8月16日 | monroewalk2ndさんのブログ

8月16日


都会の街中を走る電車は僕の好きな景色です。

ここは中央本線の大曽根駅から千種駅に向かう豊年町の辺りです。


どんなに小さい電車でも電車はどこか、ここではない場所に行くというかすかな夢、期待を持たせてくれる。

窓を開けると電車が見える、電車が走ると部屋が震えるような狭くて貧しいアパートのなかで、行き場のない恋愛地獄に窒息しそうになっている男と女にとっては、かろうじて心の支えになるかもしれない。などと自分には全く縁のないことを想像してみる。これはおそらく日活ロマンポルノの見過である。

部屋の外から聞こえてくる電車の走る音は、追い詰められた者には瞬時の慰藉にもなるだろう。

「魔性の香り」という僕の好きな日活ロマンポルノ作品があります。

雨の東京湾に身を投げた女を通りすがりの男が助ける。その2人は狭いマンションで同棲を始める。ある日、周辺で殺人事件が起きるが、男は女にあらぬ殺人犯の嫌疑をかける。女は行き場を失い雨の中、マンションから飛び降りる。という物語。主演は70年代前半のスーパーアイドル天地真理、相手役はジョニー大倉です。人気が無くなりブラウン管から消えた天地真理が裸で起死回生を図った作品です。他にも伊藤咲子や畑中葉子など、人気の落ちたアイドル達が日活ロマンポルノでカムバックを図るというのは当時の常套でしたが、作品は良くても残念ながら世間からはまるで売春婦にでもなったような好奇の眼でしか見られませんでした。


「魔性の香り」は雨から始まって雨で終わった。天地真理は雨の中に現れて雨の中に消えてしまった。水の女である。

マンションの屋上から下を見下ろしたとき、電車に乗って別の場所に行きたいと思わなかったのだろうか。

電車にはあっけらかんとした明るい希望というよりも、わびしさがつきまといます。




商品案内


Tシャツを店頭に追加しました。



その中から一枚、

80年代、ヘインズビーフィーボディーのロンTです。

シンプルなプリントですが、こういうのが返って見つかりません。

エメラルドグリーンも良いです。












良い感じのプリントの剥げとリブの擦れで雰囲気が出ています。

size  L     4500円+tax





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