テレビや新聞など、やっとマスコミが統一教会と政界との関わりを報じるようになった。中には本腰を入れた報道姿勢が感じられる番組もあり、これまで安倍のインチキにほとんど触れず、話題にするとしても御用評論家が庇う発言ばかり垂れ流していた頃とは、明らかに潮目が変わった。

 それは歓迎すべきことなのだが、歯に衣着せず次々とバカ斬りしてきた当ブログの存在意義もやや薄れるかと思える(苦笑)。

 それでも、世間とは少し異なった視点で斬ってきた当ブログ、やはりマスコミがまだ指摘できていない件を取り上げましょう。

 

 「確信犯」とは、今の日本で最も誤用されている言葉ではなかろうか。

 「悪いことだとわかっていて意図的に行うこと」だとか、「うっかりミスではなく故意にやったこと」として使われることが多い。

 しかしながら、本来の意味はこちら。

 

「確信犯(かくしんはん)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

 「確信犯」は、そもそもは西欧の法哲学上の概念(の訳語)である。現行法では処罰の対象となるいう意味においては「悪」であるとしても、政治的・宗教的・道徳的な普遍的価値観に照らせば「善」であると確信できる、そのような確信に基づいて行われる犯罪行為が本来の意味における「確信犯」である。

 

 山上徹也は確信犯だったのではあるまいか。

 統一教会に対する恨みはもちろんあっただろう。恨みによる犯行という側面は否定できない。

 しかしながら、祟りがどうの、先祖が地獄に落ちているだの、悪霊がお前や家族に取り憑いているだのと脅し、壺や数珠を法外な値段で買わせたり、献金だが寄付だか知らぬが有り金をごっそり巻き上げる。ヤクザより質が悪い反社会的勢力が、なぜ野放しになっているのか。それは時の権力と癒着しているからではないのか。

 学校でイジメにあって自殺した子どもの親、理不尽な事故や事件に巻き込まれて被害を受けた人たちが訴訟を起こす場合に、こう言うことが多い、「今後、こんなことが起こらないように裁判で真実を明らかにしたい」。

 山上が、もし「このままにはしておけぬ、自分のような犠牲者がもう生じないように、事件を起こしてでも真実を明らかにしてやる」との思いから、あの犯行に至ったのなら確信犯と言える。

 

 現在、統一教会の名称変更やダミー組織の実態が明らかにされ、マインドコントールによる被害が報じられ、被害対策弁護団の発言も取り上げられるようになった。さらに自民党はじめ政界との癒着ぶりも明らかになり、関わった閣僚や議員たちは批判にさらされている。

 これで統一教会は今後のカネ集めが難しくなっただろうし、政界に食い込むことも難しくなった。政治屋どもは選挙に統一教会を利用することも難しくなった。

 今後、統一教会に騙されたり、人生や家族関係を破壊されるような人はかなり減るだろう。

 結果としては、山上烈士の確信犯としての目論見は成功していると言える。