バルバドスの生んだ
歌姫・リアーナ。

カリブ海から出発し、
本日は
1500~1800年代へ…♪

先日の
"not-native" Englishの
話題を引き継ぎ

英語、
つまりはイングランド
(England)語が
世界に広がっていった時代を

少し違った角度から
追ってみようと思います。

お酒は殆ど
”飲めない”に等しい私ですが、

本日も映画と音楽…
そして!

華やかなカクテルにも
語り部をお願いしようかと☆


英語教師のピアノ弾き語り&歴史語り            ☆every day's jewelry☆ 

…バルバドス…

サトウキビを原料とした
蒸留酒・ラム酒の
故郷です♪



この一稿は
バルバドスから出発しよう!
と思ったとき、

”ひょっとしたら?”
と期待を抱いたのが

『パイレーツ・
オブ・カリビアン』シリーズ。

”海賊ものというと、
1500~1600年代かな?”

それならきっと、
キャプテン・ドレークは
出てくるだろう。

エリザベス女王に
英国海軍の指揮を任され

夜霧に紛れて
単身、敵船に乗り込んだり

無人船に火を放ち、

密接状態で停泊していた
敵方艦隊に向けて
突っ込ませたり…

かくして
宿敵・スペインの
無敵艦隊を撃破したという、
海賊・ドレーク☆

あとは、
アメリカ・東海岸に続々と
植民が進んでいった…

当時の欧米の、
独特な宗教的ムードなんかも
リアルに
映像化されているかも♪

そんな風に私は
いかにも勝手に
想像していたのですが(笑)

いざ時間に恵まれて
調べてみると、

どうやら
あのシリーズの
時代設定は…1700年代。

”う~ん、そうか…”と
ガッカリしかかったところで

”あ!”と目を惹かれたのが、

あらすじの中にあった
この時代の英国王、
「ジョージ2世」の名前でした。

提督ドレークと同じように

一見つかみにくい、
単調な暗記対象となりそうな
この時代に添えるアクセントとして

この方には授業において
しばしばご登場を
願うことがあるのです…☆


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 …彼女が手にしているのは
 ”ダーク・ラム”…?…




ドレークは1543年生まれ。

日本ではちょうど
種子島・鉄砲伝来の年ですね。

12人兄弟の長男で、

10歳から
知り合いの老船長のもとで
航海経験を積み

はじめは船乗りとして
従兄と共に
貿易に従事していた。

そして
この従兄というのが、

イギリス人として初めて
奴隷貿易を行った
ジョン・ホーキンス、なのですが…

第1回の航路は
アフリカ・シエラレオネから
カリブ海へ、

そこで
ポルトガルの奴隷船を
乗っ取りながら

最終的に
301人の奴隷を
カリブ海で売却した、

という記録があります。

バルバドスの人々が
陽気に飲み交わしていた
”ラム酒”を

イギリス人の船乗りが
”発見”したのも、恐らく
この頃のことでしょう。


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…”キューバ・リブレ”…
(スペイン語で
 キューバ・自由)

このカクテルは
ラム酒のコーラ割り。

1902年、
それまで植民地競争に
出遅れていたアメリカが

キューバ独立を後押しして
スペインを牽制した際、
人々が独立を祝した
言葉が由来だそうです。
      
この時キューバに上陸した
アメリカ兵が生み出した
スタイルなのだとか…☆





彼の計3回の航海は
1562年~1569年に
行われていますが

スペイン・ポルトガルからは
常に妨害を受け

彼の側はその都度
海賊行為、つまりは
両国の奴隷船・略奪で
応戦しています。

3回目などは
スペイン海軍に相当に叩かれ、
命からがらの帰還だったようで…

確かに
当時の航海、

海に生きる海賊や
列強の覇権争いは
サバイバルそのもの、ですね。

ドレークが
海軍提督として指揮をとった
アルマダ海戦については

時のローマ教皇が
スペイン国王・フェリペ2世に
十字軍税の徴収を許し、

彼の兵士たちに
贖宥状(免罪符)を与えた、という

なんとも時代を感じさせる
エピソードもありますが…あせる


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…1588年…
スペイン無敵艦隊


5月に約130隻が
リスボンを出発。

8月、
一連の海戦ののち
北海方面へ退避して
スコットランド
・アイルランドを迂回。

悪天候によって
大損害をこうむり、

結局帰還できたのは
約半数だったという




バルバドスの歌姫
Rhiannaも
(リアーナ)

