概要

 

この一週間(1月29日~2月2日)のNY市場は、FOMCや雇用統計など金利を取り巻くニュースが市場上昇の抑制要因と大きな重しになったが、個別企業の業績がそうしたネガティブ要因を凌駕し、上昇を継続した。

 

週間ベースで見ると、これで過去14週のうち13週上昇という非常に強いマーケットが続いています。結果、NYダウ、S&P500、NASDAQ100は、All Time Highと終値ベース最高値のいずれをも更新しています。

 

 

NASDAQはまだAll Time Highと終値ベースの最高値(21年11月に記録)の更新をしていませんが、2年ぶりの高値は越えています。

 

 

2/2 QTD YTD WTD MTD
NYダウ 2.56% 2.56% 1.43% 1.32%
S&P500 3.96% 3.96% 1.38% 2.33%
NASDAQ 4.11% 4.11% 1.12% 3.07%
R.2000 -3.17% -3.17% -0.79% 0.79%
NASDAQ100 4.85% 4.85% 1.27% 2.95%

 

  2/2 1/26
10年債金利 4.02 4.14
2年債金利 4.36 4.35
原油(WTI) 72.28 78.01
金(NY Spot) 2,039.76 2,018.52
為替(US$/JPY) 148.38 148.15



1月30・31日のFOMC後の記者会見でパウエル議長は、早期の利下げが必要だとは考えていないことを主張し、早期利下げ期待をけん制しました。

 

 
 
それまで、早期利下げ期待で大きく下落していた10年債金利は、このパウエル議長の発言と金曜日に発表された雇用統計が引き続き雇用市場が非常に強いことを示したことで、上昇し、1週間の中で大きく上下しています。(4.14%→3.88%→4.02%)
 
 
雇用統計が予想よりかなり強かったことは、金利低下の阻害要因になる(インフレが鎮静化しにくい)ので、マイナス要因のはずですが、実際にはマーケットは上昇しています。
 
本格化した業績発表では、予想より良い業績を発表した企業も予想より悪い業績を発表した企業もあり悲喜こもごもです。
 
 
今回の大きな特徴としては、マグニフィセント・セブンに含まれる超大型銘柄に関して言えば、どちらかと言うとプラスサイドのサプライズが大きく、マイナスサイドは小さめで終わっていることが、指数の上昇を助けたとも言えます。
 
 
金曜日などは、小型株指数のRussell2000はマイナスになっていますし、NYダウやS&P500、NASDAQなどを見ても実は下落銘柄の方が多い。
 
 
先週末時点では、3月末までの利下げがほぼ50%の予想だったのですが(それ以前は80%近い確率の予想)、金曜日の強い雇用統計の後では、これが21%にまで下落しています。
 
 
金利引き下げが先延ばしされたということでの、金利低下期待の低下というネガティブ要因にもかかわらず、株式市場のインデックスが上昇しているので、予想されていた金利の上昇による大きな下げが無いかもしれないという状況にすらなってきています。
 
 
大型株での業績好調の優勢が続く限りは、大きな下落はないかもしれません。
 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Consumer Discretionary 3.77% 4.52% 0.17% 0.17%
Consumer Staples 2.13% 1.72% 3.29% 3.29%
Healthcare 1.98% 1.15% 4.06% 4.06%
Industrial 1.88% 2.36% 1.22% 1.22%
Communication Services 1.63% 5.61% 10.17% 10.17%
Financial 0.81% 0.54% 3.17% 3.17%
Technology 0.77% 2.72% 6.44% 6.44%
Materials 0.76% 1.08% -3.27% -3.27%
Utilities 0.36% 0.04% -3.10% -3.10%
Real Estate(REIT) -0.49% 0.46% -5.47% -5.47%
Energy -1.01% 0.10% -0.66% -0.66%
         
PHLX Semiconductor -0.12% 1.78% 3.86% 3.86%
 
セクターの状況についても、今週は個別銘柄の動きで説明できそうです。
 
 
 
一般消費財サービスは、アマゾン(AMZN)とテスラ(TSLA)の上昇が大きく寄与しています。アマゾンの上昇は好決算によるものです。TSLAは前週までに大きく下落しているので、自律反転的な動きとも言えそうです。
 
 
これを除くと、消費必需品、ヘルスケアなどディフェンシブ系セクターのうち、金利の影響を受けにくい2セクターが堅調でした。
 
 
派手なヘッドラインニュースばかり見ていると、その陰で動いている市場全体の姿を見誤ることになるので、気を付けましょう。
 

  個別株の状況

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 20.51% 21.75% 34.19% 34.19%
Amazon.com 7.98% 10.70% 13.08% 13.08%
Alphabet -6.45% 1.63% 1.93% 1.93%
Microsoft 1.80% 3.43% 9.36% 9.36%
Apple -3.41% 0.79% -3.47% -3.47%
Nvidia 8.40% 7.53% 33.60% 33.60%
Tesla 2.54% 0.33% -24.38% -24.38%
その他の個人的注目株        
Netflix -1.01% 0.09% 15.97% 15.97%
Advanced Micro Devices 0.23% 5.95% 20.52% 20.52%
Vertex Pharmaceuticals -1.28% -2.01% 4.37% 4.37%
Johnson & Johnson -1.81% -1.44% -0.08% -0.08%
United Healthcare 1.40% -0.30% -3.08% -3.08%
Zoom -5.12% -0.53% -10.62% -10.62%
Salesforce.com 2.04% 1.63% 8.56% 8.56%
Catapillar 5.23% 4.92% 6.57% 6.57%
Hyattt Hotels Corp 0.34% 1.96% 0.37% 0.37%
Marriott International 1.46% 2.25% 8.70% 8.70%
American Airlines Group -3.77% 2.32% 5.97% 5.97%
United Airlines -2.77% -0.02% 0.27% 0.27%
Deere &Co -0.26% -0.25% -1.82% -1.82%
Chevron Corp 2.08% 3.26% 2.06% 2.06%
J.P.Morgan 1.42% 0.21% 2.72% 2.72%

 

グリーンでハイライトした7銘柄は、先週(1/29~2/2)、All Time Highと引け値ベースの最高値を更新した銘柄です。

 

 

うち4銘柄がマグニフフィセント7の銘柄です。超巨大企業が大きく上昇して最高値を記録しているのですから、時価ウェイトインデックス(S&P500、NASDAQ、NASDAQ100など)では、上昇しやすい状況にありました。

 

 

気を付けなければならないのが、従来の世界最大時価総額であったアップル(AAPL)が、今後の業績に関する懸念でじりじり下落しています。

 

 

最大マーケット中国での売上の減少が懸念され、下落しています。

 

 

テスラは、大規模リコールや、中国での売れ行きに減速感が見えてきていること、依然高い水準ですが下落傾向にある収益率などが懸念材料になっています。

 

半導体関連企業の好決算なども後押しもあり、AI需要によるGPUの製造で先頭を走るエヌビディア(NVDA)は、上昇を続けています。

 

 

金曜日の強い雇用統計にもかかわらず、市場インデックスが上昇したことで、金利の動きに大きく敏感に反応するフェーズからは脱しつつあるのかもしれません。

 

 

超大型のものは、ピークを過ぎてきていますが、まだまだ業績発表は続きます。

先週を乗り切った株式市場は、まだ強いかもしれません。

 

 

この波には乗っておいた方が良いかと思います。ただし、何かあればすぐに逃げられるように準備しておきましょう。

 

 

 

 

 

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