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~ 真夜中のナースコール ~
(ナース)
築60年以上の古い病院。
新人看護師の照屋愛子は一般病棟で
夜勤専属として勤務していた。
その病棟に、奇妙な出来事が起きていた。
深夜12時に必ず鳴る無言のナースコール。
病室は606号室。
しかし、その病室は封鎖され
患者は居なかった・・・。
何故、無人の病室からナースコールが!?
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(小説文)
愛子が601号室にやって来た。
「あ、真江田さん?どうかしましたか?
今から601号室を掃除しますけど?」
「あ、ごめん、照屋さん」
看護師の真江田は、涙を流していた。
「以前、601号室に新藤誠二さんという
患者さんが入院していたの。
新藤さんは、とても大人しくて
優しい人だったわ。
私達看護師にも毎日
ありがとうとお礼していた。
ご家族がなかなかお見舞いに
来てくれなかったから
いつも一人で寂しそうだったわ。
毎日、天井ばかり見て
過ごしていたわ。
ある日、新藤さんは静かに
息を引き取っていた。
ご家族が居ないまま
たった一人で他界していた。
せめて最後くらいご家族が
居てくれたら良かったのに。
私、新藤さんの告別式に
参列したけど、
参列者は少なかった・・・」
「そうだったんですか」
「そんな患者さん、結構居るわ。
ご家族から見放された患者さん。
だから、せめて私達看護師が
そばに居てあげないと
いけないわ・・・」
真江田は病室から出た。
(真江田さんって、常に患者さんに
寄り添っているんだなぁ。
まさに、看護師の鏡だよね。
私も見習わないといけないわ)
601号室に、小浜がやって来た。
「照屋さん、昨日も無言のナースコールが
掛かって来た様ね」
「はい、川平さんが取りました。
やはり、無言状態だったそうです。
でも、ナースコール制御装置に
病室番号が表示されました。
606号室です」
「606号室・・・」
「でも、606号室は現在患者さん
入院していませんよね?
封鎖されています」
「照屋さん、今日深夜12時に
ナースコールが来たら
私が取るわ」
「わかりました」
「あと、数日後に601号室に
新たな患者が来るそうよ。
名前は確か砂川蘭子さんと
言うらしいわ。
車椅子の患者よ」
「わかりました、掃除しておきます」
602号室では。
患者の高木亮が看護師小島の
身体を触っていた。
「もう、高木さんまた私の身体
触ってますね。
本当はいけない事ですよ」
「いいじゃないか、1日中病室に
閉じ込められて暇なんだよ。
女の身体でも触らないと
やってられないよ」
高木は、財布からお金を取り出した。
「ほら、このお金はサービス料だ。
取っておけ、亜美ちゃん」
「チップは受け取れない事に
なっていますよ」
「いいじゃないか、誰にも言わなければ
バレないだろう」
「確かにそうですね」
小島は、高木からお金を受け取った。
「それにしても、今回の新人看護師の
照屋愛子と山内聖菜も可愛いな。
いい身体しているよ」
「もう、新人さんを虐めないで
下さいね、高木さん。
高木さんから身体触られた
看護師さんが何人か辞めていますので。
新人さんに辞められたら困りますよ。
看護師は人手不足なんですから」
「アハハハ、そうか、わかったよ。
あまり虐めないでおくよ」
看護師の真江田は、聖菜をつれて
603号室に来ていた。
「赤嶺さん、今日もご家族の方
来なかったんですか?」
「ええ、きっと家の事で
忙しいのでしょう」
「でも、いつも一人で寂しい
ですよね?」
「寂しくありませんよ。
僕は一人に慣れていますから。
幼い頃から、友達がいませんでした。
だから、いつも一人でしたよ。
社会人になっても一人でした。
人と会話するのが苦手なんです。
それに、今まで何かを成し遂げた事も
ありませんでした。
僕は、いったい何の為に
生まれたのでしょう。
僕には、生きる価値があるのか。
本来なら、心筋梗塞で死んだ方が
良かったのではないかと
思ってしまいます。
僕みたいな人間に
人工心臓を与えて
生かすなんて・・・。
本当に必要だったのか・・・」
「何を言っているんですか?
赤嶺さん。
これから頑張れば良いじゃ
ありませんか。
赤嶺さんの命が助かったのは、
きっと、赤嶺さんが必要な
人間だからだと思いますよ。
だから、きっと神様が赤嶺さんを
生かしたと思います」
「そうですかねぇ・・・」
真江田と聖菜が603号室から出た。
「真江田さん、赤嶺さんって
かなりネガティブなんですね」
「そんな患者さん結構多いわ。
一時、赤嶺さんは命が危なかった
らしいわ。
人工心臓が付けられない
状況だったらしいわ。
でも、運よく手術が出来て
成功したのよ。
きっと、赤嶺さんは強運に
恵まれているのよ」
「そうですね・・・」
真江田と聖菜は、604号室に
やって来た。
「与那覇さん、体調は大丈夫ですか?」
患者の与那覇は、天井を見上げたまま
英語で呟いていた。
「与那覇さん?」
「あ、はい・・・」
「与那覇さんは毎日英語で
呟いていますが、いったい何と
言っているんですか?」
「好きだった女性と会話して
いるんですよ」
「女性?外国人ですか?」
「いいえ、日本人です。
僕がこの世で唯一愛した女性です。
僕は、その女性以外愛する事が
出来ません。
だから、今までずっと独身を
貫き通して来ました」
「そうなんですか、与那覇さんって
一途なんですね、素敵ですよ」
「戦争が終わってから、ずっと会って
いません。
生きているのか、既に亡くなって
いるのか・・・」
真江田と聖菜が病室から出た。
与那覇は涙を流した。
(ワカナ・・・、会いたい・・・。
君にずっと会いたいと思っていた。
この気持ちは今でも変わらない。
君は生きているのか、
それとも亡くなっているのか。
それすらわからない・・・。
ワカナ・・・、君に会いたい・・・)
604号室の前に、赤い服を着た
女の子が立っていた。

