モンスター・ラボ 社長ブログ -7ページ目

モンスター・ラボ 社長ブログ

音楽配信サービス、インターネット有線放送、Webサービス・アプリ開発等を行っています。アジアを中心とした海外へも積極展開します。

2月3日にmonstar.fm のトップページ(リスナー登録している人にとってはマイページ)をリリースしましたが、早速色んな反響がとどきました。

まずはジャケット検索が目に付くようで、視覚的にもキャッチーですごくいいという意見をもらいました。本当に嬉しいです。あとは新着カラーについても、これまでとちょっと変わった見せ方をしているので面白いという意見が多かったですね。

そして「何これ?」と思わせたのが、想定どおりではあったんですが、トップページ(またはマイページ)の右下にある「音さたランキング」です。音さたとは、漢字で"音沙汰"と書き、"音沙汰なし"つまり久しく連絡を取り合ってない間柄に使う言葉です。

monstar.fm で使っている"音さた"とは試聴されてない楽曲を指し、"音さたランキング"という言葉は、最後に聞かれてから最も時間の経った曲から順に表示するというランキングになります。このランキングを見て誰かがその楽曲を聴けば、その時点でその楽曲は最近聞かれたことなるのでもう暫くはその楽曲はランキングには登場しないことになります。その結果、次々と別の楽曲がこのランキングの上位に入れ替わって登場することになります。

つまりこのランキングは通常のランキングとは全くことなり、ロングテールを促進する為のランキングなのです。通常のランキングでは、その表示結果によって多くのユーザーが順位付けされた上位コンテンツから見るため、売れるモノはさらに売れ売れないモノはさらに売れなくなるという結果を生み出します。しかしこの「音さたランキング」では、聞かれた楽曲はランキングから外れて入れ替わっていくので、むしろその偏りををよりなだらかな方向へと中和してくれる存在になっていきます。

ただし、誤解されたくないのは、僕達は別にどの楽曲も同様に素晴らしく皆に気に入ってもらいたいと思っているわけではないということです。
一度リスナーの耳に届きさえすれば、そこから先は音楽そのものの勝負であり、アーティストの作り出す音、思いがリスナーに響くかどうかという話で、僕達がどうこう言う部分ではないと思ってます。逆に言えば、一度も聞いてもらえなかったらそれは土俵にすら立たせてもらってないことになるので、その機会はできるだけ増やしたいと思っています。

そんなわけで、多分世界で初めての「音さたランキング」をお楽しみください~。色んな音楽がありますよ。

今日、monstar.fm のトップページ&リスナーマイページをリニューアルしました!
非常に短い開発期間でしたが、社内のみんなの頑張りで何とかリリースできました。久しぶりの大きな変更で、一層楽しいサイトになってきたと思っています。しかも今日は会社創立記念日(ちょうど一年前に設立)でもあるという、めでたい日となりました。

リニューアルはこんな内容になってます。

◆ジャケットマップ
各ページの検索バーにある「ジャケットマップ」をクリックしてみてください!
monstar.fm にある全アルバムのジャケットが一覧表示されます。さらに個別のジャケットをクリックすれば、そのアルバムの紹介文等が見れるようになっています。
こうしてジャケットが並んでいるのを見るだけでもすごくわくわくしてきます。

◆トップページ&リスナーマイページ
こちらもページ内に色んな機能が加わり、とても楽しいサイトになってます!とにかく見てもらって色々と触ってみてもらうのがいいと思います。機能で言えば以下の機能が追加になったものです。
・個々のリスナーに合った音楽のリコメンデーション(マイページ)
・無料ダウンロード楽曲の配信
・新着プロモーションビデオの視聴
・新着カラー、キーワード、コメントの閲覧
・音さたランキング

