ジクサー150を中古で購入した時からタンクの中に錆があり、ずっと気になっていました。写真は現在の状態です。購入した時より錆は進行しているようです。
購入直後にタンクの錆取りをやろうとモノタロウのタンク錆取りクリーナーを買っていたのですが、ずっと実施しておらずもう2年近くが経過してしまいました。
この夏ロングツーリングばかり行っていて整備がおろそかになっています。そろそろ大きめの整備をするかと、まずはタンクの錆取りから着手することにしました。
まず外装を全部外してタンクを外します。タンクの六角ネジはなめやすいので注意が必要です。
タンクを取り外す時、どうやって外すかわかりにくいコネクタが3つあるので紹介します。
(1) スロットルボディにつながるガソリンホースのコネクタ
写真のようにニードルをつっこみグレーの部分を上下に広げてから向こう側に押しずらし、その後向こう側からグレー部分を完全に引っこ抜きます。
(2) ガソリンホースの反対にあるコネクタ
上下にあるボタンみたいなものがあるので、その両方を押すことで内部が開きます。その状態で引っこ抜けば取り外すことができます。
(3) 燃料ポンプにつなぐ電源コネクタ
赤矢印の所を押しながら引っこ抜きます。タンクを持ち上げ、下から覗きながらはずす作業を行うのでコネクタの全体像が見えませんので注意です。
タンクを取り外したあとでタンクに残っているガソリンは灯油用ポンプで自動車のタンクに移しました。直接入れてしまいましたが、今考えますと錆の粉が入らないように濾した方がよかったと思います。
タンクの底も結構錆びていました。ここは後日錆チェンジャーを塗る予定です。タンクカバーのあるバイクはタンク自体適当に処理しても目立たないので助かります。
次に5本のボルトを外して燃料ポンプを外します。
燃料ポンプを外してみると、げげ、何だこの茶色の液体は。またタンクの中にはガソリンと茶色い液体(20ccぐらい)が分離した状態で入っていました。この液体なんだろう。ガソリンは親油性なので錆色の水なのかな。思ったより酷くて嫌な予感。
まずタンクに残っていた内容液(100ccぐらい)をペーパータオルで吸い取りました。
燃料ポンプも茶色で汚かったのですが拭いたらこんな感じに綺麗になりました。
#汚い状態の燃料ポンプの写真を撮り忘れました。
さて燃料ポンプ内のフィルターはどうか。分解してみました。全部白色のはずがこんな色になっていました。ひえー、錆で酷い。フィルターは抹茶色になりフィルターの外側に錆の粉がこびりついています。
とりあえず内部およびフィルターをパーツクリーナーで全部掃除にしました。フィルターは交換しなくても使えるのかな。今まで問題なく燃料が供給できていたことを考えるとこのままでも問題ないはずだ。フィルターは4000円ぐらいするので今回は再利用することにしました。
#中古の燃料ポンプが安いのでそれを買い使おうかうとも思いましたが、外見が綺麗でも開けてびっくりパターンになりそうなのでやめました。
しばらく写真を撮るのを忘れました。
次にタンク内の掃除です。まずタンクに中性洗剤と水を1/3ぐらい入れて振り回し攪拌してしばらく放置してから排水し水ですすぎます。次に燃料ポンプの穴から真鍮ブラシを突っ込んでできる限りタンクの内側の錆をこすり取ります。また燃料投入口の錆も真鍮ブラシで擦り取りました。そして燃料ポンプの穴から指を突っ込んで付近の錆でザラザラしているものを掻きとり、タンク内に残っているザビの粉を磁石で吸い付けて取り出しました。そして最後にしっかりとゆすぎます。
準備ができましたので、燃料ポンプの穴をゴムシートで塞ぎます。
最初は少し垂れましたが、何度か取り外しているうちに漏れなくなりました。
そしてモノタロウのタンク錆取りクリーナーを10倍ぐらいに希釈して50度ぐらいにして給油口一杯まで入れ、衣装ケースに入れました。しかし蓋が閉まらないのでビニール袋をかぶせて温室のようにセットしました。これで直射日光のあたる場所に置いておきます。
4時間経過した時の給油口の状態です。錆の茶色の色がグレーに変わっていました。
給油口の外側も錆びているので、その後、左側の穴を水抜き穴を塞いで給油口の周辺まで溶液を満たすことにしました。
待っている間に他の整備(以下)を実施しました。
・フレーム錆止め
・フロントブレーキのピストンの揉み出し
可動部にベルハンマーを使ってよいと書かれていたので使ってみました。
・サイドスタンド
・スピードセンサー掃除
説明書きは3~24時間放置ですが48時間放置しました。すっかり綺麗になりました(燃料ポンプ側から)。
しかし奥の方を覗くと燃料キャップの裏付近がダメでした。溶液が浸かっていなかったようです。タンクをひっくり返したさらに6時間行いました。
以後、写真はありません。
そして水洗い後、新しい錆取りクリーナー1Lでタンク内部をリンスしたあと排出。
泡が少し残っていますがそのままドライヤーで乾燥させました(5分程度)。
あとは燃料タンクを一旦組み立て、ガソリンが漏れないかチェックします。
燃料ポンプの5つのボルトの締付トルクは10N・mです。
ここで自動車の燃料タンクからガソリンを吸い出して入れようとしましたが管が入っていきません。今の自動車は管が入らないようにできているのかな。
しかたないのでタンクだけをガソリンスタンドに持っていき、携行缶扱いで2L給油してもらいました。
半日後、ガソリン漏れはないようなのでバイクに装着後エンジン始動のテストです。
セルスイッチ3~4秒ぐらいでエンジンがかかりました。燃料ポンプ・フィルタの汚れは問題ないようです。一安心です。その後、外装も装着して本作業は完了しました。
タンクセンターカバーのボルト(2本)の締付トルクは5.5N・mです。
タンクサイドカバーのボルト(10本)の締付トルクは3N・mです。
その他のボルトは10N・mです。
ガソリンホースは中途半端に装着すると引っ張るだけで抜けてしまいますので、しっかり奥まで突っ込んでからロックする必要があります。
おわりに
・タンク内の錆は全部消え満足のいく仕上がりになりました。
・私ぐらいの錆の状態ならつけ起きは半日ぐらいで良いようです。
・作業は面倒ですね。結局3日程度かかってしまいました。つけ起きが半日で良いなら2日で終わりそうです。
・燃料ポンプ式のタンクの場合、燃料ポンプを装着している穴からいろいろ錆取り作業ができると思っていましたが、思ったより径は小さくほとんど何もできません。
・給油口から高圧洗浄機の高圧水を入れようと思いましたが、ジクサー150の場合、給油口に障害物がいろいろあるのでやらない方がいいと思います。
・今回の作業、あまりお金をかけたくなかったので、錆取りクリーナーと廃液保存用ポリタンクとゴムシートを買った以外手持ちのものでどうにか対処しました。
・狭いところで作業していたので誤ってリヤ左側のウインカーを折ってしまいました。これはテープで補修する程度で当面は使っていこうと思います。
#2022.10.15追記
#錆取り後、乗車してみたところエンジン警告灯が点灯していることに気づきました。
#エンジンをかけ直しても点灯しっぱなし。5kmほど走行後に消灯しました。
#それから70kmほど走行してみましたが特に問題ありません。
#故障コードを読むツールがないので何だったかわかりせんが、
#まあ消灯したということは問題ないのでしょう。