概要

3/4~3/8の週のNY株式市場は、FRBのパウエル議長の議会証言もこなし、順調に推移するかと思われたが、金曜日の雇用統計も無事にやり過ごしたかに見えた後、エヌビディア(NVDA)を始めとするAI関連株が急落し、週間でも主要指数は下落で終わりました。

 

この動きが市場の反転の兆しなのか?スピード調整的な一時的なものなのかの意見は分かれるようです。

 

 

3/8 QTD YTD WTD MTD
NYダウ 2.74% 2.74% -0.93% -0.70%
S&P500 7.42% 7.42% -0.26% 0.54%
NASDAQ 7.15% 7.15% -1.17% -0.04%
R.2000 2.74% 2.74% 0.30% 1.36%
NASDAQ100 7.09% 7.09% -1.55% -0.14%

 

週レベルでの連続上昇、過去17週で15週での上昇の記録を更に伸ばすかと思われていましたが(18週で16週は1960年代まで遡るようです)、流石に止まりました。

 

 

NVDAを始めとする、AI関連株が今年の市場を牽引していましたが、1日で最高値を更新した後に大きく下落、しかも出来高を伴って、という形です。

 

 

これは通常クライマックス・トップと言われる状況に近い。(天井を付けた?)

 

 

この影響は半導体関連全体に及んでいます。

 

 

現時点では、この影響は、後述しますが、グロース系セクターにとどまっているとも言え、まだ、一旦の転換点なのか、それとも単なるヒックアップ(hiccup、しゃっくり。ほんの一時的な下落)なのかは、判定しにくいところです。

 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Utilities 3.19% 2.45% -0.25% -0.25%
Materials 1.58% 1.97% 3.70% 3.70%
Real Estate(REIT) 1.46% 2.55% -1.14% -1.14%
Energy 1.16% 2.35% 4.20% 4.20%
Consumer Staples 0.92% 0.88% 4.61% 4.61%
Financial 0.81% 0.59% 7.30% 7.30%
Industrial 0.61% 0.97% 6.81% 6.81%
Healthcare 0.03% 1.00% 7.13% 7.13%
Communication Services -0.65% -0.14% 10.06% 10.06%
Technology -1.08% 0.68% 10.79% 10.79%
Consumer Discretionary -2.59% -2.22% 1.77% 1.77%
         
PHLX Semiconductor 0.57% 4.88% 18.74% 18.74%

 

週で見ると、やはり最近上昇が極めて急速であったグロース系セクターが揃って下位に来ています。

 

 

マーケット・リーダー的なセクターが週末にかけて崩れたのであまり印象は良くないですが、グロース系以外は悪くなかったと言えます。

 

 

金利の低下の恩恵と一時避難的な動きもあるかと思いますが、ユティリティが最も良いパフォーマンス(こういうことはあまりない)。

 

 

グロース系以外は皆、プラスのリターンでしたので、市場全体の崩れというレベルには至っていません。

 

  個別銘柄の状況

私の独断と偏見で、私が定点観測的に市場環境を見るために見ている銘柄です。推奨でもないですし、私の保有銘柄を示している訳でもありません。

 

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 0.73% 3.23% 42.94% 42.94%
Amazon.com -1.61% -0.80% 15.41% 15.41%
Alphabet -1.26% -2.20% -3.06% -3.06%
Microsoft -2.23% -1.79% 8.03% 8.03%
Apple -4.97% -5.54% -11.32% -11.32%
Nvidia 6.38% 10.64% 76.75% 76.75%
Tesla -13.47% -13.15% -29.43% -29.43%
その他の個人的注目株        
Netflix -2.34% 0.32% 24.22% 24.22%
Advanced Micro Devices 2.34% 7.72% 40.69% 40.69%
Vertex Pharmaceuticals -4.43% -1.70% 1.65% 1.65%
Johnson & Johnson -1.60% -1.15% 1.77% 1.77%
United Healthcare -2.65% -3.45% -9.48% -9.48%
Zoom -5.29% -5.05% -6.61% -6.61%
Salesforce.com -3.66% -1.15% 16.01% 16.01%
Catapillar 0.74% 1.57% 14.72% 14.72%
Hyattt Hotels Corp -0.73% 2.02% 20.16% 20.16%
Marriott International 0.11% 0.16% 10.98% 10.98%
American Airlines Group -6.26% -6.38% 6.84% 6.84%
United Airlines -3.43% -4.81% 4.94% 4.94%
Deere &Co 1.70% 2.48% -6.44% -6.44%
Chevron Corp -1.92% -1.40% 0.48% 0.48%
J.P.Morgan 1.58% 1.16% 10.65% 10.65%

 

 

グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。ブルーでハイライトした銘柄は、All Time Highを更新した(引け値ベースの最高値は更新できなかった)銘柄です。

 

 

上述しましたが、この週では、NVDAの動きには注目しておく必要があります。

金曜日(3/8)の午前にAll Time Highの$974(前日比+4.99%)を記録したのち、引けでは$875.28(前日比-5.55%)と、一日で$100近い値動きであり、10%以上の値幅での下落です。

 

 

これだけ荒い動きですので、当然、出来高も伴っています。テクニカルを見ている人からすれば、クライマックス・トップ(陶酔の中で急上昇し、天井を付けて大きく下落するパターン)のように見えます。

 

 

前日も含め、+5%上昇が連続するファンダメンタルズに関する理由がない中での上昇でした。これは剥げても仕方ないでしょう。

 

また、NVDAの昨年来のまばゆいばかりの上昇で、これを持っていないことに耐えられなくなった(FOMO)投資家が、最近かなり入っていたのではないかと推測します。

 

 

そうした投資家からすれば、ここで下落すると、すぐに損失になってしまうので、売り急ぐことも多くなるかと思います。そうしたことを考えると、もう少し下落が続くかもしれません。

 

 

少しリスクに甘くなってきていた市場に冷や水を浴びせるような形になり、長期的には良いことなのではないかと思っています。

 

 

市場全体の牽引役(マーケット・リーダー)でもあり、半導体セクターの牽引役でもあるNVDAの急落が、半導体セクター全体を引き下げ、そしてグロース系セクター全体を下げる形になりました。

 

  今後の見通し

 

そんなもの分かる訳ないでしょう。神様ではあるまいし、未来を正確に予想は出来ません。

 

 

とはいえ、多分、こちらの方向かな、とか、考えられるシナリオを認識しておくことは重要です。

 

 

目先で言えば、もちろん、金曜日のNVDAの下落が、転換点なのか、あるいはヒックアップなのか、によって大きく異なります。

 

 

どちらの場合であっても、毎日株式市場が上がり続けるような甘いことはなく、下落もしばしばあることを、しっかりと認識しておく必要があります。

 

 

市場ってうまく出来ていて、なんでこんなに毎日上がり続けるのかな?なんて思っていると必ずちゃんと下落する。

 

そして、覚えておいていただきたいのは、ほぼ毎年、-10%くらいの下落は起きています。

 

 

株価のベースにあるファンダメンタルズ、即ちビジネスが期待通りにうまく行っているかどうかを確認して、そこに変化が無ければ、市場での出来事は長期的にはノイズに過ぎません。

 

 

投資は忍耐力と謙虚さを試される活動です。

 

 

どんな状況も楽しめるようにしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

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