だから、無理だと言っただろう。

 

 吉村知事後押しワクチン、開発中止 「想像で発信したわけではない」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

 大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)が新型コロナウイルスワクチンの開発を中止したことについて、大阪府の吉村洋文知事は9日、「非常に残念に思う」と記者団に話した。アンジェスのワクチン開発を巡っては、治験を実施する大学の審査委員会が承認する前に、吉村氏が治験の日程や対象者を公表するなど、知事の前のめりな発言が物議を醸していた。

 

 アンジェスは森下竜一・大阪大教授らと共同で、「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプのワクチンの開発を進めていた。吉村氏は2020年4月、「早ければ7月に治験を始め、9月に実用化。年内に10万~20万人に接種する。これは絵空事ではない」と述べた。当時は新型コロナの「第1波」で初の緊急事態宣言が出されており、発言は注目を浴びた。  さらに20年6月の記者会見では、治験を実施する大阪市立大病院(現大阪公立大病院)での審査委員会通過前に、市大病院の医療従事者20~30人を対象にした治験が同30日から実施されると発表。その際も、「21年春から秋に実用化を目指したい」と具体的なスケジュールに言及した。  こうした期待をあおる発言を受け、20年4月初めに約700円だったアンジェスの株価は、同年6月26日には年初来高値の2492円にまで急騰した。厚生労働省などから約75億円の補助金を受け、国内メーカーとしては初めて治験を実施したが、期待された水準に有効性が至らず、開発を中止した。

 

 そもそも、アンジェスという会社は新薬開発のベンチャー企業だが、その事業は失敗続きだ。

 

アンジェス【4563】の業績・財務推移[通期・半期・四半期]|株探(かぶたん) (kabutan.jp)

 

 こちらにデータが出ている。12月決算の会社、コロナ禍前の2018年、2019年の業績は下の通り。

  

         売上高     営業赤字     

 2018年   6億1千万円    30億6千万円

 2019年   3億2千万円    32億7千万円

 

 売上の10倍も営業赤字を垂れ流している会社。よく倒産せずに存続しているなと感心する。資金繰りが途切れなかった原因の一つは補助金だ。

 上の毎日の記事には、こんな会社が75億円もの補助金を受けたとされている。まるで赤字の穴埋めに使われたようだ。

 ワクチンの有効性やヴァイルスの変異による追加投与の必要性の議論はともかくとして、ファイザー製薬の業績は下記の通り、やはり決算は12月期である。コロナワクチンの影響がまだない、2019年の業績である。2021年はワクチンが世界中で売れまくり、利益倍増、笑いが止まらない。

 

           売上高       営業利益

 2019年     517億5千万ドル    103億ドル

 2021年     812億8千万ドル    207億ドル

 

 ちなみに従業員数はファイザーが79000人、アンジェスは131人。ワクチン開発の競争において、勝負になるわけがない。

 74億円もの補助金、ドブに捨てたのと同じ。

 ツイッターでの吉村の負け惜しみは以下の通り。

 

 『挑戦を認める社会は失敗も認める社会。失敗してもまた次の挑戦を認める社会。何もせずに批判だけする社会では後進国になる。』

 

 上の数字(データ)を見て、これがまともな挑戦と思うなら、よほどオメデタイか頭が悪いかどちらかであろう。

 「今日、パチンコに行く。カネがないから貸してくれ、儲かったら倍にして返す」、「明日の競馬で大穴に張ってやる、的中したら10倍にして返すからカネ貸してくれ」。

 こんなレベルの話だ。こんな奴が関西で圧倒的な人気の府知事だ。すでに後進国に転落したというべきである。