遡れば
欧州・アフリカ
・アメリカ大陸を結ぶ…

ドレークやホーキンスが
従事した奴隷貿易に
その”ルーツ”を
有することになりますね。

彼女は父方に、
この国に入植した
アイルランド系の血も
引いているようです。

カリブ海の島々では

奴隷としての酷使や
西洋人が持ち込んだ
伝染病のために

インディオ系の先住民が
全滅してしまった地域も
少なくなかったのですが

バルバドスも
そのうちの1つ。

第2次世界大戦後、

1度は
完全な独立を目指しつつ
数年で
”イギリス連邦”に復帰、

現在も
エリザベス女王の王冠に
敬意を払う
立憲君主国として安定し、

教育水準も高い…

バルバドスは
かかる経緯を経て

カリブ海において
屈指の豊かな国となっています。


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当時としては
完全に”格上”の大国だった
スペインに対抗すべく

エリザベス1世は
ホーキンスのような海賊を
バック・アップ、
海賊行為を奨励する、

という策に出ました。

ホーキンスの
従兄・ドレークも、

その流れで
王室とのタッグを組んだ、
ということになりますね。

”私掠船(しりゃくせん)”は

政府からの
”お墨付き”をもらっている
海賊船のことを指しますが

”海賊行為”とは
要するに海上を舞台にした
”強盗”ですから…

捕まれば処刑。

日々の稼業も、
常に対立する海賊との抗争や
各国の取り締まりに
さらされていたでしょうし、

ドレークのような
海賊にとっても、

政府の後援を得ることは
非常な強みだったろう、
と思います。



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さて、
ここで少し寄り道を(笑)☆

上のお写真は
バルバドスのラム酒工場。

”蒸留”というのは、

要するに
2つの水溶液の沸点差を、

酒造においては
”水”と”アルコール”について
その差を利用して

加熱により
アルコール濃度を高めていく、
という…

考えてみると
”ただ沸騰させるだけ”、

きわめて
シンプルな作業ですよね。

むしろ、
面白いのは”その前”☆

何度眺めても、
この化学反応式には
感動しまいます~(笑)

蒸留酒の原料は

・麦
・イモ
・フルーツ
・サトウキビ

…など様々ですが

つまりは”糖分”、
炭水化物があればよく

”蒸留”は、
それを微生物の力で
「発酵」してもらったのちの

濃縮段階…


イースト菌は
パン生地に含まれる
糖分を分解し

エタノールとともに
発生する二酸化炭素によって
生地を膨らませますが

これについては以前、
ドイツパン物語で書きました。

アルコール類というのは
”パン・ケーキ類”が
ふくらむ仕組みより

生徒たちにとっては
多少縁遠いものですけどもあせる


やはりこのトピックも
中学生に向けた
”化学・生物事始め”として
重宝だと思います♪


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…通称
”ウォッカ・ベルト”…”

