高校を卒業してアメリカに渡った母。
父の仕事の関係で海外からの来客が多かったことから、英語はどことなく身近な存在でした。
そういった意味では、アメリカの大学への進学は自然の成り行きだったのかもしれません。
しかし渡米をしてみると。
アメリカ人5人のルームメイトとの共同生活は苦痛でしかなく、授業では発言はおろか、その日の課題すら聞き取れない状態。
そんな時、救いとなったのはスーツケースに忍ばせていった「ボイスレコーダー」でした。
教授に許可をもらい、授業を録音し、帰宅するとすべて授業を書き起こします。
分からない言葉はカタカナで書き、辞書で調べるといった作業は、今思い返すと気の遠くなるような時間ですが、これが母にとっての「上質な学びの時間」でした。
30を過ぎ門を叩いた日韓通訳養成所。
ここで通訳トレーニングの一環として毎日課されたのはKBSのニュースを10分書き取ること。
周りの受講生と比べると、あまりにも不出来な生徒でしたが、この手法が救ってくれました。
現在在籍するアメリカの大学院。
今でも行っていることは全く同じです(笑)。
今ではZoomミーティングの後、自動的にオーディオ文字起こしをしてくれるため、あの頃のような「コツコツ」な作業はなくなりましたが、流れていく言葉を1回聞いてその時は分かった気になっても、時間が経てばすぐに自分の中から消えてしまうため、必ず文字起こしをしたものを読み返し、自分の言葉でまとめるようにしています。
どこか昭和の匂いがする時代遅れなこの手法(笑)。
でも、昭和の人間には、ChatGPTのような人工知能が教育の世界に介入しても、やはり信じられるのは自分で情報をインプットしアウトプットするという作業。
あれから30年経った今でも、母の中での「上質な学びの時間」の定義は変わりません^^
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トップ写真は今朝の一枚。
マイルドライナーなしには成り立たない日常です(笑)。
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