当ブログで度々取り上げてきた大阪IRですが、中止すべき理由があまりに多いので、本日から数回に分けて中止論を連載します。

 (過去記事との重複をお断りしておきます。)

 

 数年前(コロナ禍前)、マカオ旅行から帰国した知人の話を聞く機会があった。

 「マカオのカジノ熱はすごい。中国本土から続々と飛行機でやってきて、空港からはバスでカジノに直行。カジノの中は札びらが乱舞するような熱狂ぶりだった。あの盛り上がりを見れば、『大阪にもカジノを造りたい、カジノ客を取り込みたい、和歌山にも長崎にも、ドコソコにも』というのは分かる気がする」。

 カジノには反対意見も多かったが、そんな話を聞くと、カジノ誘致論にも一理あるかと思えたものです。

 

 こちらの記事には、海外のカジノ業者が続々と来阪していると書かれている。

 複数の事業者が大阪でのカジノ開業を検討していたのだろう。

海外のカジノ開発事業者のトップが続々と来阪、国内初のIR(カジノを設置した総合型リゾート)は大阪が有力視! | Re-urbanization -再都市化- (saitoshika-west.com)

カジノを設置したIR(統合型リゾート)の候補地は夢洲が有力、投資額は5000億円以上! | Re-urbanization -再都市化- (saitoshika-west.com)

 

 この頃は大阪はモテモテ。

 「大阪府の松井知事は、これまでにマカオのカジノを運営するメルク・クラウン・エンターテインメントをはじめ、シンガポールのマリーナベイサンズを運営するサンズ、リゾートワールドセントーサを運営するゲンティン、ラスベガスのシザースの海外事業者4社と会談したそうです。」

 

 ところがそうは問屋が卸さない。2021年2月、こんなニュースが流れた。

 中国、海外カジノ観光規制へ IR構想に打撃も|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

 

 「一部の海外都市は中国人観光客をギャンブルで誘致するためにカジノを開設し、観光市場の秩序を乱して中国人の財産や安全を危険にさらしている」

 中国で唯一カジノが合法化されているマカオに愛好家を囲い込む狙いもあるとみられる。

 

 中国として、国内の富が海外のカジノに流出するのは許さぬということらしい。

 ラスベガスのカジノ業者は、この規制の動きを察知していたのだろうか、先に大阪からの撤退を発表し、横浜からも撤退する。

 ラスベガス・サンズ、大阪での統合型リゾート開発を断念 東京・横浜に注力 - TRAICY(トライシー)

 

 米「ラスベガス・サンズ」大手カジノ会社が日本IR開発市場から撤退|日本カジノ研究所 (vegasdocs.com)

 

 日本のような衰退一方の国で多額の資本投下しても割に合わぬ、中国からの観光客も規制で当てにできないという判断だろう。

 複数のカジノ業者が興味を示した大阪進出は、撤退や断念が相次ぐことになる。(続く)