是非、見てみてください!
http://monstar.fm

それぞれどんなサービスを意図しているのか、なんて話はまた明日にでも書きたいと思います。
取り急ぎの報告でした!
MIDEM@カンヌからの帰りにアムステルダムの友人宅に宿泊させてもらい、ゴッホ美術館などに行ってきました。という話はまたしますが、今日は僕の大好きな漫画『セクシーボイスアンドロボ』がドラマ化するそうなのでその話題です。
黒田 硫黄
セクシーボイスアンドロボ 2 (2)

※記事はこちら
http://www.ntv.co.jp/sexyvoice/

黒田硫黄という大好きな漫画家の作品なんですが、これはその中でも僕の一番好きな作品で、何とも言えない切なさと躍動感とが広がっています。ちなみに前にブログで書いたぷーさんカレーに置いてあります。ここは漫画のセレクションでもすごいセンスの良いカレー屋なんですよ。

しかしこの漫画、多分知ってる人はすごく少ないと思います。そしてその自分が好きなレアなものが世間に認められて大勢の人に露出する(今回の場合はドラマ化されること)というのは、嬉しくもあり少し残念なことでもあります。きっと有名になる前のアーティストが本当に好きなコアなファンというのは、そのアーティストを応援してビッグになって欲しい、何でこのアーティストが受け入れられないんだろうといった気持ちを持ちつつも、自分だけのスターでいて欲しい、皆にとってのスターになって欲しくは無いという相反する2つの願望を持っているものだと思います。

僕も少しそんな心境になったわけですが、今回の場合は、ドラマが原作を超えるということが原作が好きなほどにあり得ないことだと思っていることも影響しているとは思います。ドラマ化された後に「セクシーボイスアンドロボが好きだ」と言えば、それは今の知られて無い状況で同じことを言うのとでは受け止められ方も異なってしまうことは明確で、そこにはどうしても違和感を感じてしまします。

このサイトを見るとまだ主人公のニコ(女の子)が決まっていないので、それが誰になるのかという違った楽しみはありますね。ちなみにロボ役はちょっと普通の男前な青年になってしまって残念です。できればキャイーンのウドちゃんぐらいにやってもらいたかったです。
MIDEMでの写真を載せます。

外から見た会場です。中に入ると意外と広くて、色んなカンファレンスルーム、ライブできる会場があったりします。
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そして各社のブースがある会場はこんな感じになってます。会場は広いところもあれば狭い通路もあり、何百とブースがあります。
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こちらは日本のブースです。いくつかのレーベルがここでまとめて紹介されてます。
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こちらはUKミュージックのブース。レーベルによっては個別にブース出してるとこも多数あります。
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ジャマイカのブース。「ジャマイカ=レゲエ」ってのがわかりやすくていいですね。国としてそういうイメージが強いというのはそれだけで強いブランドになってる気がします。
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こちらは軽食できたり休憩できたりする場所です。
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MIDEMはカンヌで開催されてましたが、会場のちょっと外はこんなビーチが広がってます。夏はいいリゾート地です。
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そしてMIDEMも終わり、アムステルダム経由で帰国します~。
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また日本からも継続的に情報発信していきたいと思います!近々、monstar.fmもトップページなど大きくリニューアル予定なのでお楽しみに。
MIDEMも終盤に差し掛かってきた1月23日の夜には、HIPHOPとレゲエアーティストのライブを観ました。どちらもすごいノリで、特にレゲエライブは会場の外にも人が溢れ、アーティストが聴衆をノリに乗せて盛り上がってました。楽しかったですー。

一枚だけ撮った写真(レゲエライブ)です。
jamaika

そこで本題なんですが、HIPHOP系のあるアーティストがパフォーマンスを終えた時に、会場に向かってMySpaceでの自分達のサイトアドレスを叫んでました。自分達の公式サイトでもなくiTunesでもなく、MySpaceだったわけですが、このことが今の音楽プロモーションの現実を当に表していると感じました。

