フジメディアHD、フジテレビ経営幹部による記者会見は、10時間以上に及んだ。
真実をきちんと説明すれば、長くとも2~3時間で済むものを、ノラリクラリの回答をするから記者からのツッコミが終わらず長くなった印象を受けた。
この記者会見に出てこられなかったのが、フジテレビの顧問、日枝久である。
フジサンケイグループの自民党とのベタベタ関係は、上の写真が象徴している。
以前に、安倍晋三と昵懇だった企業グループとして、フジサンケイとJR東海を挙げた。
JR東海に関して取り上げていない件があったので、改めて指摘しておきます。
日経新聞も安倍政権とご昵懇ではあったが、別動隊とも言える日経ビジネスの記者や編集長には気骨のある者もいたようだ。
安倍と葛西の個人的なつながりによる情実から3兆円という破格の貸付になったのではないかという疑惑を記事にしている。
財投3兆円投入、リニアは第3の森加計問題:日経ビジネス電子版
無担保で3兆円を貸し、30年間も元本返済を猶予する。しかも、超長期なのに金利は平均0.8%という低金利を適用する──。
首相の安倍晋三が、2016年6月1日に記者の前で「新たな低利貸付制度で、リニア計画を前倒しする」と発表し、巨額の財投資金が、この瞬間に動き出した。
「いや、あの融資条件は、他に聞いたことがないですね」。同じ財政投融資という融資スキームを扱っている日本政策金融公庫の幹部も首をかしげる。
「そもそも、30年後から返すって、貸す方も借りる方も責任者は辞めているでしょうし、生きているかどうかも分からないですよね」
第4の権力として政治権力を厳しく監視すべき言論報道機関。
資本主義経済社会において自力で開発や資金調達をすべき民間企業。
フジテレビのガバナンス失敗も、JR東海のリニア工事遅延(失敗)も、権力に取り入る時点で判断能力を狂わせたというのはこじつけだろうか。
特にJR東海は、3兆円もの融資を政府系から引っ張れるということで、トンネル工事費用の見積りや地元との調整に対する見通しが甘くなってしまったのではないか。
また、安倍との個人的関係から3兆円もの融資を引っ張ってきた葛西には誰も逆らえず、葛西のツルの一声が取締役会を支配していったことが推定される。工事遅延や費用の増大など、これから大変なことになる。
つくづく思う、権力の毒に当たると身を亡ぼす。