概況

2/26~3/1の週のNY株式市場は、業績発表がほぼ終了して、好業績が下支えする中で、再び、早期利下げ期待の高まりから、市場全体が押し上げられる形になっています。

 

S&P500、NASDAQ、NASDAQ100は最高値を更新。中小型株指数のRussell2000は、最高値にはまだありますが、52週の高値を越えてきています。NYダウは、前週に付けた最高値を越えられない状況が続いています。

 

 

3/1 QTD YTD WTD MTD
NYダウ 3.71% 3.71% 0.05% 0.23%
S&P500 7.70% 7.70% 1.33% 0.80%
NASDAQ 8.42% 8.42% 1.87% 1.14%
R.2000 2.43% 2.43% 2.34% 1.05%
NASDAQ100 8.78% 8.78% 2.06% 1.44%

 

  3/1 2/23
10年債金利 4.18 4.25
2年債金利 4.53 4.69
原油(WTI) 79.97 76.49
金(NY Spot) 2,082.92 2,035.40
為替(US$/JPY) 150.12 150.51
     

一旦跳ねあがった金利でしたが、木曜日(2/29)、金曜日(3/1)に発表された景気指標が想定通りもしくは想定より弱かったものであったため、インフレ鎮静化期待→利下げタイミングの早期化に対する期待が再び強まった状況です。

 

 

主な景気指標

2/29 PCE価格指数

対前月比:+0.3% (予想+0.3%。前月は+0.2%→+0.1%に下方修正)

対前年比:+2.4% (予想+2.4%。前月は+2.6%)

 

ここのところ、インフレデータには裏切られることも多く、インフレが根強い印象でしたので、予想通りはかなりポジティブにとらえられた。

 

 

ISM製造業指数

PMI指数 2月:47.8(予想49.5。前月49.1) 

価格指数 2月:52.5(予想53.5。前月52.9)

 

ミシガン大学消費者指数

センチメント指数(2月):76.9(予想79.6。前月79.0)

 

センチメント系の指数が予想より低く出てきているということで、景気の鈍化、インフレ鎮静化期待から、利下げタイミングの早期化への期待が高まったと言えるかと思います。

 

 

参考までに、2月の状況を掲載します。

 

2/29 MTD
NYダウ 2.22%
S&P500 5.17%
NASDAQ 6.12%
R.2000 5.52%
NASDAQ100 5.29%

 

  2/29 1/31
10年債金利 4.25 3.91
2年債金利 4.62 4.21
原油(WTI) 78.26 76.03
金(NY Spot) 2,043.42 2,041.18
為替(US$/JPY) 150.10 146.89

 

2月は、FOMCによる利下げタイミングの早期化(年前半での利下げ開始)期待が、強い経済指標やFRB高官の発言などから、後退していく状況でした。

 

 

そのため、金利が上昇するなど、株式市場にはネガティブな要因もありましたが、景気が強いこともあり、2月半ば以降に本格化した業績発表では、強い業績が多く発表されたこともあり、業績相場的なイメージで、単月としても非常に強い市場であったかと思います。

 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Technology 2.51% 1.78% 11.99% 11.99%
Real Estate(REIT) 2.11% 1.08% -2.55% -2.55%
Consumer Discretionary 2.04% 0.38% 4.48% 4.48%
Energy 1.30% 1.17% 3.00% 3.00%
Materials 1.16% 0.38% 2.09% 2.09%
Industrial 1.00% 0.36% 6.16% 6.16%
Financial -0.07% -0.22% 6.44% 6.44%
Communication Services -0.31% 0.51% 10.78% 10.78%
Consumer Staples -0.54% -0.04% 3.66% 3.66%
Utilities -0.63% -0.72% -3.34% -3.34%
Healthcare -1.05% 0.97% 7.10% 7.10%
         
PHLX Semiconductor 6.82% 4.29% 18.06% 18.06%

 

 

AIテーマで引き続き半導体銘柄が上昇を続けていますので(1週間で+6.82%)、このサブセクターを含むテクノロジーが最も堅調でした。

 

 

グロース系セクター>景気敏感系セクター>ディフェンシブ系セクター

大きくはこのような傾向であったかと思います。

 

 

金利動向の影響を強く受けている不動産セクターは週末にかけての金利低下の恩恵を受けたかと思います。

 

 

グロース系でありながらコミュニケーションが弱いのは、グーグル(GOOGL)の不振の影響もあるかと思われます。

 

