昨年11月の兵庫県知事選に立候補したNHK党の立花孝志党首が斎藤元彦知事の疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委)での秘密会の隠し撮り音声や、怪文書を入手していた問題で、漏洩元の維新3県議が2月23日、記者会見した。陳謝はしたものの不合理な説明をくり返し、”真偽不明の情報を伝えることは問題ではない”との本音も隠さなかった。頭を抱える維新は1人を除名処分にする方針だという。
やっとマスゴミも「不合理な説明を繰り返し」たと報じるようになったか。
増山の記者会見で、最もひどかったのはこの部分。
「(Aさんが)不同意性交」をした可能性があると立花氏が選挙中に言い立てたことについて「完全に否定する情報がなく、可能性はあると」とまで言い始めた。被害者がいるとの情報があるのかと質問が出ると「存じ上げていません」と返答。確たる根拠もなくAさんを貶めたと記者からとがめられた。
立花は兵庫知事選挙の期間中、Aさん(元兵庫県幹部職員=内部告発を最初にした人)が、やれ10人と不倫だの不同意性交だのと言いふらしていた。
選挙が終わってから発言撤回。それでも選挙結果は覆らない。
その件について、被害者の存在も知らない、何か明確な根拠があるわけでもないが、「否定する情報がないから可能性がある」と増山は言うわけである。
それなら記者もこう訊いてやればいい。
「あなたは過去に不同意性交をしたことがありますか。絶対にしていないという根拠を、今ここで提示できますか。提示できないなら、不同意性交をした可能性があると思われていいわけですね」。
維新にとって、この増山は捨て駒みたいな物だろう。
パレードの寄付金の疑惑に蓋をし、兵庫県予算から万博に多額の支出をさせるためにも、斎藤には再選してもらわなくてはならなかった。
そのためには立花とも手を組む、2馬力選挙の脱法行為、違法行為、デマでも誹謗中傷でも何でもありだったのだ。
これが維新という関西の病巣である。
もう一つ。兵庫県は半世紀以上、まともに知事選挙というものをやってこなかった。
坂井時忠、貝原俊民、井戸敏三、この3人で50年以上務めたことになる。
坂井は内務官僚出身、貝原と井戸は地方行政を所管する自治省出身、いわば「天下り知事」である。
天下りをすんなりと受け入れて知事にし、無条件に再選させてきた。
知事選挙を巡る混乱は、何も考えずに知事を受け入れてきたツケというのは考え過ぎだろうか。