蒸留酒”は
アラビアが起源。

中世前期に
ヨーロッパ各地に伝わり

北方では
ジンやウォッカに

イギリス
・アイルランドで
ウイスキーに、

フランスでは
ブランデーとして
各地に根付きました




現在では
限定的な飲酒の習慣しか
存在しないイスラム圏では

もっぱら嗜好品ではなく
薬品や消毒液などに
使われていたものだったので

ヨーロッパで嗜好品として
飲まれるようになったのは
そこからいくらか後の時代で

おそらくは
15世紀の後半以降。

アラビアの医療技術が
中世のヨーロッパに比べて
進んでいたことは、

色々な文献でも
定番の内容ですが

そのような
医療品であった経緯から
この蒸留酒、
エタノールははじめ

”命の水”と
呼ばれていました。

フランスのブランデー、

”オー(水)
・ド・ヴィ(命)”は
その仏語直訳なのですねえ。

ロシアに並び
ウォッカの一大生産地となった
ポーランドでは

伝来からしばらく
アラビアと同じように
消毒剤など医療目的での
使用が定着したので、

ペストが大流行した
14世紀にもこの国では
その害を免れたのだとか。

面白いものです…☆


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一気に時代が飛びますが、
こちらは
1917年のロシア革命。

ドイツから帰国した
レーニンが率いた
この革命の大激動のさなか

モスクワの、
あるウォッカ製造会社・社長が
フランスに亡命しました。

このことをきっかけとして
ロシア国外で初めて
ウォッカの製造が始まります。

この工場に1933年、

日本がちょうど
満州の関係で
国際連盟を脱退した年ですが

同じく
アメリカに亡命していた
ロシア人実業家が訪れて

アメリカ・カナダにおける
スミノフ・ウォッカの
製造権と商標権を買い取り、
帰国。

以後、
米国産ウォッカ
”SMIRNOFF”の製造が始まり

アメリカは今も
世界屈指の
ウォッカ消費国となって
いるんですね。

ストレートだけではなく

スタイリッシュで
多種多様なカクテルとして
楽しんでもらうという

この販売戦略は
SMIRNPFF社に
米国での成功をもたらしました。

こうして見てみると

”ラム酒(Rum)”や
”テキーラ”は

アラビア経由ではなく
カリブ海やメキシコから
ヨーロッパにもたらされた点で

別種の蒸留酒、
という感じですね☆


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…メキシコ産”
テキーラ”の原料…


”発酵”の仕組みは
一般的な蒸留酒と同じ。

テキーラの糖分の源、
この植物は
サボテンとしばしば
誤解されるようですが、

agabe という名だから
(リュウゼツラン)
ラン科なの?というと、
そうでもないらしく。
      
なかなかに
ややこしい植物です(笑)




さて、もう1度
”イングランド語”物語に
戻りましょう♪

エリザベス1世は
海賊・ドレークを登用して
スペインを下し

その勝利のインパクト、

加えて
ヘンリー8世、
メアリー1世という
血塗られた時代を引き継ぎながら

怨念渦巻く
カトリックvsプロテスタントの
対立を巧みに抑えた…

ざっくりと申しますと
その2点について
彼女はかなり美化された形で

名君としての
イメージを留めていますが

しかしながら、
スペイン無敵艦隊との
アルマダ海戦以後の彼女は

結局
愛人や寵臣の変節に
激怒して処刑を命じたり

精彩を欠く指揮によって、

北アメリカ大陸での
スペイン・フランスとの争いを
泥沼化させたり…

ある意味
当時のヨーロッパ各国、

世襲王族による統治に
典型的な”残念さ”を
体現しているんですねあせる



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…映画『エリザベス』…
ケイト・ブランシェット 
   
エリザベス1世は
語学が堪能でした。

ラテン・ギリシャ
・フランス
・イタリア語に通じ
 
同時代では最も
教養のある女性だったろう、
と言われています


      
 
アラビア起源の蒸留酒、

ヨーロッパ北方で
進化をとげた
”ジン”については1つ、

イギリスの歴史
・こぼれ話がありまして

時代は
エリザベス1世の没後、

スコットランド王
・ジェームズ1世が王位につき、

この王が
きわめて専制的、

さらに王妃が浪費のために
財政難を引き起こした、
ということもあり

1642年、
1688年というこれまた
暗記事項として定番の💦

2度の革命、
貴族の王に対する反乱の
下地が用意されることに
なるのですが

”ジン”が
イギリスの地にやって来たのは
このうちの2度目、

名誉革命の結果として
オランダ貴族の
オラニエ公ウィレムが
(英名:ウィリアム3世)

