。
愛の温もりを感じた。
そしたら、思わず涙が流れたわ。
だから・・・」
美月は微笑ながら話した。
「良かったじゃない、沙紀ちゃん。
優しい里親に会えて。
沙紀ちゃんきっと幸せに
なれるよ」
「美月ちゃん、ありがとう。
貴女って本当に優しい子ね。
私、この教会で貴女が
いちばん好きだった。
貴女とルームメイトで良かったわ」
「私もだよ、沙紀ちゃん・・・
幸せになってね・・・」
「ありがとう、美月ちゃん」
美月と沙紀は抱き合った。
それから約1ヵ月が経った。
「沙紀ちゃん、いよいよ明日で
お別れだね」
「そうだね、美月ちゃん」
「最後に沙紀ちゃんのピアノ
聞きたいな」
「いいわよ」
美月と沙紀は大聖堂にやって来た。
沙紀はステージに上がり
ピアノを演奏した。
♪別れの曲♪ショパン(効果音)
(とうとう沙紀ちゃんとお別れ・・・。
美月にとってはお姉さんみたいな
人だったな。
寂しいけど、でも沙紀ちゃんに
里親が出来て良かった。
私には里親はきっと
出来ないと思うわ。
それでもいい、美月には
パパとママがいるから・・・)
そして翌朝。
「それじゃ沙紀ちゃん、
私学校に行って来るね。
今日で沙紀ちゃんとは
お別れだね」
「そうね、美月ちゃんと
別れるのは寂しいけど、
今まで本当に楽しかったわ。
美月ちゃんも幸せにね」
「うん・・・」
美月は部屋を出た。
沙紀は、教会から出る
支度をしていた。
(里親の小池さんが教会に
来るのが午後1時頃・・・。
まさか私に里親が現れるなんて。
夢の様だわ・・・。
小池さん夫婦なら信用出来る。
本当の両親より信用できる・・・。
あ、そうだわ、今日で最後だから
美月ちゃんに返さないと・・・)
沙紀は、置手紙を書いて
美月の机に置いた。
(さよなら、美月ちゃん・・・。
縁があったら何処かで会おうね・・・)
マーガレット・琴葉がやって来た。
「沙紀ちゃん、準備できた?」
「はい、出来ました」
「昼食が終わったら、
教会長室に来てね。
午後から小池さんも
いらっしゃるわ」
「はい、マーガレット・琴葉。
今までお世話になりました」
沙紀は、深くお辞儀した。
「沙紀ちゃんのピアノ演奏が
聞けなくなるのが寂しいわ」
「たまには教会にも
遊びに来ますよ。
この教会は、沙紀にとって
故郷の様な存在だから・・・」
そして午後。
美月が学校から帰り
部屋に戻って来た。
(沙紀ちゃんはもう行ったみたいね。
今日から独りか・・・。
やっぱり寂しいなぁ・・・)
その時、美月は机に置かれている
置手紙に気付いた。
(あれ?置手紙?
もしかして沙紀ちゃんから?)
美月は手紙を読んだ。

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(手紙)
美月ちゃん・・・
実は私、美月ちゃんに
謝らないといけない事があるの。
美月ちゃんが大事にしていた
雪だるまの人形の
トーマスなんだけど、
今まで私が持っていたのよ。
美月ちゃん、トーマスは
サンタさんから貰ったと
言っていたでしょ?
あの時、私美月ちゃんが
羨ましかったわ。
私はサンタさんからプレゼントを
貰った事ないのに、
どうして美月ちゃんは
貰えるのって。
私、美月ちゃんに嫉妬
していたのよ。
だから、勝手にトーマスを
取ったのよ。
本当にごめんね。
トーマスは、今まで倉庫に
隠していたけど、
今日、倉庫から部屋の
押し入れに移したわ。
美月ちゃんにトーマスを
返すわね。
今までありがとう、美月ちゃん。
元気でね・・・。
小池沙紀
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美月は押し入れを開けた。
「ああ!トーマスだ!」
美月は久しぶりにトーマスを
抱き締めた。
(沙紀ちゃん、今までトーマスを
可愛がってくれてありがとう。
沙紀ちゃんがトーマスを
守ってくれたんだね。
他の孤児達にトーマスを
盗まれない様に
守ってくれたんだね。
ありがとう、沙紀ちゃん・・・)
美月はトーマスを抱き締めた。
continues・・・
♪悲しみは雪に眠る♪alan(小説 ending)
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●月夜のfantasy的な小説●
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