再びFIFAワールドカップの話題です。
日本はめでたく(?)決勝トーナメントに進みましたが、最後約10分間の戦い方(といえるかどうか)を巡って、議論がかまびすしい。
理想と現実、どちらを取るかという話なので、永遠に結論は出ないでしょう。
FIFAワールドカップの試合形式、4チームによる予選リーグと決勝トーナメントの組み合わせ。なかなかよくできた試合形式だと思っていました。どのチームも最低3試合は戦える。単純なトーナメントで1試合で終わりというのは物足りない。
しかしどんな制度にも弱点や欠陥、問題点というのはあるものです。
日本代表の試合を見ていて、さらに恐ろしい状況を思いつきました。以下ABCD4チームによるグループリーグの戦いのシミュレーションです。各チーム2試合を終えての結果です。
A 1勝1分け 勝点4 (Cに勝ち、Dと分け)
B 1勝1分け 勝点4 (Cと分け、Dに勝ち)
C 1敗1分け 勝点1 (Aに負け、Bと分け)
D 1敗1分け 勝点1 (Aと分け、Bに負け)
得失点差はいずれも+1(―1)とします。
こうなると、予選リーグ最終は、AvsB CvsDの試合が同日同時間に行われることになる。
CかDのどちらかが2点差で勝利した場合、(1勝1敗1分け 勝点4 得失点差+1)となる。
AvsBの敗者は(1勝1敗1分 勝点4 得失点差0以下)となり、決勝トーナメント進出不可となる。
ところがA、B、揃って仲良く決勝トーナメントに進む方法がある。
「八百長引き分け」である。そうすれば、どちらも(1勝2分け 勝点5)となり、CvsDの結果がどうなろうと決勝トーナメントに進めるということになる。
あの絶望的な自陣でのパス回しが90分間続くのか、「試合」にはまったくならず、90分間という時間の潰「し合い」になる。
何らかの対策を検討すべきですね。
ちなみに、このような「八百長談合」を断ったのが2002年の韓国だったそうです。(以下日経6月28日朝刊参照)
『最終戦前のD組4チームの勝点は韓国4、米国4、ポルトガル3、ポーランド0。韓国―ポルトガル戦の勝者が米国と一緒に勝ちあがるとみられていた。
ところが同時開催の他会場で、米国がポーランド相手に早々と2失点。退場者を出して劣勢に置かれていたポルトガルはそれを知ると、試合中に矛を収めて韓国に〝取引″を持ちかけた。』
たしかに、引き分けなら韓国5、米国4、ポルトガル4、韓国は確実に決勝進出できるし、ポルトガルも得失点差で決勝に行ける可能性が高い。だが、
『韓国は応じなかった。(中略)その後、韓国の朴智星(パク・チソン)が鮮やかな決勝点を決めてポルトガルはここで敗退。甘言になびかなかった志操堅固な選手たちを韓国の新聞はこぞってたたえていた。』
この記事の記者は、ポルトガル選手による「目くばせ」や「話しかけ」を目撃したという。
「2002年ワールドカップ、八百長」と検索すれば、韓国による審判買収だの、罵詈雑言に溢れていますが、実は八百長を持ちかけたのはポルトガル、それを拒否したのが韓国でした(実はポルトガル語が通じなかったのかもしれませんが)。