4月28日
落選した4枚の組写真の2枚目です。
マリちゃんは、どうして水蜘蛛が少女になれたのかと聞きました。虫がどうして人間になれたのか。そこで私はこう言いました。男の胸に母工場があったんだ。乳は出ないが男の胸は百三日、水蜘蛛のために母工場の役をはたした。それで百三日、男の胸に水蜘蛛はとりすがったんだ。もしかしたら水蜘蛛は母がありながら母が何なのかわからなくなってしまった一人の少女だったのかもしれないねと。その途端、マリちゃんは、あたしは水蜘蛛と言って、私の胸を吸いました。きつく、きつく吸いました。
私は木の股から生まれた人間なんです。私の母はいることにはいるんですが、母と私は認めてません。何故ならこの母は母と呼べない女です。私事で恐縮ですがもう少し話せば、私の母らしき女は恐ろしい人間です。この母らしきものは、ある日、私をキャバレー専用の保育所に預けました。預けたその夜、保育所は火事になりました。七、八人焼け死んだ中を何とか幼児ながら這い出したのは私一人だけでした。しかし私を預けた母は私を迎えに来ず、姿をくらましてしまいました。察するに、火をつけたのは私を捨てようとしたこの恐ろしき女ではないかと思います。それ以来、私は人間としての母なんか必要とせず、人工の母工場を作りたいと真剣に考え始めたのです……
不思議の国のアリスでいう、うさぎを追いかけてアリスが飛び込んだ穴、もしくは少年が遊女と出逢った天城峠のトンネルのような、異界へと続くシーンの撮影です。
いつも散歩している水道道で撮りました。
モデルの福岡くんが待ち合わせの時間に遅れたので、待っている間に、予め決めておいた撮影箇所とカメラを持つ高さや角度などををチェックしているところに偶然、お婆さんがひょろひょろと歩いてきました。とっさにこのお婆さんで試し撮りをしようと思ったら、カメラを落としてしまい、急いで拾ってシャッターを切ったのがこの写真です。
偶然撮れた予想外の一枚で、お婆さんの力のない妖怪のようなシルエットがよいです。この歩き方はとてもじゃないけど若者には出来ない、おもしろいものが撮れたと思いました。
遅れてやってきた福岡くんにこの写真を見せると、これ以上の写真は僕がモデルでは撮れないと言いました。僕もそう思ったけど、やるだけはやろうと撮影を試みました。が、やはりこれ以上雰囲気の出てるものは撮れず、2枚目はこのお婆さんを水先案内人に見立てることにしました。
ただ残念なのは、ほんとはもっと真ん中を歩いてもらって、先にあるポールや明かりを消したかったんですが、もう一度歩き直して下さいなんて、通りすがりのお婆さんにはさすがに頼めませんでした。構図よりも被写体の存在感を最優先しました。
商品案内
50s半袖シャツ
本日は女性向けの商品なんですがこれほどおもしろいデザインのものはなかなか見かけることが出来ないので、ご紹介させていただきたいと思います。
ニューヨク五番街のお店でしょうか。
ボディーはネップのような織りがなされてます。
素材はコットンと思われますが他のものが混紡されてるかもしれません。
襟付近
袋縫の襟に刺繍が入ります。
トップにボタンが2つ。
1つは飾りです。
ボタンはシェルの足付きで、これはほぼ見かけない贅沢なつくりです。
袖口
ここにもボタンが付きます。
脇にリブが付きます。
アクションのためでしょうか。
ポケットが3つ
これもおもしろいです。
大変かっこよいシャツです。
女性限定のサイズですのでお求めやすい価格にさせていただきます。
7800円+tax