概況

 

昨日までの1週間(1/16~1/19。月曜日は休場でした)のNY株式市場は、金融政策の早期引き下げ期待が後退する中、引き続きAIテーマなどが牽引し、NYダウ、S&P500、NASDAQ100は史上最高値を更新して引けました。

 

1/19 QTD YTD WTD MTD
NYダウ 0.46% 0.46% 0.72% 0.46%
S&P500 1.47% 1.47% 1.17% 1.47%
NASDAQ 2.00% 2.00% 2.26% 2.00%
R.2000 -4.08% -4.08% -0.34% -4.08%
NASDAQ100 2.90% 2.90% 2.86% 2.90%

 

  1/19 1/12
10年債金利 4.12 3.94
2年債金利 4.38 4.14
原油(WTI) 73.41 72.68
金(NY Spot) 2,029.49 2,049.06
為替(US$/JPY) 148.12 144.88

 

 

NASDAQ100が史上最高値を更新しつつも、NASDAQがまだ最高値を更新できない(最高値から-4.65%の水準なので、もう少しですが)のは、NASDAQに多く含まれる小型株がまだまだ大型株にキャッチアップできていないからです。

 

 

小型株指数のRussell2000は、2021年11月に付けた最高値から‐20%のレベルでとどまっています。

 

早期利下げ期待が後退している中で、金利は短期(2年金利:4.14%→4.38%)も長期(10年金利:3.94%→4.12%)も大きく上昇しています。

 

 

株式市場はこれに反応したものの、大きく崩れるところまでは行きませんでした。タイミングとして、2023年第4四半期(10-12月期)の業績発表に重なったということもあるかもしれません。

 

 

史上最高値を更新した市場ではありますが、出来高が急速に増えることもなく、また、騰落率で見ても、決して市場全体が上げ一色ということにはなっていません。

 

 

非常に淡々としています。急速な上昇に警戒している人も多いのかという気もします。こういう時は、スルスルと上昇し続けることがままあります。

 

 

そして警戒していた人が、それを見て我慢しきれずに買いに入って天井を打つ。そのパターンにならなければ良いなと期待しています。

 

スピード調整は少なくとも時々入るかと思います。(入らないと大きく下落しやすくなる)

 

 

決算が本格化してきているので、注目銘柄の決算の状況がセクター全体、そして市場全体にも影響することもあり得るので、注意していきましょう。

 

 

  セクターの状況

 

S&P500 Sector WTD MTD QTD YTD
Technology 4.31% 4.65% 4.65% 4.65%
Communication Services 1.95% 3.71% 3.71% 3.71%
Financial 0.94% 0.46% 0.46% 0.46%
Consumer Discretionary 0.52% -2.10% -2.10% -2.10%
Industrial 0.29% -1.50% -1.50% -1.50%
Healthcare -0.72% 2.27% 2.27% 2.27%
Consumer Staples -1.04% 0.30% 0.30% 0.30%
Materials -1.49% -4.28% -4.28% -4.28%
Real Estate(REIT) -2.13% -4.52% -4.52% -4.52%
Energy -3.08% -4.56% -4.56% -4.56%
Utilities -3.70% -3.85% -3.85% -3.85%
         
PHLX Semiconductor 7.98% 4.79% 4.79% 4.79%

 

サブ・セクターレベルで見ると、半導体セクターが台湾セミコンダクターの好決算(減収減益ですが、予想を上回り、かつ強気ガイダンスを示した)により、半導体サイクルが底を打ち、かつAI向けの半導体需要の強さが確認されました。

 

 

この材料で、エヌビディアを始め、半導体関連がほぼ暴騰と言って良いくらい上昇しています。その影響でテクノロジーセクターが大きく上昇しています。

 

 

セクターのパフォーマンスを見ると史上最高値を指数が記録しているのに11セクターのうち、6セクターがマイナスであるなど、かなり偏った上昇になっていることが分かります。