自分達の公式サイトを見に来てもらったり、iTunesで曲を買ってもらうことももちろんリスナーに望むことだとは思うのですが、マイスペースではライブの感想を書いたり写真を載せたり、非常に幅広い表現方法でそのアーティストやライブの盛り上がりを伝えることができます。そしてその場にいたリスナーがそういう表現活動をしてくれれば、マイスペースの他のユーザーへの波及効果が期待できます。

そのアーティストがそこまで打算的に発言をしていたわけではないとは思いますが、少なくともアーティストとリスナーをつなぐ場として重要視しているのは間違いないでしょう。

テレビなどのマスメディアに出れるアーティストは限られており、メジャーレコード会社に所属しなければなかなか露出することはできません。インディーミュージシャンと言えばニッチなイメージがあるかもしれませんが、実際は数で言えば世界の99%以上の音楽はインディーズです。セミナーでもあるパネラーが言っていましたが、インディー音楽とはつまり世界の音楽である、と言えます。

その状況とインターネットでの表現の自由を考えれば、マイスペースのような場が彼らのプロモーションの場になってくるのは当然だと思います。

色々とセッションを聞いたりブースを回ったりしましたが、このことが最も今の時代を感じた瞬間でした。

ちなみに、今はMIDEMは従来のMIDEMとインターネットでの音楽ビジネスとしてのMIDEM NETをカテゴリとして分けていますが、インターネットを切り離して音楽ビジネスを語ることができなくなってきている中で、この2つを分けて考えることは意味がなくなってきています。ということで、来年ぐらいからはMIDEM NETはなくなるかもしれません。ちょうど、タワーレコード等でインディーズというコーナーが無くなった様に。

こっちに来てもう4日目ですが、いつも早朝に日本は夕方なので連絡を取りながら仕事をして、9時頃にMIDEMへ参加し、昼休みにホテルに戻ってまた仕事、そして午後からまたセッションを受けたり各社のブースを周り、夜は夜で色んなレーベルが主催している音楽イベントに出かけるという、非常に忙しく充実した毎日を送っています。


MIDEM Netの2日目は、①携帯での音楽配信について、②音楽配信に伴うライセンス(著作権管理など)の問題について、それに関連して③DRM(Digital Rights Managementというファイルのコピー防止の仕組み)が必要かどうかというパネルディスカッション、そして④日本を含むアジアでの音楽ビジネスの可能性についてのセッションなどが行われました。


簡単ですが気になった点と僕の意見(一部)を載せたいと思います。個々のトピックが大きいので自分の意見についてはまた今後のブログで紹介していきたいと思います。


◆携帯での音楽配信について

日本では携帯で着メロ、着うたをダウンロードする人は非常に多く、他国に比べて携帯会社が日本メーカーに偏っているので数値としては参考程度ですが、グローバルで携帯を使っている人の中で着信音を自分の好きなように変えたいと思っている人は51%もいるようです。ただし、実際にお金を払って好きな曲に変えている人は13%だそうです。


その差が何かしらのバリアになっているわけですが、不満の原因を調査した結果によると、1位は使い勝手、2位は保存の方法(携帯を換えた場合に使い続けられるか等)そして3位が値段、楽曲のクオリティや数についてはそれ以下ということでした。


アーティストからすると音質などは一番気にするところかと思いますが、携帯の場合はそもそもクオリティについては限界があることをユーザーは納得していて、むしろ使い勝手を気にしているというのが実態のようです。最近、アップルからiPhoneが発表されましたが、これが携帯とオーディオプレイヤーの融合をさらに推し進め、使い勝手については継続的に改善されていくだろうと思います。


◆音楽配信に伴うライセンス問題について

こちらは非常に問題が複雑で簡単にはいかない部分だと思います。音楽業界にとって近年の環境の変化はかつて経験したことの無い程のものだと思います。大きな変化として、①CDからデジタル化が急速進んでいること、②音楽のビジネスモデルが多様化してきているということ(アルバム単位販売、楽曲単位ダウンロード、サブスクリプション、広告モデル等)、③インターネットによって簡単に世界で販売ができること等があります。


