この件に関して、日本のマスゴミは例によって大本営発表のごとく、日本政府の主張を垂れ流している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181030-OYT1T50108.html

 

 世間の見方とは少し異なった角度から事実を捉える当ブログ、この判決の是非については論及しない。これに関する疑問点だけ以下に列挙する。

 

 (なお、日韓併合により日本人となった当時の韓国系日本人は「韓系」と略して表記します。)

 

1. 保守系(エセかどうかはともかくとして)の言論人、言論機関は「強制連行」などはなかったと主張している。そうすると、当時の韓系が給与を得るために日本企業の軍需工場で働いていただけ、ということになる。

 

2. 現在の日本においては、労働債権は他の一般的な債権に増して、支払い義務が重い。即ち、給与不払いは経営者が刑事責任を問われるし、倒産した場合でも他の債権に優先して弁済を受けられる。

 

3. 日本政府、日本企業側の主張としては、「1965年の日韓請求権・経済協力協定によって元徴用工の個人請求権が消滅済み」というもの。しかしながら終戦は1945年、そもそもなぜ労働債権の請求が20年間も放置されていたのか。

 

4. 当時、軍需工場で働いていたのは、韓系だけでなく、一般的な日本人もたくさんいただろう。そちらには速やかに給与が支払われたり、戦後に補償がなされたのだろうか。

 

5. 1951年のサンフランシスコ講和条約成立までは、日本にいた韓系の国籍は韓国ではなく、日本であった。一般的な日本人と、差別的な取り扱いはなかったのか。当時はすでに現在の日本国憲法が成立し、「すべて日本人は法の下に平等」と定められている。

 

6. 国家間での賠償や補償についての請求権の放棄や合意があった場合、それがどこまで及ぶのか。民間企業と韓系についての労働債権が消滅するなら、一般的日本人が韓系に金銭を貸していた場合、反対に韓系が一般的日本人に金銭を貸していた場合、それらも消滅するのか(そんなわけはないだろう)。しかし、労働債権は一般的債権よりも効力は大きいはず。

 

 ちなみに、国会では1991年、自民党政権において、個人の請求権は消滅しないとの政府側見解が述べられている。