英国王に迎えられた際のこと、
なのだそうです☆


1800年代に入るまでのジンは、
安価でアルコール度数が高く

「労働者が
 泥酔するための酒」という
 イメージでしたが、

次第に改良され
歴代首相の中でも
屈指の名門貴族出身、

かのチャーチルなどは

ストレートのジンに近い
”マティーニ”を愛したことで
有名だったのだそうで…


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”飲めない”わけでは
ないにしろ、かなり弱い。

家では種類を問わず、
ほぼ”飲まない”私からすると

”マティーニ”などの
カクテル名は

ともすると
まるで恐ろしげな呪文?
のように聴こえますが(笑)

この
お写真の左は”ジン”。

その右がウォッカ、
奥にあるのはラム酒??

ちなみに、
”ストベリー・ティー”という
カクテルの作り方は…


・氷
・レモンシロップ
    + 
・ラム
・ジン
・ウオッカ
・テキーラ 

 上記4種を
 各15cc(大さじ1)
 
シェイカーで振った後に

砂糖にまぶした
フレッシュ・ストローベリーを
たっぷりと…♪ 


今回記事で
取り上げようと思っていた
蒸留酒の名が見事!
に揃っていたので

ご了承をいただき、

ジェイさんという
知り合いのブロガーさんから
上のお写真と
レシピをお借りしました☆


ここ2,3か月の間

音楽的にも、

韓国という国の
新しい世代の音楽について
認識を広げるという面でも

本当に多くのことを
プレゼントして頂いた
JYJメンバー、

彼らに出遭うきっかけを下さった
ジェイさんへ感謝を込めて…♪

カリフォルニアで
溌剌と働かれている素敵な方、

ご自身でも音取りをして
ピアノ・ソロや
弾き語りをされています☆


ジェイさんのブログ:”ストロベリーティー”の記事はこちらからどうぞ♪


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さあ、では
イギリス史に戻りましょう💦

ホントに話題が
あちこちへと飛んで恐縮ですが、

今度はジェイさんの
カリフォルニアから、
舞台は東海岸・NYへ…☆


現・ニューヨークは
英蘭戦争のすえ、

もとは
”ニュー・アムステルダム”
という
オランダ植民地だったものを

1600年代末に
両国間の取り決めで
イギリスが獲得したものですが

プロテスタントの
オランダ、

カトリック国
・スペインから独立するまでは
”敵の敵”同士、

そして
”非カトリック”として
何かと友好的だった
英・蘭関係も

独立後の
オランダの勢いを受けて
一気に変化していくんですね。

この頃の
イギリスの仮想敵国も
スペインから
フランスへと変わっています。

こういった経緯は
高校の歴史学習の定番として
よく知られていますけど

NYと引き換えに
オランダが南米大陸に
手にした土地については…

かなり(?)
知られていないのでは
ないでしょうか。


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…カリブ海に面した
南米大陸・北部の小国
”スリナム”…
      