しかも国によって、著作権管理団体によって著作権管理の考え方が異なるため、ディストリビューター/配信会社などもそれらに対応していくのは大変になってきています。インターネットの世界にはそもそも物理的な国境はなく、あるサイトから世界中の国の人が楽曲を購入することができるわけですが、法的にはそう簡単にいかないわけです。


ダウンロードについてはそれでも課金の方法が明確なので、ダウンロード単位で著作権料などをカウントすればいいですが、サブスクリプション(定額制)は最近出てきたモデルですし、YouTubeやMySpaceについては対策(対応すべきかどうかも含めて)が決まっていない状況で、今後もこれらの問題については検討が続けられると思います。オーディエンスからの質問はこういったテーマに集中するのですが、答える方は問題の大きさは認識しているが今後進めていくとしか答えられないとうのが現状です。


◆DRMの必要性について

iTunes Music Storeに次いで世界2位の音楽配信サイトは、ご存知の方もいるかもしれませんがeMusic(http://www.emusic.com)というサイトです。ここのサイトは全てMP3で楽曲が販売されており、その為メジャーレコード会社の楽曲は一切配信されてません。このeMusicの人がパネルで話していたのが、我々monstar.fmがMP3を採用している理由と全く同じでした。彼は「DRMが必要かどうかは最大のテーマではない。大切なのは顧客を満足させることだ。DRMによって75%もシェアのあるiPodユーザーに楽曲を届けることができない。リスナーは無料で聴きたいと思っているのではなく、全てのプレイヤーで再生できるようにすることを望んでいるのだ」と言っていました。その後の様々なセッションを聞いていても必ず出てくるのは、アップルがDRMの仕様を公開しないことによって、ハードウェア(iPod)のシェアをリテール(iTunes Music Store)でも実現してしまっているという問題でした。まあこれが誰にとって本当に問題なのかは良く考える必要があると思いますが、音楽配信会社だけでなく、レーベルにとっても足枷にはなっているようです。


あるパネラーは、コンピュータ業界でWindowsやIntelというデファクトを作った企業が現れたように、オープンプラットフォームで標準となる技術を作り上げることをテクノロジー会社(音楽配信をしている通信会社など)が作り上げなかったのが最大の問題だといったような発言をしていました。逆に言えばそれを実施できるのは今のところアップルだけということになってしましますが、MicrosoftがZune(iPodに対抗するポータブルオーディオプレイヤー)を市場に出して、DRMを公開しつつも垂直統合型のビジネスモデルを作り上げようとしているので、ここに競争原理が働くと将来は変わってくるかもしれません。僕もアップルのブランド、デザインは好きですが、DRMの仕様についてはアップルが公開するか、iPodでも再生できる新しいDRMが開発されるか何とかして欲しいと願っている1人です。


◆アジアでの音楽ビジネスの可能性について

中国、韓国、日本(Avex)のパネラーによるディスカッションがありました。世界中のレーベル、ディストリビューターにとってアジアのマーケットは非常に大きな期待をしているようです。残念ながらアジアのコンテンツを欧米で売るという方向への感心は低いですが。


音楽配信について、ざっくり言えば中国と日本は9割以上が携帯向けサイト(着うた、着メロ)になってます。特に中国ではブロードバンドよりも携帯電話の方が広がったこともあって日本よりも携帯に集中していて、音楽配信市場の97%ぐらいが携帯サイトのようです。その中でも90%以上は中国のアーティストが占めており、海外のアーティストで売れるケースは殆どないようです。これは日本も含めた3国の特長だと思いますが、音楽を聴く年齢層が相対的に非常に若く、その結果、国内のポップス・ロックを聴く人が多いように思います。若者にとっては自分達と同世代のスター・アイドルに対する憧れ、またはもっと同じ目線での共感のようなものがあるのかもしれません。ただし、興味がないのではなく情報が不足しているという意見で、時間をかけて中国に来てコンサートやプロモーションをやっていくような努力をすれば可能性があるということでした。