 

 

昨年6月からのAIテーマが引き続き市場上昇のドライバーになり続けており、昨年のマーケットリーダーが引き続きマーケットリーダーになっている状況かと思います。

 

  個別銘柄の状況

 

Magnificent 7 WTD MTD QTD YTD
MetaPlatforms 2.39% 8.33% 8.33% 8.33%
Amazon.com 0.47% 2.24% 2.24% 2.24%
Alphabet 2.61% 4.79% 4.79% 4.79%
Microsoft 2.63% 6.02% 6.02% 6.02%
Apple 3.03% -0.50% -0.50% -0.50%
Nvidia 8.74% 20.13% 20.13% 20.13%
Tesla -3.06% -14.60% -14.60% -14.60%
その他の個人的注目株        
Netflix -1.87% -0.81% -0.81% -0.81%
Advanced Micro Devices 18.88% 18.19% 18.19% 18.19%
Vertex Pharmaceuticals 0.37% 6.91% 6.91% 6.91%
Johnson & Johnson -0.44% 3.15% 3.15% 3.15%
United Healthcare -3.44% -4.35% -4.35% -4.35%
Zoom -2.02% -3.99% -3.99% -3.99%
Salesforce.com 3.29% 6.74% 6.74% 6.74%
Catapillar -1.77% -3.51% -3.51% -3.51%
Hyattt Hotels Corp 2.10% 0.13% 0.13% 0.13%
Marriott International 3.62% 3.62% 3.62% 3.62%
American Airlines Group 3.41% -0.58% -0.58% -0.58%
United Airlines -2.41% -5.91% -5.91% -5.91%
Deere &Co -0.98% -4.29% -4.29% -4.29%
Chevron Corp -3.42% -4.64% -4.64% -4.64%
J.P.Morgan 0.75% 0.12% 0.12% 0.12%

 

 

グリーンでハイライトした5銘柄は、この週に最高値(All Time Highと引け値ベースの最高値)を更新した銘柄です。

 

 

マイクロソフト(MSFT)は一時、時価総額世界一に返り咲いていましたが、アップル(AAPL)が下げ止まり反転したことで、再逆転してしまったようです。とはいえ、MSFTの底力を感じる動きです。

 

 

エヌビディア(NVDA)は上でも書きましたが、台湾セミコンダクター(TSM)の好決算と強気ガイダンスで、AI向け半導体需要の強さが確認され、暴騰が続いています。昨年あれだけ上昇した(+238.87%)にもかかわらず、今年まだ3週間で+20.13%の上昇です。どこまで行ってしまうのやら。。。

 

  今後の見通し

 

業績発表が本格化しているので、市場の注目は業績になると思います。もちろん、マクロ要因が大きく変化するようであれば、それにも反応するとは思います。

 

 

来週の注目決算は以下の通りです。

 

業績発表予定(抜粋)

1/22;UAL

1/23;VZ、PG、DHI、HAL、JNJ、MMM、LOGI、PCAR、GE、TXN、RTX、NFLX、ISRG、LMT

1/24;TSLALRCX、GD、T、FCX、ABT、ASML

1/25;AAL、PGR、INTC、BX、

1/26;AXP

 

23日(火)、24日(水)当たりが来週のピークかと思います。

 

業績に陰りが出ているテスラ(TSLA)は株価もさえませんが、業績発表で反転のきっかけがつかめるのか?注目です。

 

 

TSMの好決算の流れを受けて、LRCXやASML、INTCが好決算で続けば、半導体セクターはほぼ完全復活の状況で、AI関連などのハイエンドのメーカーは牽引役で続くと想定されます。

 

 

市場の上昇が半導体を中心としたテクノロジーに依拠している感があるので、このセクターがスピード調整的な状況になると、市場全体も一旦止まることもあり得ます。

 

 

業績次第かと思います。

 

 

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<参考図書>抜粋