この大陸で唯一、
オランダ語を
公用語としています


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う~ん、しかし…

中南米大陸、
その諸国の公用語は

ブラジル
 ⇒ポルトガル語
その他
 ⇒スペイン語

ということが、

中学段階などでは
びっくりするほどの潔さ?で
はっきりと断定されている。

いくらなんでも
それはヒドいんじゃないか?と

どうも私は
気になってしまうのですがあせる


”公用語”の話になりましたが、

今更ながら
現在この地球上で
”英語”が広く話されている、
ということは

この国が植民地時代に
世界を席巻したことに
起因しているわけなので

その意味ではアメリカ英語も

その流れの中で
世界中に広まった
”イングランド語”のいち”方言”…
のようなものですよね(笑)☆

”見事に
 変わっちゃったなあ~”と
いたく感慨深いほどに

イギリス英語と
アメリカ英語の”音”には
相当の”差”がありますが

1番のポイントは
”R”の発音でしょうか。

しかし、
英国紳士のあの「R」は

ある意味
イングランド島では
ごく一部地域の方言で

アメリカ的な
こてこての「R」のほうが
多数派なんですよね💦

英国紳士のあの「R」
というのは

”アー”と”エー”の中間、
ちょっと気取った
フランス語のような?
微妙な音を出す、というアレ。

BBCイングリッシュ
ともいわれますよね。

単語の先頭か
中間にある”R”については

一応キチンと(?)
舌を後ろ向きに”巻き”ますが
語尾は”捨て”る。

これができると
”イギリス英語”が
得意になりますよ(笑)


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… スティング …

1951年
イングランド生まれ

ロックバンド
POLICEでは
ヴォーカル兼
ベーシスト

教員育成大学を卒業、
20代前半には
小学校で”英語”指導の
経験あり





… ポイントその2…

”A”の発音。 

アメリカ英語では
しつこく?
”エァ”と濁らせる場面で

イギリス人は
さらりと済ませる、

"can"を"キャン"と読まず
"カン"と読む、
そんな風に言われますね




感覚的印象として、

イギリス英語は
フランス語的…☆

1つ1つを追っていったら
それこそキリがないですが

中世から近代まで、

英仏、
スペイン、
オーストリア、
北欧、
現ドイツ地域…

王侯貴族相互の間で
目まぐるしく
婚姻を繰り返す、その有様。

めんどくさいからもう、
”全部ひっくるめて親戚”
ということにしません?

と言いたくなって
しまうくらいです(笑)

そもそも、
イギリス王室というのは

元々フランス人貴族が
移り住むような形で
始まっているんですよね。

彼らの話し言葉が
フランス語的な”音”を
持っているのは

確かにきわめて
自然なことかもしれません。


この国が
スペインに次いで
オランダ、フランスを下し

文字通りの
覇権国家となっていくのは、
ドレークの時代よりもっと先、

よく考えてみるとちょうど

『パイレーツ
 ・オブ・カリビアン』
シリーズの時代のこと。

そして、
その時代の象徴的国王で

よく考えると
ものすごく重要なことを
幾つもしていた王様、
というのが

先ほど
(いえ、大分前…?)
お名前を挙げた
”ジョージ2世”なのですが…☆


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その意味でも
あの映画シリーズは
とても面白い時代を
扱っている。

しかし…

どうもざっと
レビューやあらすじを
拝見した限りでは
(↑本来、
 感想というのは
 ちゃんと作品を見て
 書くべきですね、
  スミマセンあせる

かなりの程度
ファンタジー風味の
アドベンチャー映画、

残念ながら
当時のイギリス王朝と
議会政治の微妙な関係や

当時の
欧州列強が演じていた
植民地時代間近の
パワー・ゲームなどは

殆ど扱われていないか、
もしくは…

強引に
単純化して描かれているのみ、
であるようで。

う~ん…

だって、
スペインのフェリペ2世や
このジョージ2世、
イギリス東インド会社など

確かに”名称”自体は
登場するようなのですが
いかにも扱いが”雑”、といいますか…

いやいや、別に
制作もディズニーですし

エンターテインメントとして
割り切っても、
それはそれで構わないですけど

それにしても、
この作品中のジョージ2世…

う~ん、これはちょっと…


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ヒドすぎる!汗



エリザベス1世を継いだ

スコットランド王
・ジェームス1世について
先ほどは少し
書きましたけれども

貴族の反乱の火種をまいた、
ということのほかに彼は

現・イギリスの
ハノーヴァー朝の始祖?
のような存在として
独特の存在感を持っています。


イギリスがヨーロッパと新大陸で
計4つずつの戦争をフランスと戦い、ついに覇権を手にした…
その時代を英国王として生きた1800年代半ばのジョージ2世と
この方の父であるジョージ1世。

