連日の悲痛なニュースに胸を痛めています。
紛争を回避するのは政治の仕事ですし、平和を建設するのは教育の仕事です。
(「モンテッソーリ平和と教育」、マリア・モンテッソーリ著、エンデルレ書店、1975、39頁)
平和とは戦火が止むだけのことではなく、まず一人ひとりの心の中に平和がもたらさなければならないと言ったモンテッソーリ女史。世界平和は目標ではなく、結果。一人ひとりが平和であれば、世界は平和であるはずなのでしょう。
平和は、「戦争がない」「争いがない」「暴力がない」と「無い」状態にするのではなく、「協調」「協和」「協力」がある状態にしなければならないと当時のモンテッソーリ教師養成講座ノートには書き記されていました。
「平和教育」と呼ばれるモンテッソーリ教育。
モンテッソーリ園、モンテッソーリスクールに通わなければ実践できないのか。
そんなことはありません。
家庭における「平和教育」は、“The Deep Well of Time”の著者Michael Dorer先生の提唱するものの中から以下4つを意識しています。
整えられた環境といっても、決してモンテッソーリ園のような教具が美しく配列された広い空間ではなく、今自分の目の前にある限られた空間です。
トップの写真は娘の部屋の机の写真。
テプラがペンの上に載っていたりと、決して美的センスがあるとは言えなくても(笑)、彼女にとってはこれが手に取りやすい配置なのでしょう。
それぞれのペンにも定位置があるのも、幼児期からの秩序感の名残。
児童期になり、失われた秩序感も多いながらも、幼児期に本当に大切にしてきたことは案外残っているもの。そんな秩序感が保たれている空間が、彼女の心の平和を作り出しているのだと思います。
我が家の週末の午前中はとても静かです(笑)。
週末朝食を終えると、ダイニングテーブルで母は仕事と大学院の課題。
彼女は学校と保持教室の宿題。
オフィスのホットデスクを彷彿させる景色が広がります。
そして、お昼まで口を一度も利かないということも珍しくありません。
洗車を終えた夫がそこに無言で加わり、それぞれがそれぞれの時間を過ごします。
お互いの作業時間は、この静寂こそが心の平和の秘訣です。
けれども一度口を開くと、話が止まらない娘(笑)。
コミュニケーションにおいて大切な要素、“アクティブ・リスニング”の出番です。
ただ、頷くだけではなく、もっと話したくなるような聞き方をする。
この時間こそ、娘にとっての平和な時間。
なかなか手が止められない時もありますが、出来る時は必ず手を止めて耳を傾ける。
意識することが大切だと感じています。
先学期の大学院の授業でも毎週マインドフルネスの活動の課題があったほど、どのモンテッソーリ教育の講座に参加しても必ず聞かれるキーワードです。
忙しい毎日の中で、「心を今に合わせる」ことは難しいこと。
一つのことをしながら、頭の中は次にやらなければならないことが次々と浮かびあがり、
結局今に集中できないことが良くあります。
しかし、年齢が低い子どもほど、今をしっかりと生きている子ども達。
どんどん年齢が上がるにつれて、大人のように懸念ややらなければならないことに支配されていきますが、少しでもこの「マインドフルネス」の状態を作ることが、心の平和を保つ秘訣だとモンテッソーリアンたちは声を揃えます。
これらの子ども達の「心の平和」が平和な世界へと繋がるのだと思うと、やはりそんな環境作りこそが、私たち大人に課せられた宿題だと感じます。
モンテッソーリ教育に出会うまで、「平和」はどこか遠い世界の話だと感じていた母。
けれども、日常の平和、心の平和こそが、何よりも大切なのかもしれません。
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この週末の朝読は、モンテッソーリ教育の平和に触れられるこの2冊を選択。お母さんの工夫では、「数・言語、そして平和教育」という章が設けられています。
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