***

ということで、インプットが多いので長文になってしまいすいませんでした。トピックが多いので今後も自分達の考え方も含めてまた公開していきたいと思います。

僕は人前で写真を撮るのが好きじゃないんですが、色んな人から写真を載せて欲しいというリクエストがあったので少しですが写真とってきました。

前にフランス人から、日本人はどこ言っても写真を撮ってるのを見るが、写真を撮るために観光してるんじゃないかって僕のことではないですが馬鹿にされたことがあって、トラウマになってるのかもしれません。

というわけで、MIDEMの会場の入り口です。
ナップスターはMIDEM Netのスポンサーです。
入り口

参加者に配られる鞄もナップスターでした。


こちらも入り口付近の様子です。そんなに大きな入り口ではないです。
入り口2

こちらはカンファレンスの様子です。
カンファレンス

カンファレンス2
と言っても暗くてあまり見えないかもしれませんね。そんなに大きくないカンファレンスルームがこの会場に10ヶ所ぐらいあって、小さいとこまで含めると3~5ヶ所ぐらいでカンファレンス、ワークショップなどが開催されています。※ブースの様子はまた後日アップします。

そして夕方になると何故か入り口付近でコスプレ(?)パフォーマンスが始まっています。夜開催されるコンサートのフライヤーを配っているようです。
コスプレ?

夜になると色んなコンサートイベントが開催されるんですが、昨日(22日)はなんと小野リサを含む日本のアーティストのイベントJAPAN NIGHTSがあり覘いてきました。何故か女性アーティストが多かったですね。

こちらはMarieさんです。
アーティスト1

こちらはKanonさん。
アーティスト2

そして小野リサさんです。期待以上の素敵な声と曲でした。
小野リサ1

こんな近くでライブを観れるのはこういうところに来たからこその特権ですね。
小野リサ2

というわけで、仕事している(楽しんでる?)様子がわかってもらえたでしょうか。

昨日のブログ書いたように、20日はMIDEMの中でもデジタル音楽に特化したMIDEM Netのカンファレンスが開催されました。僕は飛行機の遅延によって残念ながら後半だけの参加になりましたが、RealNetworksのCEOであるBob Claserや、ロングテールの提唱者である米国ワイアード誌の編集長であるクリス・アンダーソンの話など聞くことができました。


RealNetworksは、ストリーミング配信によるインターネットラジオ(ラプソディ)と今のナップスターのような定額制のサブスクリプションモデルをかなり早い時期から初めていたので有名ですが、最近はiTunesを始めとしてその他の大手企業に比べて押され気味な印象を受けます。そんな彼の主張で印象的だったのは、これからは課金の方法を含むビジネスモデル、音楽を聞く場面・デバイスが多様化していく中で、どこか1つのモデル(iTunes Music Store等)が全てを網羅した提供の仕方をするということは無く、サービス提供側の企業も多様化してくるということでした。もちろん、アーティスト・レーベルの数も増えていき、コンテンツの種類も多様になっていくということです。


また、クリス・アンダーソンは、音楽ビジネスが無料サイト等によって小さくなっている、このまま音楽の価格はゼロに近づくのではないかという主張に対し、「音楽ビジネスはもっと広い範囲で定義されるべきである」と主張しています。CD等のパッケージ、ダウンロード配信、ライブイベント、そしてマイスペース(世界最大のソーシャルネットワーキングサイト)等で音楽が含まれることによる広告料等の経済効果等も含めて音楽ビジネスだということです。
クリス・アンダーソンが著書「ロングテール」の中で主張しているように、音楽の製造(プロダクション)や流通コストが下がることで、アーティスト・音楽コンテンツの数は飛躍的に増加し、需給バランスによって価格は下がり無料コンテンツは増えるでしょう。しかし、全ての音楽コンテンツが無料になることはもちろん無く、提供者側にも消費者側にも選択するビジネスモデル、価格体系、そして音楽コンテンツが多様になっていくことが重要であり、それ自体は喜ばしいことだという主張です。


