この週(6/3~6/7)のNY株式市場は、注目されていた雇用統計が強めのサプライズでしたが、週全体で見ればS&P500もNASDAQも最高値を更新するなど上昇週となりました。

詳細は以下のリンクのブログへどうぞ。

【米国株式週間アップデート】強い雇用統計・金利上昇、株式市場は比較的冷静

 

  概要・マクロ


6/7
QTD YTD WTD MTD
NYダウ -2.53% 2.94% 0.29% 0.29%
S&P500 1.76% 12.10% 1.32% 1.32%
NASDAQ 4.60% 12.95% 2.38% 2.38%
R.2000 -4.61% -0.03% -2.11% -2.11%
NASDAQ100 4.09% 12.93% 2.50% 2.50%
 
  6/7 5/31
10年債金利 4.43 4.50
2年債金利 4.89 4.87
原油(WTI) 75.43 76.99
金(NY Spot) 2,293.78 2,327.33
為替(US$/JPY) 156.75 157.31

 
小型株指数のRussell2000以外は、揃って上昇しました。
6月5日(水)には、S&P500、NASDAQ(含むNASDAQ100)は、最高値を更新しました。
 
7日(金)に、雇用統計がサプライズで強い数字でしたが、その割には株式市場は大きく下落することなく、終わっています。
 
 
雇用統計
非農業部門雇用者数:27万2千人増加(予想18万人増加、先月16万5千人増加)
失業率:4.0%(予想3.9%、前月3.9%)
平均賃金(対前月比):+0.4%(予想+0.3%、前月+0.2%)
平均賃金(対前年比):+4.1%(予想+3.9%、前月+4.0%)
 
雇用市場は引続き強く、賃金上昇も想定以上に強い状況です。これらはインフレ鎮静化にとってマイナス材料です。
 
 
FRBによる早期利下げ期待が大きく後退することになります。木曜日までは弱い経済指標で金利は大きく低下していましたが、金曜日に急騰しました。
 
 
とはいえ、週中に弱い経済指標が出て、金利は大きく低下していましたので、前週末比では低下で終えています。

 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Technology 3.83% 3.83% 7.94% 21.07%
Healthcare 1.95% 1.95% -1.19% 7.14%
Communication Services 1.73% 1.73% 6.00% 21.88%
Consumer Discretionary 1.53% 1.53% -2.71% 1.27%
Consumer Staples 0.46% 0.46% 1.69% 8.79%
Real Estate(REIT) -0.23% -0.23% -4.31% -6.72%
Financial -0.47% -0.47% -1.89% 9.54%
Industrial -0.97% -0.97% -3.18% 6.84%
Materials -2.03% -2.03% -3.68% 4.04%
Energy -3.48% -3.48% -5.24% 6.52%
Utilities -3.93% -3.93% 5.86% 9.57%
         
PHLX Semiconductor 3.18% 3.18% 7.77% 26.61%
 
先週、セクターロテーションが起きるかも、とか言ってしまいましたが、まだまだのようです。
 
 
引続き、テクノロジーを始めとするグロース系セクターが優勢です。景気減速を示す経済指標が出ていることなどから、シクリカルが弱いです。
 
 
FRBの利下げがほぼ確実になったと市場が判断すれば、シクリカルセクターもキャッチアップしてくるでしょう。
 
 
それまで少し我慢かと思います。
 

  個別株の状況

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 5.60% 5.60% 1.52% 39.27%
Amazon.com 4.45% 4.45% 2.17% 21.30%
Alphabet 1.14% 1.14% 15.59% 24.89%
Microsoft 2.10% 2.10% 0.74% 12.71%
Apple 2.41% 2.41% 14.82% 2.26%
Nvidia 10.27% 10.27% 33.79% 144.11%
Tesla -0.34% -0.34% 0.96% -28.57%
その他の個人的注目株        
Netflix -0.02% -0.02% 5.62% 31.75%
Advanced Micro Devices 0.58% 0.58% -6.99% 13.88%
Vertex Pharmaceuticals 6.08% 6.08% 15.56% 18.72%
Johnson & Johnson 0.28% 0.28% -7.02% -6.16%
United Healthcare -0.94% -0.94% -0.81% -6.80%
Zoom 2.45% 2.45% -3.87% -12.61%
Salesforce.com 3.16% 3.16% -19.70% -8.09%
Catapillar -2.83% -2.83% -10.23% 11.25%
Hyattt Hotels Corp -1.57% -1.57% -9.07% 11.30%
Marriott International -0.03% -0.03% -8.41% 2.48%
American Airlines Group 0.00% 0.00% -25.08% -16.30%
United Airlines 0.02% 0.02% 10.69% 28.45%
Deere &Co -1.65% -1.65% -10.26% -7.83%
Chevron Corp -3.83% -3.83% -1.05% 4.64%
J.P.Morgan -1.32% -1.32% -0.17% 17.55%
 
エヌビディア(NVDA)とバーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)が、この週、All Time Highと引け値ベース最高値を更新しました。
 
 
NVDAは、週初にあった台湾でのテクノロジーカンファレンスでのジェンセン・ファンCEOのスピーチなどもあり、引き続きAIを可能にする最先端GPUでは一人勝ち状態が続くと期待される状況で、株価は上昇しています。
 
 
ファンCEOの保有株の部分売却計画のニュースで若干頭を抑えられる形になりましたが、これはあまり気にしなくても大丈夫かと思います。
 
 
創業CEOは、資産のほとんどが株で、現金などをあまり持たないことが多いので、上昇した株を少し売ってお金を作ることが時に必要になります。(豪邸を買ったりするのに必要になるし、税金対策で売却せざるを得ないこともありますので)
 
 
アップル(AAPL)が、4月の52週の安値から2割上昇していますが、これはAAPLのAIへの取り組みへの期待によるものです。
 
 
来週(6/10~)、AAPLは開発者向けイベントを開催します。クックCEOがスピーチで、iPhone/iPadなどへの生成AIの搭載(SiriをAIで強化)を発表すると期待されています。昨今の上昇がほぼそれだけで来ていますので、発表後に材料出尽くしで利食い売りに会うかもしれません。
 
 
そう言えば、NVDAが時価総額でAAPLを追い抜き、米国で2位、世界で第3位になったことが話題になりました。米国で3社が3兆ドルを越える時価総額ってすごいです。
 

  今後の見通し

 

金曜日の雇用統計後の株式市場の動きは、市場全体が強気モードに偏っている時に出る反応のように見えます。
 
 
当面、大きく崩れることなく上昇する市場が続く可能性があります。
 
 
そして、引き続きAIテーマは、中期的に続きそうな強いテーマとして市場を牽引する可能性が高いです。ただ、NVDAだけではなく、その他の銘柄にも関心は向き始めるかと期待しています。(一時そのような状況でしたが、最近はAIの中でもNVDAだけが上昇していました)
 
 
金利上昇で、円高に動きかけた為替ですが、本格的な円高シフトにはもう少し時間がかかりそうです。
 
ここで述べたことは、私個人の意見です。参考としていただくことは結構ですが、責任は取れません。投資は自己責任でお願いします。

 

 

 

 

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