(この人、与那覇秀明・・・。
ワカナが好きだった・・・。
私、この人が好きだったのに
この人はワカナが好きだった・・・。
秀明さん・・・)
女の子は、涙を流した。
(ん?病室の外に誰かいる?)
与那覇はベットから立ちあがり
病室の外を見た。
(あれ?こんなところに
真珠が落ちている?)
与那覇は、真珠を拾った。
「リン!リン!リン!リン!リン!」
「ヘイヨ~~、ヘイヨ~~」
(え?誰かが歌っている?
風鈴の音も聞こえる・・・。
なんか懐かしい感じだな。
昔、ワカナがよく歌っていたな。
童神という曲だった・・・)

深夜11時45分。
小浜が休憩から帰って来た。
「あ、小浜さん早いですね。
もう休憩から帰って来たんですか?」
「川平のおばさん、もうすぐで
深夜12時でしょ?
例のナースコール私が取るわ。
それで戻って来たのよ」
「わかったわ・・・」

深夜12時になった。
「ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!」
ナースコールが鳴った。
「私が取るわ」
小浜がナースコールを取った。
「もしもし?」
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、」
「ちょっと!あんた誰なのよ!
毎晩変なナースコール掛けて来て!
ふざけないでよ!」
「小浜さん、そんなに怒鳴らないでよ」
「黙ってて!川平のおばさん」
小浜は、再びナースコールを
聞いた。
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、」
「もう!誰のいたずらよ!」
小浜がナースコールを切ろうと
したとき、小浜は何かに気付いた。
「え!?今何か聞こえたわ!」
小浜は再びナースコールを聞いた。
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ハッピバースディ・・・、トゥユゥ・・・」
(誰かが歌っている!?)
小浜は注意深く聞いた。
「ジーーー、ジーーー、ジーーー、
ジーーー、ジーーー、ジーーー、」
(歌声が聞こえなくなった)
小浜は、ナースコールを切った。
ナースコール制御装置に
病室番号が表示された。
「小浜さん、制御装置に
病室番号が表示されました。
606号室になっています」
「照屋さん、その部屋は封鎖
されているから患者は
誰もいないわ。
きっと壊れているのよ」
「はい・・・」
小浜は、椅子に座り
考え事をしていた。
(確かにナースコールから
誰かが歌っているのが聞こえた・・・。
老婆の様な声だった・・・。
過去に606号室に入院していた
患者なの?)
小浜は、川平に質問した。
「ねえ?川平のおばさん、
貴女この病院長いでしょ?
だから、過去に何があったのか
知っているはずだわ。
過去に606号室で何かあったの?
何故、606号室はずっと
封鎖されているの?」
「私にはわからないわ、小浜さん」
「だって貴女、20年以上もこの病院で
働いているのよ。
知らないはずはないでしょ?」
「本当に知らないのよ、小浜さん」
川平は、身体を震わせていた。
「私、休憩に行って来ます・・・」
川平がナースステーションから去った。
(川平のおばさん、身体が震えていたわ。
寒くもないのになぜ?
やはり何か知っているのかしら?)

川平は、屋上で休憩していた。
(私は知らない、何も知らない・・・。
3年前に606号室で起きた事なんて
何も知らない・・・。
あの出来事は現実に起こってない。
幻だったのよ。
私は悪い夢を見ていたのよ。
きっとそうよ・・・)
「そうかしら?」
「え!?誰か居るの!?」
川平は、周囲を見渡した。
「あ!女の子!」

「あの出来事は悪い夢ではないわ。
あれは現実に起きたのよ。
川平さん・・・」
「何故私の名前を知っているの!?
っていうか、こんな夜遅くに
何をしているの!?」
女の子は、川平を見て微笑んだ。

「リン!リン!リン!リン!リン!」
「ヘイヨ~~~、ヘイヨ~~~、」
(風鈴の音に歌声!?
何処かで聞いた事がある!)
「そうよ、貴女は3年前にも
風鈴の音と歌声を聞いているのよ」
(何よ!この子!私の心が読めるの!?)
川平は、屋上から逃げる様に去った。
女の子の足元に真珠が落ちていた。

continues・・・
♪BESIDE♪Chuning Candy(小説 ending)
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●月夜のfantasy的な小説●
♪Longing-跡切れたMelody-♪X JAPAN(blog theme)