その後に行われたロングテールをテーマにしたパネルディスカッションでは、ロングテールの鍵を握ると我々が思っているマッチングの話で盛り上がっていました。やはり無数にコンテンツが増えていったときに、どういう形でそれをリスナーへ届けるのか、そのインターフェース、工夫の仕方が重要だということです。それはSNSのようなコミュニティかもしれないし、他のリスナーのプレイリストかもしれないし、高度なリコメンデーションかもしれません。リコメンデーションエンジンを開発しているMyStands(スペイン企業)のCEOであるDr Francisco J. Martinは、ユーザーの多様な行動を解析したリコメンデーションが重要であり、コンピュータで解析する部分と人間が判断する部分の両方の組み合わせになっていくという主張もありました。


しかし、考えてみるとMIDEM Netには、Pandra、Last.fm、MySpaceといった新しいモデルを開拓した企業の名前がありません。このような、既存の音楽業界の関係者が一同に集まるイベントに既存のモデルをむしろ破壊した企業が入っていないというのはもちろん頭では納得できるのですが、やはりそういったプレイヤー抜きに将来を語るというのも残念であるという気がしました。ちなみみAppleもMIDEMには参加していないようです。業界のトップ企業はこういったイベントに参加しないという傾向もある気がしますが、それ以上にAppleが独自のブランディングを重視していることが原因のような気もします。


最後に、「バーチャルワールドとリアルマネー」というセッションがあったのですが、その中で、インターネットでのコミュニティが、SNS型に進化し、さらにはMMOGsとう3Dゲームのような形に進化していっているという話がありました。この中で最近よく語られる「セカンド・ライフ(http://secondlife.com/ )」と「スタードール(http://www.stardoll.com/ )」のデモがあったのですが、セカンドライフでは如何に様々な場面で音楽が使用されているかが良く分かりました。バーチャルの部屋の中で音楽をかけたり、クラブのような場所があったり確かに様々な場面で音楽が使われています。また、スタードールでは、バーチャル上での自分の部屋のデコレーションをしたり洋服を買ったりしており、世界中の10代のガールに受けているようです。このSNSやMMOGsの特長は、ユーザーの滞在時間の長さにあります。平均的なユーザーで、1週間に20~25時間を使っているようです。テレビの平均視聴時間が1週間で6~8時間ということを考えると確かに非常に長い時間という感じがします。


そしてこのカンファレンスに参加して強く感じたことの1つは、改めて世界の共通語が英語になり、様々なサービスがグローバルで使われているということです。スタードールはスウェーデンの会社ですが、北米、ヨーロッパ、アジアでもバランス良くユーザーがいるようです。その点、日本では全て独自のサービスが登場し、マイスペースなどのサービスが定着しませんし、逆に日本発で世界で使われるサービスも生まれてません。コンテンツそのものという意味ではゲームやアニメなど世界で人気のあるコンテンツも登場していますが、ウェブのビジネスモデル、ウェブサイトでなかなか出てこないのは言語の問題が大きい気がします。


取り留めの無い話になりましたが、1日目の簡単な報告でした。

今日(20日)から実は、フランスのカンヌで開催される音楽ビジネスのイベント、MIDEM(ミデム)に参加しています。19日の昼に成田空港を経ちアムステルダム経由でカンヌ最寄の空港があるニースへ到着するはずだったんですが、何とアムステルダム行きが天候悪化により欠航となり、半日遅れて19日の夜の便でパリ経由でカンヌまでやってきました。その為、20日に参加するはずだったセッションは午後の部からとなりました。