彼がハノーヴァー朝の初代国王なのですが
この父子はイギリス人というより、完全にドイツ(ハノーヴァー)人なんですね。
英語はほとんど話せなかったようです。

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現女王・エリザベス2世は初代・ジョージ1世から数えて11代目。

キャサリンさんの皇太子とのご結婚が話題になりましたが
あの王族のルーツはドイツ、なんですねえ。

まあ、もともとヨーロッパの王族全体が親戚のようなものだ、ということは
先ほども書きましたから、
”ルーツ”という言い方にもさしたる意味はなさそうですが(笑)。


1714年、カトリック以外に王位継承者がいなくなってしまった事態に
頭を悩ませたイギリスは
1世紀近くも前に、くだんのスコットランド王・ジェームス1世の娘が嫁いでいた
ドイツ・ハノーヴァー家に目を向け

その直系であるジョージ1世を王に迎えて
新たに”ハノーヴァー朝”をスタートさせました。

その後、ドイツと2度の世界大戦を戦うことになったことから
ドイツ系の名前を改め
今は”ウィンザー家”となっていますが
血筋としてはジョージ1世・2世親子、ハノーヴァー家の直系です。

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北米ではイギリスに軍配、

英仏は結局”ドイツ”という共通の敵、血気盛んなこの新興国が現れるまで
アフリカ、中東、アジアでも陣取り合戦を続けるわけですが
イギリスが押さえた世界各地の植民地の中でも
突出した存在だったインド…

そういえば今回”ラム酒”の原料として取り上げたサトウキビは
インド近辺が原産ではないか、と言われていますね。

現在も伝統的な方法でサトウキビの精製が行われている、
その様子が分かる画像に出会いましたので、ご紹介します☆

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さて、ハノーヴァー朝初代国王の息子・ジョージ2世ですが

この王様は高校世界史でも通常は扱いが軽く
大体はヨーロッパと北米で4つずつ…
1600年代~1700年代半ば、1763年のパリ条約で収拾を見る
イギリスvsフランスの戦争、その北米での1つにお名前が登場するのみです。

ウィリアム王戦争・アン女王戦争・ジョージ王戦争・フレンチ-インディアン戦争という
世界史選択の学生にはおなじみの、あれですが(笑)。

しかし、ある意味でこの人ほど現代・世界各国の勢力図、
あるいは言語としての”英語”の…
今現在の”勝ちっぷり”を運命づける時代を生きた英国王はいないかも…?
という気が私はします。


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  … イギリスの首相官邸として御馴染の、ダウニング街10番地。
        この建物を首相の住居用に提供したのはジョージ2世でした …


ドイツ人”だったジョージ1世と2世は国内政治に関心が薄く
そのことがイギリスの議会政治を強くした、とも言われていますが

ジョージ1世の代にはウォルポール氏をリーダーとして議院内閣制がほぼ確立したのち
現状維持派・平和路線だったこの方は
次のジョージ2世の時代中に人気を失っていきます。


代わって議会の有力者となったピット氏は、バリバリの主戦派。

ヨーロッパ大陸ではオーストリア継承戦争に続く七年戦争、
アメリカ大陸ではフランスとの植民地戦争など
様々な対外戦争に巻き込まれていく中で

ピットは北米・インドなどの植民地経営と勢力拡大を不可避と考え、
そのために海軍を重要視しますが
ドイツで育ったジョージ2世は基本的には父と同じくヨーロッパに関心があり、
ハノーファーの領土を守るためにも陸軍重視。

しかし広く国民に、そして経済界にも強い支持があったピットの主張を王は受け入れ
その連立政権を認めたことで、
ピットは事実上の首相として戦争を主導していきます。

そして北アメリカ大陸のみならず、インドでもフランスを駆逐したイギリスは
植民地競争の覇者となり、大英帝国の時代が始まるのですね。


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           … 現代のイギリス海軍所有の巡洋艦 …


