8/5~8/9の週は、大きく下落して、大きく上昇した1週間でした。週間ベースでは僅かの下げで終わりました。

 

 

これで終わり?

 

そう考えるのはまだ早いかもしれません。

 

 

詳しくは、以下のリンクをご覧ください。

【米国株式週間アップデート】まだ油断は禁物 警戒継続 2024年8月10日

 

 

  概観

 

8/9 QTD YTD WTD MTD
NYダウ 0.97% 4.80% -0.60% -3.29%
S&P500 -2.13% 12.04% -0.04% -3.23%
NASDAQ -5.57% 10.59% -0.18% -4.85%
R.2000 1.62% 2.66% -1.35% -7.70%
NASDAQ100 -5.94% 10.03% 0.39% -4.39%

 

 

前週の金曜日と比べると、少し下がったかな、くらいの感じですよね。

 

 

世の中、あんなに大騒ぎしていたのに、です。

 

 

大きく下がって大きく戻ったとはいえ、その前の状態から考えると、大きく下がって、少し戻ったくらいの状況です。

 

 

それは、8月に入ってからのパフォーマンス(MTD)を見てもよく分かります。

 

 

7月に付けた直近高値からの下落率を見てみましょう。

 

 

  直近高値から  
NYダウ 2024/7/16 -3.56%
S&P500 2024/7/16 -5.70%
NASDAQ 2024/7/10 -10.20%
R.2000 2024/7/16 -8.07%
NASDAQ100 2024/7/10 -10.46%

 

 

NASDAQとNASDAQ100は直近高値から10%以上下落しています。

これは、一応、定義上「調整局面入り」ということになります。

 

 

しかも、これまで市場を牽引してきたAIテーマに関しても疑念が出ている。AIがこれからも大きく進展し、様々な分野で使われていくことは間違いないでしょう。

 

株価への織り込みが行き過ぎていたかどうか、という点に関して、市場は調整を行っている状況です。したがって、このテーマでこれまでのように市場をグイグイと引っ張っていくのは厳しい。

 

 

それ以外に、市場を大きく牽引する投資テーマが見当たらない。(長期的には大きなテーマはいくつかありますが、目先の市場にはほぼ無関係)

 

 

大きな下げは一旦止まったとは言えるでしょうが、また下がるかもしれませんし、再び上昇軌道に入るかもしれません。

 

 

どちらが正しいかは、かなり先になってみないと分からない。下がったところで購入できた人も、今、それを評価するなら正しかったと言えます。しかし、更に下がってしまったら、それは正しかったとは言えない。更に先に行ってもう一度上昇すれば、正しかったと言える。

 

 

従って、市場の上下動にあまり過敏に反応して一喜一憂してもムダかなということです。

 

 

日本一の投資家と言われた故竹田和平さんは「上がって良し、下がって良しの株価かな」と達観して見ておられました。

 

 

この心境に慣れたら一流の投資家かと思います。(まだまだ修行中です)

 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Industrial 1.20% -2.84% 1.87% 8.75%
Energy 1.17% -3.65% -1.69% 6.99%
Communication Services 0.79% -0.27% -4.42% 19.92%
Financial 0.55% -3.24% 2.87% 12.06%
Real Estate(REIT) -0.16% 1.51% 8.74% 3.01%
Technology -0.23% -5.51% -7.51% 17.86%
Consumer Staples -0.29% 1.67% 3.46% 11.45%
Healthcare -0.62% 0.21% 2.71% 9.85%
Utilities -0.94% 1.03% 7.83% 15.91%
Consumer Discretionary -1.01% -7.71% -6.20% -1.92%
Materials -1.68% -3.86% 0.28% 3.02%
         
PHLX Semiconductor 2.23% -9.99% -13.89% 12.81%

 

 

なんか不思議な結果でした。景気懸念が市場を大きく振り回したと思っていたのですが、景気敏感が相対的に強かった。

 

 

月初来、四半期初来(7月の頭から)では、まだまだ大きくマイナスですが、半導体セクターが週間では反発を先導したような形になっています。

 

 

ロテーションが更に進んだ場合、どのセクターが市場を牽引するのか?

 

 

それとも、急速に上昇した半導体セクターの自律的な調整だけで終わり、再び半導体セクターが主導するのか?

 

  個別株の状況

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 6.07% 9.04% 2.69% 46.28%
Amazon.com -0.57% -10.72% -13.61% 9.87%
Alphabet -1.79% -4.59% -10.15% 17.17%
Microsoft -0.60% -2.95% -9.16% 7.97%
Apple -1.65% -2.63% 2.67% 12.31%
Nvidia -2.35% -10.49% -15.21% 111.52%
Tesla -3.69% -13.82% 1.07% -19.51%
その他の個人的注目株        
Netflix 3.31% 0.89% -6.07% 30.20%
Advanced Micro Devices 1.34% -7.07% -17.22% -8.91%
Vertex Pharmaceuticals -5.26% -5.50% -0.06% 15.13%
Johnson & Johnson -2.14% 1.75% 9.89% 2.48%
Eli Lilly 10.84% 10.87% -1.51% 52.97%
United Healthcare -5.27% -3.02% 9.72% 6.13%
Zoom -3.61% -6.66% -4.75% -21.60%
Salesforce.com 3.51% -2.42% -1.78% -4.03%
Catapillar 5.42% -2.29% 1.55% 14.40%
Hyattt Hotels Corp -1.05% -8.27% -11.05% 3.63%
Marriott International 2.01% -4.10% -9.84% -3.34%
American Airlines Group 2.39% -7.33% -12.97% -28.24%
United Airlines 3.16% -8.72% -14.80% 0.48%
Deere &Co -2.18% -6.98% -7.39% -13.46%
Chevron Corp -2.40% -9.65% -7.31% -2.80%
J.P.Morgan 3.34% -3.29% 1.75% 20.99%

 

マグニフィセント7は、メタ(META)を除いて全くマグニフィセント(「壮大な」とか「最高の」といった感じでしょうか)ではありませんでした。

 

 

GLP-1受容体作動薬の糖尿病薬・肥満薬を開発・販売しているイーライ・リリー(LLY)が好決算でこのようなマーケットでも大きく上昇しています。

 

 

最初にGLP-1受容体作動薬の糖尿病・肥満薬を開発・販売しているノルウェーのノボ・ノルディスク(NVO)は、予想に満たず、売られたもののその後回復してきており、この分野での需要の強さが背景にあるのだろうと思われます。

 

 

さて、市場の懸念のありかを考えると、当面は経済指標のひとつひとつに過敏に反応する展開が続きそうです。特に、FRBが利下げを開始するまではそれが顕著かと思います。

 

FRBや日銀など中央銀行に市場(特に株式市場)の下落を助けてもらおう的な論調が時々見られるが、それは間違いです。そんなことをしていては、中央銀行としてインフレ抑制などのそもそもの使命を厳格に遂行することができず、経済を滅茶苦茶にしてしまう可能性があります。(市場は、貪欲と恐怖で動いている。それに惑わされては経済運営は出来ない)

 

 

それに、それが横行したら、投資家がリスクに対して鈍感になり、モラル・ハザードが起き、どうせ中央銀行が助けてくれる、ということから過大なリスクを取る市場参加者が増え、大暴落に繋がりかねません。

 

 

市場に大きな下落は普通に起きるもので、特別なことではありません。あまり大騒ぎしないように。(メディアは大騒ぎが好きなので、メディアをどう利用するかはよく考えた方が良いです)

 

 

 

 

 

 

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