メルマガで、ノーベル賞経済学賞受賞者のロバート・シラー教授が、リセッション入りを予測している。その理由として、逆イールドが発生して13か月後には過去100%リセッションが発生しているから、というものでした。

 

逆イールドがリセッションを呼ぶという理由でロバート・シラー教授がリセッション入りを予想している、というのがなんだか解せないので、ネットで調べてみました。

 

'There Will Be a Recession. The Question Is When.' Nobel Prize-Winning Economist Robert Shiller Says a Recession Could Discredit President Trump

https://time.com/5697119/robert-shiller-recession-interview/

 

このタイトルもとてもミスリーディングなものです。

この記事そのものは、ロバート・シラー教授の新しい本についてのインタビューです。

 

Narrative Economics: How Stories Go Viral and Drive Major Economic Events

 

経済学者は、物事を判断するのに統計に落された数字で判断するが、その背景にあるNarrative(物語・ストーリー)が大事である、ということをおっしゃっています。

 

 

リセッションについては、これだけ長く好景気が続いているので、もうリセッションがいつ来てもおかしくない。問題はいつ来るかだね、とその点についての予測については触れていません。

 

 

逆イールドについて、彼のNarrativeの考え方から説明しています。逆イールドがリセッションの原因にはなり得ないが、逆イールドがリセッションの前兆だとみんなが言っていると、人々はそれに備える行動を取る可能性があり、それが、リセッションを呼んでしまう可能性がある、と言っています。

 

 

即ち、自己達成予言になるかもしれない、ということです。同様にトランプ大統領の対中貿易政策についても、その危険性を述べています。そして、このコントロールが上手くいかず、米中貿易協定がまとまらないことが原因でリセッション入りでもしたら、トランプ大統領の信頼は失墜するだろうと。

 

 

ある意味当たりまえのこと、しかも、当たり障りのないことで、取り立てて驚くようなことは言っておられないようです。

 

 

な~んだ、という感じでした。自己達成予言のようなことも経済学で取り上げるようになるのは、画期的かもしれません。面白そうではありますが、英語で377ページ。読んでいるうちに翻訳が出るかもしれないので、翻訳が出るまで待ちます。