イギリスの産業革命は1760年代から1830年代まで、といわれますが

ヨーロッパとアメリカでの英仏による一連の戦争が1763年・パリ条約で終結する3年前。
イギリスの勝利が確実になっていたその頃…
産業革命が始まったちょうどの時期に、ジョージ2世は世を去っています。


今は南北アメリカ・アフリカでも作られるようになった、ラム酒。

英国海軍の軍艦に蒸気機関が取り入れられた頃、
ボイラー室での過酷な勤務にあたる水兵たちが愛飲したのが”ラム酒”でした。
つまりは軍の支給品、だったのですねえ。

”それまでストレートだったの…!”

とむしろそちらの方が驚きですが
ラム酒を水割りにして飲む、という習慣もこの頃に生まれたものです。


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…ラム酒、いろいろ♪…



1742年にエドワード・バーノンという提督が、
ラムを飲み過ぎて泥酔する水兵が多いことを受けて
「ストレートでなく、等量の水で割ったものを支給せよ」と命令。

当初は大いに不評で、水兵たちがこの薄いラムを恨みを込めて
「グロッグ(年を取ったカエル)」と呼んだ、
もしくは提督が好んで来ていた”グロッグラム”コートから来ている、など
どうも説は2つにわれるようですけども

ともかくそんな経緯を経つつ、1700年代末にはむしろ
ラム酒の飲み方として水兵たちの間でも
水割り=”グロッグ”の方が好まれるようになった、ということです。

現在は”日本語化?”している”グロッキー(泥酔状態)”という表現
このエピソードが回りまわって
少々つじつまの合わない変化を遂げてしまった表現、なのでしょう☆


英語教師のピアノ弾き語り&歴史語り            ☆every day's jewelry☆ 



ドレークが活躍した
アルマダ海戦から
200年以上がたったころ

1800年代に
入ったイギリス海軍は、
かの皇帝・ナポレオンと

歴史的な
”トラファルガー海戦”を
戦うことに。

思えば
第2次世界大戦でも

ヒトラーに対し
ヨーロッパ最後の砦として
踏みとどまったのは
イギリスでした。

そして、ロシア。

ナポレオンは
ロシア遠征で失敗し、

ヒトラーも
ソ連に敗れる。

イギリスは
この2人の怪人の野望を
東の端で封じ込めますが

ロシアとイギリスという
この両国はその意味で
不思議な関係性を感じさせます。

そう、

これまでもチラチラと
ご登場いただくばかりで
正面から扱うことが
未だできていない…

ナポレオン・ボナパルト(笑)

猛烈な勢いで
ヨーロッパを席巻した
この皇帝の快進撃を
渾身の反撃で阻んだイギリス、

わたしの敬愛する
作家・司馬遼太郎は

この時に戦死した
英国海軍の提督・ネルソンについて
よく対談やエッセイなどで
取り上げていらっしゃいました。

そしてなんと、
この方についても…!

”ラム酒”をめぐる逸話
が残されています。


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    … 糖分の化学式と、その連結したイメージ。
     酵母菌は、この連結を説いてエタノールと二酸化炭素に分解します。 …



”I've done my duty.”


ネルソンの、この最期の言葉を司馬さんは好んで引用されていましたが

連戦連勝、破竹の勢いだったナポレオンに待ったをかけたこの戦い、
トラファルガーで戦死したネルソン提督の遺体は
腐敗を防ぐため、ラムの樽に漬けてイギリスに運ばれたと伝えられています。

そのラムがダーク・ラムであったため、以降ダーク・ラムのことを
「ネルソンの血」と呼ぶようになりました。

いや、あれは
ラムではない!
ブランデーだったはずだ!