MIDEMとは、映画祭で有名なカンヌのフェスティバルホールで開催されている音楽ビジネスのイベントで、1週間もかけて多くの音楽関連企業の人や著名人が大ホールで公演をしたり、何百という会社がブースを出して自社のアピールをし商談が行われたりします。また、アーティストによるコンサートも同会場で多数開催されます。一言で言えば、世界の音楽を取り巻く企業にどういう企業があり、その環境がどう変化していっているかという全体像が俯瞰できるイベントだと思っています。参加企業には、レコード会社・レーベル、プロダクション、アグリゲーター(音楽楽曲等を集めて小売業者に卸す企業)、ディストリビューター(タワレコやナップスター等の配信業者)、ソリューションプロバイダー等(Docomoなどのインフラ事業者等)が多数あります。

話しを少し戻しますが、ニースに着くとMIDEM参加者の送迎をする人達が待ち構え、僕はバスでカンヌへ向かったのですが、途中の道でもMIDEMのロゴの入った車が多数横を通り抜けていきました。ホテルへ着いて会場付近へ行くと、ナップスターのロゴの入った鞄を肩に下げ、首には参加証をかけた人達が見えてきます。今年はMIDEMが"MIDEM Net"(主にデジタル配信)と"MIDEM"(従来の音楽ビジネス)に分かれており、20日はMIDEM NetからのスタートでメインのMIDEMの方は21日スタートでしたが、今の音楽ビジネスの環境の変化からするとMIDEM Netの方も相当盛り上がるかと僕は思っていました。しかし、カンファレンス会場は来る途中にいた人数に比べて思ったよりも少ない感じだったので、やっぱり従来のMIDEMに備えてブースの準備等で会場入りしている人達がたくさんいたのではないかと思います。

僕はソフトウェア業界にいたときに、サンフランシスコで開催されるプログラマーのイベントJavaOneに2000年春に参加しましたが、当時はネットバブル前で一番インターネットが盛り上がっている頃だったということもあり本当に凄い参加者数と会場の盛り上がりでした。街にはJavaOneの旗があちこちにあり、アメリカ人が好きなこともあってかJavaOneの旗を立てて走るハーレー集団やセスナ機まで飛んでました。そのイベントが何となく頭に比較対象としてあったため、正直「こんなものか」という印象を受けましたが、考えてみると、ソフトウェア業界は日本で身近な人達の中でも相当な数の友人が携わっている人がいるのに対して、音楽業界になると非常に少ない数になります。実際に数値で経済規模を見るとかなり違うのだと思うのですが、そういう業界の規模を感じるというのも、こういうリアルのカンファレンスならではのことだと思います。

セッションもJavaOneでは何ヶ所にも分かれて同時進行していたのに対し、MIDEMでは基本的に1ヵ所で入れ替わり開催されます。まあ参加する方としては考えることが少なくて楽ではあります。
とは言え、20日はMIDEM参加企業のブース等が出ていなかったので21日に受ける印象はまた違うかもしれません。受け取ったMIDEMガイドブックには相当な数の企業がリスト化されています。各社が出すブースでの様子はまた追ってレポートすることにします。

ということで、明日(21日)は20日のMIDEM Netのレポートをしますのでお楽しみに。

今日はギターを持ってまだ半年という友人ロッカーのライブを見に行きました。 技術は全く追いついてない。しかし、彼女の声、振り、全身から発せられるパワーはロックの最も大切な要素である“初期衝動”を持っていました。約15年ぐらい前にパンクを聞いて味わった衝動を思い出させてくれて、自分にとっては少し照れる部分もありつつ、それを超えて心に刺さるライブでした。 僕にはステージで彼女が自分自身と闘っているように見え、そして僕自身もそんな彼女を見ていてもし僕が彼女の立場だったらと思いながら手に汗握るものがあり、それがいつの間にか彼女のパワーの中に引きずり込まれて消化されていったような気分でした。 すごく自分を追い込んでライブしているように見えましたが、ギリギリの勝負の中で押しつぶされることなく、自分にもその場の空気にも弦が切れるというトラブルにも負けなかった彼女のパワーはロックを感じさせるものでした。 もしかしたらこの時期だからこそ見れた「ライブ」だったような気もしますが、彼女ならこれからも魅せてくれるだろうとも思ったのでした。