入園式、入学式は終わったものの、まだまだ落ち着かないご家庭も多いかもしれません。
我が家も、娘の新生活になかなか慣れず、落ち着こうとピンクのマーガレットを投入(笑)。
しかし…。
落ち着かないのは新入生のいるご家庭だけではないのかもしれません。
「来年には入園(入学)を迎えてしまいます!」
ホームモンテッソーリのお手伝いでは、そんなメッセージをこの時期によくいただきます。
そして園選びで迷われている方々からたまにご質問いただくのがこちら。
「通える範囲にモンテッソーリ園はあるのですが、自由過ぎるのではないかと不安です。」
確かに…。
「モンテッソーリ」と言えば、代名詞とも言える“Follow the Child”というこのフレーズ。
どこか、子どもの言いなりになることが正当化される、そんな印象を受けるかもしれません。
“Follow the Child”の本当の意味!?
2歳の子が朝起きてきて、パジャマからお洋服に着替えたくないと言った時。
ふとよぎるのは“Follow the Child”というフレーズ。
「着替えたくないなら、パジャマのままでもいいのかな。」
小1の子が計算ドリルの宿題をやりたくないと言った時。
ここでもやっぱりよぎるのは“Follow the Child”。
「やりたくないなら、やらないままでもいいのかな。」
こんな誤解をしてしまうかもしれません。
しかしモンテッソーリ博士の言った“Follow the Child”という意味は、決してそういうことではありません。
子どもを大人と対等な存在であると認識していたモンテッソーリ博士。
彼らには自分自身を構築する能力が備わっており、私たち大人はそれを尊重すべきだと言います。ここで言う“Follow the Child”とは「やるべきことを子どものやりたい方法で出来るように尊重すること」。
もしパジャマからお洋服に着替えたくないのであれば、どうすれば着替えたくなるか考えてみる。大人の選んだお洋服は嫌でも、「こっちとこっち、どっちにする?」と選択肢を与えることで、子どもは着替えてくれるかもしれません。
計算ドリルがやりたくなかったとしたら、その理由はどこにあるのか。もしかすると、まだ紙と鉛筆だけでの計算は難しく具体物が必要な段階にいるのかもしれません。同じ「3+5」という計算でも、計算ドリルは嫌でも、おやつのクッキーだったら喜んで計算するのだとしたら。まずは具体物で見せてあげてから、計算ドリルに向かえば、案外難なく出来るのかもしれません。
親が手渡した洋服がいつも正解とは限らず、学校からの計算ドリルも必ずしもその子の発達段階に合っているとも限らないのなら…。子どもが嫌がるサインには、もう少し考える余地があることを教えてくれている気がします。
モンテッソーリ教育に誤解は付きもの!?
“Follow the Child”の誤った解釈が「子どもの好きにさせる=自由過ぎる」となってしまっているのなら、それは本当にもったいないことだと感じます。どの親も我が子にはベストな選択を与えてあげたいもの。だからこそ、自分が経験したことがなければ懐疑的にもなるでしょうし、時には誤った解釈をしてしまうことも当然かもしれません。
特にモンテッソーリ教育というほとんどの人が経験したことがないこの教育法には、残念ながら誤解は付きものなのでしょう。ホームモンテッソーリ歴11年目の我が家ですが、母自身、モンテッソーリ教育学をアメリカの大学院で学んで、初めて見えてきたモンテッソーリ哲学も山のようにあります。
だからこそ、まだまだこの学びは終わらないのだと確信している今日この頃。
大学院修了を間近に控え、学べば学ぶほど課題が多くなると感じています。
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お馴染みの海外のモンテッソーリアンたちがモンテッソーリ教育について語る素晴らしい書籍が発売となりました。インタビュー形式なので読みやすく、彼らの教育哲学に触れることのできる美しい1冊です。
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