…という説もあるそうですが、

ともかくブランデーは
"Nelson's blood"と
呼ばれることはないですね(笑)

ラム酒は
色によって分類名があり

ホワイトは無色、
ゴールドは薄い褐色、
ダークが濃い褐色。

他に香りや、
原料による分類もあります。




ラム酒の醸造は、サトウキビの糖蜜と水の純粋な酵母発酵によるもの。

それを連続式蒸留器で蒸留して、高濃度に濃縮されたエタノールが”ラム酒”です。

内側を焦がした樽と、そうでない樽、
蒸留ののちにそのいずれの樽で、どれくらいの期間熟成させるかで
ラム酒の”色”や風味が変わってくるのだそうで

濃い褐色のダーク・ラムは発酵に際し
糖蜜にサトウキビの搾りかす、蒸留残液なども加えて
樽のタイプは内側を焦がしたオーク製、熟成期間は3年以上だとか。


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第二次世界大戦後のイタリア
ヴェニスを舞台にしたヘミングウェイの小説中で、
主人公がマティーニのことを
不思議なニックネームで呼んで注文するシーンがあります。

これは15:1のハードなマティーニ。

例の、オラニエ公ウィレムが1689年にイギリスに持ち込んだ”ジン”の水割りですが

アフリカ戦線の連合軍総司令官にちなんでいて、
ドイツ軍との戦力比が15対1云々、という彼の作戦上の数字から
この種のマティーニを”モンゴメリー将軍”と呼ぶのだそうです。

歴史上の有名人からとった別名が多いのも
カクテルの特徴なんですね…☆


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色鮮やかなカクテル。

ラム酒、ジン、ウォッカと、テキーラが入った”ストロベリー・ティー”もそうですが

カクテルにブレンドされたそれぞれのお酒、
その語る歴史に耳を傾けてみると
美しいカクテルに、また1つ違った魅力が加わる気がしますね。

私の場合、強いお酒はほぼ飲めませんが…(笑)。

イギリスでは
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのおかげでブームとなり
ダーク・ラムの消費が非常に好調な数字を叩き出しているそうですが
”Cuba Libre”もその売り上げに貢献したでしょうか?

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今回、新鮮な発見がいくつもありましたが
カクテルについて調べていて度々お目にかかったのが
その名も『Cocktail(カクテル)』、トム・クルーズ主演の映画(1988年)でした。

作品中に登場していたカクテルの名前と
そこにブレンドされている”蒸留酒”の名前を挙げながら

そして、イングランドの覇権により世界を制した”英語”…
その”方言”の中でも思いっきりクセの強い”アメリカ英語”、
それもかなりイマドキの若者風”ファンキー・イングリッシュ”で歌ってみた1曲を
ご愛嬌として添えまして(笑)

ここで本日の結びといたします☆




    … ヒラリー・ダフ『Reach Out』 …

1度リアーナ風・”カリブ訛り”に挑戦しましたが、さすがに無理でした(笑)



Vodka and Rose's  
ジン or ウォッカ
   +
  ライム・ジュース
    +
  シロップ

Gilbey's and tonic
 Gilvey は
 英国産ジンの銘柄

Velvet Hammer  
  コーヒー
  ・リキュール
   +
  生クリーム

Bloody mary
 ウォッカ
  +
 トマト・ジュース
  +
 レモン

Friar Tuck 
ヘーゼルナッツ
・リキュール
+
ブランデー
+
レモンなど

Ding-a-ling     … レモン・ソーダ + ウォッカ + α?

Dirty Mother    … ブランデー + カルーア[コーヒー・リキュール]


新米バーテンダー役のトム・クルーズが
お客の矢継ぎ早に発するオーダーにてんてこまいになるシーン、

カナダ産ビール"Molson"や
米産バーボン・ウイスキー"Jim Beam"
そしてジェイさんのお写真にあったウォッカ・"Absolut"のオンザ・ロックも、
オーダーされていましたよ…☆




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