加計学園問題について、愛媛県の公文書から、「首相案件」の言葉が発見された。
これについては明日から明後日に取り上げるとして、今日は珍しく野球の話題を取り上げます。
米大リーグエンゼルスの大谷翔平が投打に活躍し、大きな話題となっている。
これに対して江本孟紀氏が冷静な意見を述べている。
https://dot.asahi.com/dot/2018040900015.html?page=1
私は江本氏とほぼ同意見である。
そこで、もう少し数字を挙げることで、大谷の二刀流を評価してみる。
まず、大谷の日本での投手成績を、同じ高卒投手であったダルビッシュ、田中将大と比較してみる。
いずれも入団から5年間の通算成績である。
勝敗 | 防御率 | 投球回数 | 年度 | |
ダルビッシュ | 63勝24敗 | 2.20 | 834 2/3 | 2005~09 |
田中 将大 | 65勝31敗 | 2.61 | 930 | 2007~11 |
大谷 翔平 | 42勝15敗 | 2.52 | 543 | 2013~17 |
勝利数は二人に比べ20以上も少ない。
特に、大谷は昨季は、わずか5試合しか登板していない。
ダルビッシュと田中の成績は、本当に甲乙つけがたい。
ダルビッシュは、プロ入り時点では身体が細く、首脳陣はいきなりローテーション入りさせるのではなく、2軍で身体を鍛え育ててからローテーション入りさせた。
一方、田中は1年目からローテーションに入った。チーム事情ということもあるだろう。当時の楽天は球団設立からまだ年数が経っておらず、先発投手が不足していた。1年目からフルに投げた田中の投球回数が多く、2軍で鍛え調整してから、ローテーション入りしたダルビッシュの方が防御率がいいのは納得できる。
防御率ではダルビッシュには及ばぬものの、新人から930イニングを投げ通した田中のタフネスや安定性は秀逸である。さらに7年目には26勝無敗の大記録を打ち立てる。
大谷の素質がこの二人に劣らぬことは衆目の一致するところであろう。
DHとの併用が、この成績の差になったことも異論あるまい。もし投手に専念していれば、この二人を凌駕する記録になった可能性も十分である。
では大谷の打者成績はいかなるものか。
5年間の通算成績
打率.288 1035打数 48本塁打 166打点
2014年から16年まで千葉ロッテ、昨年からソフトバンクでDHとして活躍するアルフレイド・デスパイネの通算記録と比較してみる。
打率.269 1517打数 89本塁打 291打点
デスパイネの方が打数が多いので、本塁打数、打点数に (1035/1517)の数字をかけて調整してみる。
そうすると、 60.72本塁打、198.5打点となる。
打率はやや大谷が上回るが、本塁打と打点はデスパイネが上回ることになる。DHとしての評価は同等ぐらいであろう。
つまり、チームの戦略としては、デスパイネぐらいの選手を獲得してDHを任せ、大谷を投手として専念させた方がよほどプラスになるということである。
二刀流、二刀流と騒いでいるが、実態は「二兎追う流」である。
日本においてもこの程度、移動距離が長く時差もあり、コンディショニング維持が難しい大リーグで、好調がいつまで続くだろうか。