  個別株の状況

下のテーブルの銘柄は私の独断と偏見でピックしたものです。推奨銘柄ではないですし、私の保有銘柄リストでもありません。念のため。

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 3.77% 2.48% 41.91% 41.91%
Amazon.com 1.85% 0.83% 17.30% 17.30%
Alphabet -4.74% -0.95% -1.83% -1.83%
Microsoft 1.26% 0.45% 10.49% 10.49%
Apple -1.57% -0.60% -6.68% -6.68%
Nvidia 4.39% 4.00% 66.15% 66.15%
Tesla 5.56% 0.38% -18.45% -18.45%
その他の個人的注目株        
Netflix 6.13% 2.72% 27.21% 27.21%
Advanced Micro Devices 14.80% 5.25% 37.47% 37.47%
Vertex Pharmaceuticals 0.62% 2.86% 6.36% 6.36%
Johnson & Johnson 0.17% 0.46% 3.43% 3.43%
United Healthcare -7.15% -0.82% -7.02% -7.02%
Zoom 11.85% 0.25% -1.39% -1.39%
Salesforce.com 8.22% 2.61% 20.42% 20.42%
Catapillar 3.96% 0.82% 13.88% 13.88%
Hyattt Hotels Corp 5.11% 2.77% 21.04% 21.04%
Marriott International -0.59% 0.05% 10.86% 10.86%
American Airlines Group 3.50% -0.13% 13.97% 13.97%
United Airlines -1.47% -1.43% 8.68% 8.68%
Deere &Co 0.87% 0.77% -8.01% -8.01%
Chevron Corp -1.20% 0.53% 2.45% 2.45%
J.P.Morgan 0.71% -0.41% 8.93% 8.93%

 

グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。

 

 

また、レッドでハイライトしたエヌビディア(NVDA)は、2/23に記録したAll Time Highを僅かに抜くことはできなかったものの、引け値で$800を大きく超える最高値を更新しています。

 

 

引続きAI関連で、半導体関連がマーケットを牽引しています。日本株市場では、その半導体銘柄の裏方的な役割をしている半導体関連銘柄が大きく買われています。

 

そう言えば、26日の月曜日から、NYダウにアマゾン(AMZN)がウォルグリーン(WBA。ドラッグストアチェーン)に替わって採用されました。

 

 

テクノロジー関連銘柄がNYダウにも目立ってきました。とはいえ、NYダウの最近の動きの悪さは、アップル(AAPL)の不振もひとつの原因かと思います。

 

 

重機・建機のキャタピラー(CAT)やホテルチェーンのハイアット(H)が非常に好調なのじゃ、景気の良さを示しているものと思われます。

 

 

強い景気、強い業績が今の市場の大きな牽引役になっています。

 

  今、何をすべきか? あるいは、今後の見通し

 

2/29、3/1にNY市場が引き続き上昇し、S&P500やNASDAQが最高値を更新した背景は、上でも述べましたが、FOMCによる金利引き下げタイミング早期化の期待が再浮上してきたことです。

 

 

この期待が浮上して株式市場が上昇しますが、強い景気指標が出たり、FRB高官の発言などで、この期待が縮小すると、株式市場も下落する、ということを昨年来何度も経験してきました。

 

 

この早期金融緩和期待による株式市場の上下は、現時点ではノイズと思っていて良いかと思っています。したがって、ここで追いかけて買い上がる必要はないし、むしろ警戒を強めても良いです。

 

 

FOMO(Fear Of Missing Out。乗り遅れる恐怖)は危険です。株式投資をしている人が、最近の株価の上昇でゲラゲラしていて、見ていて非常に不快と思っても慌ててはいけません。株式市場なんて、上がったり下がったりするし、時に大崩れもあって、赤ら顔でゲラゲラしていた人が、突然青ざめることもしばしば。

 

 

一喜一憂することはありません。儲かっている人も、決して気持ちを緩めないように。

 

個人的には、市場がこんな上がり方をしてしまうと、まだまだ投資を継続する中では、追加投資をすることで簿価が上がってしまうので、必ずしも気分が全面的に良い訳ではありません。むしろまだまだしばらくは横ばい、もしくは若干の低下でいてくれないかなと祈りたい気分です。

 

 

先は、読みにくいので、下落すると思ってもその見方だけに頼って動かないし、上がると思っても、その見方だけに頼ることはしないようにしています。

 

 

「上がってよし、下がってよしの株式投資」です。

 

 

 

 

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