https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-45093449-bbc-int
『41度以上の最高気温を記録した日本で、2020年の東京五輪に向けて、選手がより涼しい時間帯に競技できるようにするため、サマータイム導入が政府内で検討されているという。6日付の産経新聞が伝えた。』
思考能力のないバカにものを考えさせると、ろくな議論は出てこないのは当然だが、これはあまりにひどい。
きっかけは東京五輪の暑さ対策だ。マラソンは午前7時スタートだが、8時、8時半、9時とどんどん気温が上がっていく。
選手も観客も大会スタッフも熱中症の危険に晒される。それより早くにスタート時刻を設定することは、始発電車の時刻や準備の時間を考えれば無理、そこで出てきた話のようだ。
サマータイムで2時間早めれば、午前7時は現在の午前5時になる。それなら少し涼しくなるだろう。
しかし、時計の針を少し進めて済む話ではない。
http://news.livedoor.com/article/detail/15119859/
『まず、日本中に存在する全ての官公庁や銀行・商社・流通・その他諸々の企業のシステムに大規模な改修が必要となります。そしてその全ての改修を2019年の夏までに完璧に行わなければならなくなります。
そして2019年の試験導入で発生した問題点を2020年の本格導入までに完璧に改修しなければならなくなります。もし2020年の段階で何らかの手違いがあれば東京オリンピックの真っ最中に大規模な障害が発生する可能性があるため、何が何でもそれまでに完璧に改修を完成させなければなりません。』
『いったい日本中の官公庁や企業のシステムをこれだけの短時間にくまなく改修するだけの人的リソースが人手不足が叫ばれる現代日本にあるのでしょうか?もしあったとして、どれだけの人手がこのサマータイム導入のために文字通り命懸けのデスマーチを繰り広げることになるのでしょうか?
サマータイム導入は既にこれだけの理由で空中分解での失敗が確定した案件。さらには2019年と2020年だけに限定となれば、東京オリンピックの2週間のためだけに「穴を掘ってまた埋める」だけに終わるサマータイムに途方もないリソースを無駄につぎ込むことになります。』
かつて、2000年問題というのがあった。
ITシステムに導入された年表示は2ケタだったため、西暦1999年から2000年への移行に対応できない。どんなトラブルが発生するか予想もつかない、ということだった。
これは数年も前から危機が指摘されたため、時間的な余裕もあり十分な対応がなされ、大きなトラブルなく移行できた。
あんな大騒ぎを再び繰り返すのか、何の必要性もないのに。
政府広報誌に過ぎない産経は「このサマータイムが導入されれば、午前7時スタート予定のマラソンが、もっとも涼しい(現在の)午前5時スタートとなるため、日が高くなる前にレースを終えることができる」と指摘しているそうだが、夕方の競技が暑くなることは考える能力がないようだ。
夕方以降の競技はどうなるか。
例えばサッカーや陸上競技、午後6時試合開始。勤務を終えた会社員や公務員でスタジアムは賑わうはず。陽射しが傾き暑さもやや収まる午後6時から8時なら観戦しやすい。帰宅もしやすい。2時間前倒しのサマータイムなら、今の午後4時から始まることになる。強い西日がまともに射し込み、スタジアムは蒸しかえるような暑さになるだろう。
暑いから夕方の競技は8時(現在の6時)からにするか?観客の帰宅は深夜になるぞ。次の日はサマータイムによって2時間前倒しの出勤時間だ。
この時期にオリパラを開催すること自体に無理がある。サマータイム導入のような無理をしても、他に無理が出る。
悪いことは言わない。2か月後ろに下げることだ。