当該事件で忘れてはならないのは、一度は逮捕状が発行されながら、逮捕直前になってストップがかかり、犯人と目される山口敬之は、なぜか無罪放免となってしまったことだ。
山口が逮捕され、法に基づく処罰がなされていれば、被害女性は実名や素顔を明らかにすることもなく、準強姦事件として処理され、特に話題になることもなかった。
犯人(と目される)山口敬之は、安倍晋三のチョーチンヨイショ本「総理」の著者であり、その関係から逮捕において官邸からストップがかかったのではないか。山口の事件を揉み消す代わりに、山口は官邸の言いなりとなって、テレビに出演しては政権に不都合な件について徹底擁護していたのではないか。疑惑が生じている。
こちらのサイトに時系列が掲載されている。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ed9cfb2c5b6f4e9bed78b71?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
これに「総理」の執筆、出版の時系列を加えてみる。
(サイトは斜め字 加筆はそのまま)
2015年4月3日 伊藤詩織さんと元TBS記者・山口敬之さんが恵比寿で食事後、港区内のホテルへ行く
2015年4月30日 警視庁高輪署が準強姦容疑(当時)で告訴状を受理
2015年6月8日 山口がアメリカから帰国。逮捕状が発行され、
成田空港で逮捕のはずが、直前に警視庁トップから
ストップがかかる。
2015年8月26日 事件について、書類送検される。
2016年6月 山口の著書『総理』が出版される。
(同年3月から5月にかけて安倍が取材を受けていた
ことが想定される)。
2016年7月22日 東京地検が嫌疑不十分で不起訴決定
2017年5月18日 「週刊新潮」で記事化
2017年5月29日 伊藤さんが検察審査会に不服申し立て。同日、司法記者クラブで「詩織」の実名で記者会見
2017年9月22日 検察審査会は「不起訴を覆すだけの理由がない」として「不起訴相当」と議決
2017年9月28日 「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として、伊藤さんが山口さんを相手に1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こす
2017年10月18日 伊藤さんが著書「Black Box」を出版
2017年10月24日 伊藤さんが日本外国特派員協会で会見
2019年2月 山口さんが伊藤さんを相手に慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴
2019年7月8日 口頭弁論(伊藤さん、山口さんが出廷)
2019年10月7日 結審
2019年12月18日 判決言い渡し。東京地裁の鈴木昭洋裁判長は山口さんに慰謝料など約330万円の支払いを命じ、山口さん側の請求は棄却した。同日、山口さんが記者会見し、控訴する意向を表明した。
2020年1月6日 山口さんが東京地裁の判決を不服として控訴
以上から明らかになっている事実及び疑問点を列挙する。
(1) 山口による著書『総理』は2016年6月に出版されている。そうすると安倍は3月、4月、5月辺りにこの著者から取材を受けているということになる。
(2)山口は、2015年4月に準強姦事件を起こしたとして、被害届と告訴状が提出され、すでに書類送検されている。準強姦事件で告訴され、書類送検されている人物が取材のために官邸に出入りし、総理自ら取材に応じ、官邸で執務中の総理の写真撮影までしていたということになる。
(3)準強姦事件が不起訴処分になったのは2016年7月22日である。出版された2016年6月の時点では、起訴されるか不起訴になるか、わからなかったはずなのに、安倍は取材を受け本は出版された。もし起訴されれば、準強姦事件の被告人が総理についての本を書いた。総理は準強姦事件の被告人を官邸に出入りさせ、取材をさせていたということになる。起訴されることへの心配はなかったのか。
(4)以上のことから、山口や安倍は、不起訴となることを知っていたのかという疑惑がある。その疑惑にはどう答えるか。