一方的な意見、大衆の盛り上がりによって事実が見えなくなること。非常に危険です。七十数年前、この国では「アメリカと戦争やって勝てるわけがない」という当たり前のことを言っただけで、「非国民」と罵倒され、さらに特別高等警察から拷問を受けるハメになった。
100年余り前には、日露戦争を終結させた指導者たちが、その条件が気に入らぬという大衆から、腰抜けだの売国だのと罵倒され、後の軍国主義暴走の引き鉄となった。
徴用工判決についての国内の盛り上がり、非常に危険です。テレビでのネット上でも判決や韓国を罵倒する意見で溢れかえっている。こういう時ほど、冷静に事実を見つめる必要がある。
やっとまともな文章を見つけた。
https://toyokeizai.net/articles/-/247496?page=2
ある程度の知性があっても、ハングルが読解でき、韓国の法律や判例を知らないとなかなかコメントできないわけですから、こういう文章は滅多に見られません。
当ブログにも、ひとつ誤解があったのは、「労働債権」と考えていたということです。判決では労働債権ではなく、「慰謝料」だったそうだ。
もう一つ、わかった事実。日本から韓国に渡った3億ドル。日本による韓国への植民地支配その他すべての賠償責任について支払ったものという解釈が一般的である。しかし違ったらしい。
3億ドルの性格については椎名悦三郎外相は次のように答弁している。
「請求権が経済協力という形に変わったというような考え方を持ち、したがって、 経済協力というのは純然たる経済協力でなくて、 これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償5億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして、韓国の経済が繁栄するように、そういう気持ちを持って、また、新しい国の出発を祝うという点において、 この経済協力を認めたのでございます」(第50回国会参議院本会議1965年11月19日)
有名な「独立祝い金」答弁である。
こんな話、他のマスゴミはまったく取り上げません。
それにしても、
原告うち2人は1943年頃、旧日本製鉄が平壌で出した、大阪製鉄所の工員募集広告を見て応募した。「2年間訓練を受ければ、技術を習得することができ、訓練終了後、朝鮮半島の製鉄所で技術者として就職することができる」と書かれていた。
これ、まるで現在の外国人技能実習制度、そのままだな。