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モンテッソーリ教育には、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」の後に「文化教育」が位置付けられています。
小学校の教科で言うと「理科」「社会」の領域に該当します。
具体的には、地理、生物、歴史といった分野が含まれます。
文化という事柄を感覚器官を通じて体感し、また言語の力を借りて習得していくこれらの活動は、小学校課程への大切な橋渡しとして非常に大切だったと感じています。そんな想いから、文化教育のおしごとを中心にホームモンテッソーリスクールもスタートしました。
モンテッソーリの文化教具「木のパズル」
その生物分野のおしごとの中の一つの「木のパズル」。
公園や園庭はもちろん、日々の生活の中で身近にある木を「ただの木」として捉えるのではなく、「茎」「幹」「枝」「葉」などそれぞれのパーツの役割や、木がどのように成長し、そのためには何が必要なのか、多くの会話に繋げることが出来る素晴らしい教具です。
知り合いからこの教具を譲り受けたとき。
まだこの教具に込められた意味を知らなかった当時の母は、とても懐疑的でした。
「こんな少ないピースのパズルでは、子どもが飽きてしまうのでは?」
この教具を、本来のパズルのように空間認識力育成のアイテムとしか捉えていなかった当時は、さらにピースの少ないパズルは不思議でたまりませんでした。
モンテッソーリのパズルはパズルでない?
しかし、モンテッソーリガイドがこのパズルを子ども達に提示をしている姿を見て驚愕。
この教具は空間認識力を促す前に、まず伝えていることがあるのだと感じました。
運動の敏感期真っ最中の幼児期の子どもにとって、パズルと言えば、裏返して豪快にピースを床に打ち付けたくなるのは当然のこと。
でも、この教具にはそれぞれのピースに取っ手部分が付いており、1ピースずつ丁寧に大人が枠から取り出していくことを見せることで、子どもは豪快に扱いたい気持ちを抑え、自分の動きをコントロールし、同じように優しく丁寧に扱うことが出来るようになるのです。
モンテッソーリのお手伝いでは、お子さんの乱暴さが気になると言うご相談を度々いただきます。動きたくて仕方がないこの時期、欲求に従って動いていると動きも大きくなり、動きもまだ洗練されていないため乱暴に見えるのかもしれません。けれども、大人がこのように丁寧に、ゆっくりとじっくりと扱う姿を見せ続けてあげると、真似をしたい時期でもある幼児期であれば、すぐに吸収するという側面もあります。
娘の幼児期、我が家がこの「木パズル」から伝えたことと言えば、以下の記事からも分かるように知育的な側面でした。文化教育の目的の1つでもある「言語活動」に繋げることのできた時間は、当時言語の敏感期真っ最中だった5歳の娘には充実した時間だったかもしれませんが、今読み返すと大切な部分が抜け落ちていたと感じます。
モンテッソーリのパズルを通じて伝えたいこと
モンテッソーリガイドたちのこのパズルの提示を見て感じたこと。
それは、この教具はもちろん、木に対する愛情や思い入れまでもが伝わってきました。
当時の母には、すっぽりと抜け落ちていた感覚。
まず自分自身が教具に対しても自然に対しても、それほどの思い入れがなかったからだと思います。
モンテッソーリの教具がおもちゃでない理由。
そんなところにもあるのかもしれません。
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ついに大学院の秋学期が開始。
それぞれのクラスに課題図書が山のようにあり、本当に2ヶ月間で読めるのかと不安だらけ。でも同時に知りたかったことだらけで、幸せな気持ちと不安な気持ちが入り交じっています。
今朝の朝読も課題図書より。
また次回、今学期受講のクラスについてお伝えできればと思っています。
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