大阪湾から淀川河口に迷い込んだクジラ。「淀ちゃん」と名付けられたが、残念ながら間もなく死亡した。

 そのクジラの処理費を巡るいかがわしさがバレてきている。

 

 「淀ちゃん」処理費に「多くの疑義」…大阪市は不祥事調べる監察委員の調査チーム発足へ : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

 

 市監査委員は、今年2月に市民グループ「見張り番」からの住民監査請求を受けて調査し、この日に監査結果を公表した。それによると、学術調査のためにクジラを一時的に載せた船を3回、洗ったとする清掃費(457万円)については、市のマニュアルで監督する職員が目視などで作業を確認することが求められるが、実施していなかった。同社との交渉記録では、契約金額を8000万円に近づけるために計上することが相談されており、「不適切な計上の疑いが残る」とした。

 同局で契約を担当する経営改革課長が、市の試算額を積算根拠なく8000万円に引き上げるよう局長らにメールで進言していたことなどから、「8000万円ありきで価格交渉が進められてきたと強く疑念を抱かざるを得ない」と指摘。契約に関わった職員については「故意または重大な過失を認めうる」とした。

 ただ、契約金額の積算根拠を示す資料を同局に求めても提出されず、監査委員としては「職員の損害賠償責任を認定することは困難」と結論づけた。その上で横山市長に対し、6か月以内に第三者機関などで詳細を調査し、契約額が不適正と認められた場合は、職員への損害賠償請求を行うことを勧告した。

 

 市役所内部で、処理費用をわざと引き上げるように、幹部職員が指示していたそうだ。

 

 そしてやはり、この処理業者が維新とベッタリの懇ろだそうだ。

 

 聞いて呆れる「身を切る改革」|クジラ処分と万博に通底する維新政治の危うさ | HUNTER(ハンター) (news-hunter.org)

 

 総務省のホームページを見れば、随意契約の場合は《予定価格が少額の場合》と明記されており、8,000万円を超すクジラの海洋沈下処分も当然、競争入札すべき事案だった。

しかし、メールの記載には、クジラが死んだばかりなのに《契約方法は、緊急で随意契約したいとのこと》、《契約相手方のS汽船のZ氏に相談した》と残されており、早い時期に業者をS汽船と決めていたことがうかがえる。

こうも記されている。《随意契約するにしてもS汽船に発注する理由が必要ですが、(大阪市港湾局の)海務課では考えていないようなので適当に考えておきます》――極めて杜撰な役所仕事という他ない。

クジラは1月19日に海洋沈下処分されたのだが、仕様書や契約書は何もないまま行われた。その後、S汽船が出してきた見積書は8,000万円を超えるというとんでもない金額だった。

大阪市港湾局のメールには《とんでもないぼったくり》ともあり、S汽船への不信感を隠そうともしていない。

処分後、S汽船の見積もりを受けて大阪市が試算したのは3千万円超の数字。しかし最終的に、大阪市が折れて8,000万円で契約していた。

 

 素人である松井氏と吉村知事がなぜ海洋沈下処分を決めたのか?そこには、“維新政治”が深く関与している可能性がある。

S汽船は大阪港近くに事務所を構えており、そのすぐ隣には、日本維新の会の衆議院議員井上英孝氏のポスターが貼ってある古びたビルがあった(*下の写真参照)。S汽船の元社長O氏の自宅であり、同社の現在の会長はO氏の息子が務めている。

 

汽船の関係者は、「元社長は昔から井上議員の支援者で、維新が創設されたときから後援会に入会していました。地元では有名な維新信者です」と話す。

2022年に大阪維新の会が大阪府選管に提出した政治資金収支報告書には、その話を裏付ける記載がある。同年3月にO元社長が100万円を寄付していたのだ。

先の関係者はこう語る。「2021年10月に衆議院選挙があり、井上議員が圧勝したのですが、O元社長は当選祝いのような意味で寄附したと言っていました。井上さんは維新に入る前は自民党。井上さんのお母さんは元大阪市議です。元社長は、そのころからカネと票で支援してたようです」

調べを進めてみると、井上氏が自民党時代にもS汽船から寄附を受けていたことまで確認できた。さらに、S汽船で大阪市との交渉にあってきたZ氏は、なんと大阪市港湾局に10年以上在籍したOBだった。

 

維新の“タニマチ”であるS汽船と、市が「激突」することは是が非でも避けなければならなかったはず。クジラの海洋沈下処分をめぐる契約問題は、維新内部の都合によって決められた可能性が否定できない。

クジラの海洋沈下処分費は、500万円から3,000万超へと上乗せされ、最後は8,000万円。大阪・関西万博の建設費が,当初予算の2倍となる2,350億円に膨れ上がったのと同じ構図だ。維新は、「身を切る改革」の看板をおろすべきだ。

 

維新の“タニマチ”であるS汽船と、市が「激突」することは是が非でも避けなければならなかったはず。クジラの海洋沈下処分をめぐる契約問題は、維新内部の都合によって決められた可能性が否定できない。

クジラの海洋沈下処分費は、500万円から3,000万超へと上乗せされ、最後は8,000万円。大阪・関西万博の建設費が,当初予算の2倍となる2,350億円に膨れ上がったのと同じ構図だ。維新は、「身を切る改革」の看板をおろすべきだ。

 

 

 大阪で維新がやっているのは、この程度のことだ。

 万博、それに伴う夢洲の開発、交通アクセスの整備。

 運営費や工事費は雪ダルマのように膨れ上がり、予算ジャブジャブのつかいまくり。

 この件で職員の賠償責任が問われれば、少しは改まるかもしれない。