大学時代、はまったものがあります。それは「家事」(笑)。家事嫌いの自分が、こんなことになろうとは、渡米するまでは思いもよりませんでした。いや、実際には家事が楽しかったというよりは、勉強以外のことは何でも楽しかったアメリカ生活。エッセイ地獄の日々の中で、食事の支度をすること、洗濯をすること、掃除をすることは、まさに息抜きの時間。勉強→息抜き→勉強のリズムが出来上がってから、急に日常が上手く回るようになりました。
最近の娘を見ていると、同じようなことが起こっています。保持教室通いを始めてから、どうしても英語の宿題に追われる日々。英語は片隅に追いやり、母語優先の取り組みを行ってきた当時と比べ、最近の娘は「日本語と接する時間」を非常に楽しんでいます。学生時代の母がまさに、「家事と勉強」を共にすることで、バランスが取れたように、「母語と英語」というこの2つが、それぞれに相乗効果をもたらしている気がするのです。
来年小学校入学を迎えるに辺り、母の不安の種はやはり教科学習。その中でも一番の不安材料は「漢字学習」でした。暗記とは無縁の生活を送ってきた幼児期。果たして反復練習を繰り返しながら暗記するという作業に娘は楽しみを見出すことができるのか。 以前も記事にしましたが、けれどもこの秘密兵器と出会ってから、母の不安は一気に大丈夫という確信へと変わりました。それは、「十の画べえ」。
十の画べえ―漢字組みたてパズルセット (漢字がたのしくなる本教具シリーズ 2)
まさに五感を使って「おしごと」を繰り返してきた彼女には、この感覚を使いながら漢字を探り出す過程は、楽しくて仕方がないようです。気がつくと、この画を使いながら、漢字の自学自習を楽しんでいます。
これは、色分けされた十の画を色ごとに分けている様子。
この日は一番シンプルな「横線(赤)」と「縦線(青)」がテーマ。横線だけで作ることができる漢字を組み立てていき、そして縦線だけで作ることができる漢字も組み立ててみます。「一、二、三」「川」辺りはぱっと思いつくものの、難しいのはこれから。
横線と縦線の両方を使った漢字を組み立ててみます。
「あっ、王があった〜」
「止まるもそうだね!」
「土もそうだ!!」
わからなくなった時には、辞書についていたポスターを利用しながら、探していきます。
「そうだ、上もだ!!」
と様々な漢字を見つけていきました。
面白かったのはここから。
「まだまだあるよ。」と娘が次に組み立てた漢字は「耳」。
確かに一見すべて横線と縦線でできている漢字に見えますが、実は一画だけ斜め線。
「あっ、あと立つもそうだ!」
と、これまた縦線に見えても、これも斜め線。
いつの間にか絵本や身の回りから吸収している漢字は多くても、やはりまだ漢字学習をしたことがない娘は、視覚だけでぼんやりと形を捉えているのだということが良くわかりました。娘が今まで触れてきた英語やハングルと比べ、圧倒的に複雑な表記体系の日本語。でも、「難しさ」をまだ知らない娘には、この複雑さがパズル感覚で楽しいようです。
難解と思われるものにいかに楽しみを見つけていくか。
この楽しみ探しは、小学生以降もまだまだ続きそうです。
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